ドクターズガイド

PTSD

 

病気の解説

  • PTSDは、災害、事故、戦争、犯罪被害など、心の傷(トラウマ)を引き起こすような強い恐怖感を伴う衝撃的体験が元となって起こる。主な症状は 1.再体験(フラッシュバック):原因となったトラウマ体験が、本人の意志とは関係なく繰り返し思い出されたり、夢に現れたりする。 2.回避、麻痺:トラウマ体験を思い出すような状況や場面を避け続けるようになる。周囲の人や自分の未来からも切り離されたように感じて、現実感が乏しい。 3.過覚醒:あらゆる物音や刺激に対して過敏に反応し、不安で落ち着かず、イライラや不眠などの症状が現れる。…

    前田正治医師
    福島県立医科大学医学部 災害こころの医学講座 主任教授

   

実力医師(五十音順)

  • 五十嵐善雄 (いがらしよしお)
    五十嵐善雄(いがらしよしお) 医師

    ヒッポメンタルクリニック(山形県) 院長

    五十嵐医師は、精神科医としての臨床のほとんどを精神分裂病者の社会復帰に費やしてきた医師。精神医学の面から、帰国者や外国人就労者、なかでも日本で暮らす定住配偶者(外国人花嫁)の異文化適応問題・メンタルヘルスに対して長きにわたり支援に携わってきたことで知られる。…続きを読む→

  • 岩井圭司 (いわいけいじ)
    岩井圭司(いわいけいじ)医師

    阪本美佐子メンタルクリニック(兵庫県) 精神科 心療内科 教授

    岩井医師は、兵庫教育大学大学院にて教授として臨床心理士の養成にあたる一方、精神科医として臨床の現場にも立ち続ける。わが国において災害のもたらす精神的影響性が広く注目された阪神・淡路大震災が起きた際には被災者援助機関として設立された「こころのケアセンター」の医師として…続きを読む→

  • 奥山眞紀子(おくやままきこ)
    奥山眞紀子(おくやままきこ) 医師

    国立成育医療研究センター病院(東京都) 特命副院長

    子どもの心に関わる分野を専門とし、トラウマ、発達障害、不登校などのほか、虐待を受けた子どもたちの治療経験も豊富で、子どもの心をテーマにした著書も数多く執筆している。1995年に起きた阪神淡路大震災後には子どもたちへの心のケアの大切さを訴え…続きを読む→

  • 笠原麻里 (かさはらまり)
    笠原麻里(かさはらまり) 医師

    駒木野病院(東京都) 児童精神科 診療部長

    国立国際医療研究センター国府台病院や国立成育医療研究センターにおいて、児童精神医学の臨床を長くリードし、常に第一線で患者と向き合ってきたこの分野のエキスパート。実際の臨床で遭遇する困難なケースへの対応など、研究だけではなく臨床に重きを置いている笠原医師ならでは…続きを読む→

  • 重村淳 (しげむらじゅん)
    重村淳(しげむらじゅん) 医師

    防衛医科大学校病院(埼玉県) 精神科 准教授

    専門は、災害精神医学(特に災害救援者・支援者のメンタルヘルス)など、復旧に奔走する救援者のサポートに従事…続きを読む→

  • 白川美也子 (しらかわみやこ)
    白川美也子 (しらかわみやこ) 医師

    こころとからだ・光の花クリニック(東京都) 精神科 院長

    白川医師は女性や子どものトラウマの治療が専門。子どもの虐待、特に性的虐待、DVや性暴力など対人暴力被害、いじめによるものを多く診療している。トラウマの連鎖を防ぐため、乳児院、児童養護施設、出産を扱う婦人保護施設など社会福祉施設での活動にも力を入れている。…続きを読む→

  • 野呂浩史(のろひろし)
    野呂浩史(のろひろし) 医師

    南平岸内科クリニック(北海道) 院長

    開業2年後となる1999年にPDAJ(旧日本パニック障害の会)協力医となり、2001年からはNPO「全国パニック障害の会」推薦医療機関に認定されるなど、早くからパニック障害に取り組み、北海道地区で不安を抱える多くの患者を…続きを読む→

  • 廣常秀人/(ひろつねひでと)
    廣常秀人(ひろつねひでと) 医師

    国立病院機構 大阪医療センター(大阪府) 精神科 科長 がんサポートチーム室長 臨床心理室室長

    廣常医師はPTSDの専門家であり、日本トラウマティック・ストレス学会の理事。東日本大震災後も同学会のプロジェクトに参加し、被災者ケアに取り組んでいる。ただし、現在同院精神科では、常勤医定員不足のため新患の診療は実施していない。…続きを読む→

  • 帆秋善生(ほあきよしお)
    帆秋善生(ほあきよしお) 医師

    医療法人善慈会 大分丘の上病院(大分県) 院長 理事長

    同院・院長の帆秋医師は、心の病に関する数多くの実績と経験を誇る。PTSD等の様々な症状の患者を年間平均500~600名診ており、各専門資格を持つスタッフによるチーム医療を展開。「癒やし」と「再生」を根本に、電子カルテを活用するなど多角的なケアを行い、家族へ納得・安心を…続きを読む→

  • 前田正治(まえだまさはる)
    前田正治(まえだまさはる) 医師

    福島県立医科大学医学部 災害こころの医学講座 主任教授

    前田医師は数多くのPTSD患者の治療に当たってきた。PTSDなどのトラウマ反応は「医師の力だけでは治せない病」と語り、臨床心理士、ソーシャルワーカーなど他職種と連携し、チームワークで治療に望む。ガルーダ航空機墜落事故(1996)やえひめ丸沈没事故(2001)の被災者の調査や…続きを読む→

  • 丸岡隆之 (まるおかたかゆき)
    丸岡隆之(まるおかたかゆき) 医師

    黒崎中央医院(福岡県) 院長

    トラウマ領域をはじめとする臨床精神医学、精神療法のスペシャリスト。久留米大学医学部精神神経科学教室に約20年在籍し、その間、急性期治療病棟における集団精神療法や精神科デイケアにおけるうつ病認知行動療法の導入、また、国内外に大きな衝撃をもたらしたえひめ丸沈没事故…続きを読む→