ドクターズガイド

小林 浩 医師 (こばやしひろし)

小林 浩 (こばやしひろし) 医師

奈良県立医科大学附属病院(奈良県)12病院のクチコミ
産婦人科
教授

専門

子宮内膜症、子宮筋腫他

医師の紹介

ハイリスク妊婦の出産など緊急性や難易度の高い治療を含め、圧倒的な症例数と質をベースに多くの患者と向き合ってきた小林浩医師。子宮内膜症・子宮筋腫といった良性疾患の治療にも定評があり、手術治療では患者への負担が少ない腹腔鏡下手術を積極的に取り入れる。また、最先端医療の提供には良医の育成こそが使命と考え、教育や研究にも尽力。女性の生涯に渡る良きパートナーとして医療を通じた支援に全力で臨みながら、今後の産婦人科医療の将来を真摯に見つめる名医である。
小林医師は、次のように語っている。「私のモットーは10年後、20年後の産婦人科医療のスタンダードを描く医学博士と専門医を養成することです。さまざまな見識を兼ね備えた良医の育成が私の使命と考えています」

●臨床・教育…当大学産婦人科は、奈良県はもちろん、近畿地区屈指の産科・周産期・新生児医療機関として質の高い医療を提供しています。ハイリスク妊婦の出産など緊急性や難易度の高い治療を含め、圧倒的な症例数と質をベースに多くの患者と向き合ってきました。子宮内膜症・子宮筋腫といった良性疾患の治療も積極的に行っています、手術治療では患者への負担が少ない腹腔鏡下手術を積極的に取り入れております。また、最先端医療の提供には良医の育成こそが使命と考え、教育や研究にも積極的に関与しています。さらに、わが国の産婦人科医療を担う専門医や医学博士の育成にも力を入れており、医学部学生から初期研修医、後期研修医、専門医、サブスペシャリティ養成まで切れ目のない産婦人科養成プログラムを実施しています。研修コースの中には、女性医師が結婚後も継続勤務ができる支援コースや、妊娠・出産しリタイアした後も簡単に職場復帰できる支援コースを設けるなど、一人ひとりのライフステージに合ったキャリアアップ支援体制を整えています。女性の生涯に渡る良きパートナーとして医療を通じた支援に全力で臨みながら、今後の産婦人科医療の将来を真摯に見つめております。

主な研究内容
●周産期医療…1.妊婦見守りヘルスケアシステムの整備のための産学官連携を行っています。妊婦のお腹に生体情報モニター内蔵腹帯を巻くことにより無拘束、無侵襲で胎児の心拍数や妊婦の子宮収縮を記録し、無線で電子母子手帳に、そしてインターネットを介して大学病院のサーバーにその情報を送るシステムを研究しています。現在そのプロトタイプを作成し実証実験を行っています。2.妊娠高血圧症候群の病態解明のために脂肪組織におけるアディポサイトカインの発現意義と病態への関与を研究しています。3.早産治療薬の開発を行っています。4.早産と妊婦膣内環境の関係を生化学的・分子生物学的に研究しています。
●婦人科腫瘍…1.婦人科がん、特に卵巣がんの発がん機序の解明を行っており、11万人の臨床検体(血液など)をすべてバンキングセンターに保管しています。遺伝子導入やノックアウト実験はルーチンワークで可能です。2.ビクニンというがん転移抑制薬を開発し臨床研究を行い、進行卵巣がんの予後を改善しています。

診療内容

子宮内膜症の確定診断は、まずは問診所見や臨床検査さらに画像評価を組み合わせるなどの臨床的手段によりなされる。(臨床的子宮内膜症)
問診では、月経困難症・腰痛・下腹部痛・性交痛・過多月経などの臨床症状の有無を確認。内診所見では圧痛を伴う硬結、子宮の移動性の制限ならびに疼痛、癒着による子宮後屈などを診断する。画像診断では、経腟超音波断層法や有用であり、卵巣チョコレート嚢胞なども確認できる。MRIも骨盤内の病変の評価に有用とされている。治療は、薬物療法や手術療法、あるいはそれらを組合せて行う。薬物療法は、症状を緩和する目的で行う対症療法と、子宮内膜症組織そのものをターゲットとするホルモン療法に分かれる。手術療法には根治手術と保存手術がある。根治手術は病変をおこした子宮や卵巣を全て摘出、保存手術は病変だけを取り除き子宮や卵巣を温存する手術。挙児希望がある患者は当然、保存手術を選択する。子宮内膜症からは0.7%の頻度でがんが発生する。私はこの発がん機序を解明し、臨床的に癌化を見つけるコツを発信している。
一方、子宮筋腫は、女性生殖器腫瘍のなかでも最も頻度の高い良性疾患である。悪性腫瘍である子宮肉腫と鑑別が必要となるが、血液生化学的検査及びMRIを用いた画像診断などにより、確認。悪性が否定される場合には、症状や年齢・挙児希望の有無などふまえ、患者のニーズにあった治療法を選択していく。治療法は大きく分けて、手術治療と非手術治療(薬物療法、その他の治療)に分かれる。手術治療は、子宮を摘出する方法と筋腫核のみを摘出して正常な子宮を残して妊娠する能力(妊孕性)を温存する方法がある。さらに子宮摘出の方法は腹式だけでなく、侵襲が少なく術後の回復も早い膣式あるいは腹腔鏡の併用などを積極的に行っている。薬物治療では、消炎鎮痛剤や鉄欠乏性貧血に対する鉄剤投与などで症状を緩和する治療や、女性ホルモンのレベルを閉経後の状態まで下げ筋腫の縮小を期待する方法などがある。これらは、数ヶ月後に計画した手術と組み合わせて施行する場合も多い。最近ではlow-dose estrogen progestin 配合薬(LEP)を積極的に使用している。

診療を受けるには

初診の場合は、地域医療連携室から予約を取る。要紹介状。

累積症例数または患者数

毎月、約70例の子宮内膜症患者を診察している。

年間症例数

・年間分娩数は938例(正常分娩200、ハイリスク妊婦700を管理)、帝王切開は毎年370例
・手術428件。悪性腫瘍手術 133件(内、腹腔鏡下子宮体癌根治術8例)、円錐切除54件、良性開腹手術87件、良性腹腔鏡手術120件、子宮鏡手術8件、骨盤臓器脱手術26件

医師のプロフィール

経歴
1980年4月 浜松医科大学医学部附属病院(産科婦人科)臨床見学生
1980年6月 浜松医科大学産科婦人科医員(研修医)
1980年11月  県西部浜松医療センター医師
1982年7月 浜松医科大学医学部附属病院産科婦人科医員
1985年2月 浜松医科大学医学部附属病院産科婦人科助手
1987年7月 浜松北病院産婦人科医長
1989年6月 浜松医科大学医学部附属病院産科婦人科助手
1989年9月 ドイツミュンヘン科学技術大学留学(~1991)
2003年10月 浜松医科大学医学部附属病院産科婦人科助教授
2005年6月 奈良県立医科大学産婦人科教授
所属学会・認定・資格

日本産科婦人科学会認定専門医・代議員、日本がん治療学会、日本婦人科腫瘍学会暫定指導医・評議員、日本産婦人科・新生児血液学会・理事、近畿産科婦人科学会誌「産婦人科の進歩」編集長、母体保護法指定医

主な著書(編集・共著含む)

『女性の痛みを理解する 月経困難症と子宮内膜症を知る Moon Voice 2号』(2011年 メディカルレビュー社/(編集主幹)野田起一郎、(編集委員)安達知子、小林 浩、鈴木光明、原田 省、星合 昊、望月紘一、百枝幹雄)

『特集 婦人科がんのMolecular Biology 10.血管新生 産科と婦人科78(1)』(2011年)

『First-trimesterにおける尿酸高値は妊娠糖尿病の発症と関連する(海外文献からElevated first-trimester uric acid concentrations are associated with the development of gestation diabetes. Laughon SK et al. Am J Obstet Gynecol 201:402,el-5,2009)産婦人科の実際 60(1)』(2011年 金原出版/佐道俊幸、小林 浩)

『一絨毛膜二羊膜双胎の管理方法についての勧告の再検討(海外文献からContemporary management of monochorionic diamniotic twins:outcomes and delivery recommendations revisited.Smith NA et al.Am J Obstet Gynecol 203:133.el-6,2010) 産婦人科の実際 60(1)』(2011年 金原出版/佐道俊幸、小林 浩)

『卵巣がんスクリーニング検査の感度と特異度および発見された卵巣がんの進行期分布についてーthe prevalence screen of the UK Collaborative Trial of Ovarian Cancer Screening(UKCTOCS)の結果から(海外文献からSensitivity and specificity of multimodal and ultrasound screening for ovarian cancer, and stage distribution of detected cancers: results of the prevalence screen of the UK Collaborative Trial of Ovarian Cancer Screening(UKCTOCS) Menon U et al Loncet Oncol 10:327-340,2009) 産婦人科の実際 60(2)』(2011年 金原出版/山田嘉彦、小林 浩)


『大規模がんスクリーニング試験に登録した55歳以上の女性における卵巣単純嚢胞の有病率、発生率および自然史について(海外文献からPrevalence, incidence, and natural history of simple ovarian cysts among women 55 years old in a large cancer screening trial Greenlee RT et al Am J Obstet Gynecol 202:373, el-9,2010) 産婦人科の実際 60(2)』(2011年 金原出版/山田嘉彦、小林 浩)

『奈良県母性衛生学会雑誌 24 アルコール依存症による慢性膵炎を合併した薬物依存症妊婦の管理経験』(2011年 医学中央雑誌刊行会/森岡佐知子、佐道俊幸、新納恵美子、小山恵美、西岡和弘、米田聡美、成瀬勝彦、野口武俊、大井豪一、小林 浩)

『静脈血栓塞栓症―予防・診断・治療 静脈血栓塞栓症の病態と予防ガイドライン 臨床婦人科産科 65(2)』(2011年 医学書院/小林 浩、春田祥治、川口龍二)

『子宮内膜症の癌化とその取り扱い方 産婦人科治療 102(3)』(2011年 小林 浩)

『卵巣がんの早期発見と治療:新しい発がんモデルに基づいた「初期がん発見」から「微小病変発見」へのシフト(海外文献からEarly detection and treatment of ovarian cancer :shifting from early stage to minimal volume of disease based on a new model of carcinogenesis. Kurman RJ et al Am J Obstet Gynecol 198:351-356,2008) 産婦人科の実際 60(3)』 (2011年 金原出版/吉田昭三、小林 浩)

『子宮頸癌スクリーニングの一環としてHPVの型判定を受けた米国女性におけるHPV型別の有病率と持続率に関する検討(海外文献からType-specific prevalence and persistence of human papillomavirus in women in the United States who are referred for typing as a component of cervical cancer screening. Ralston Howe E et al Am J Obstet Gynecol 200:245.e1-7,2009) 産婦人科の実際 60(3)』(2011年 金原出版/吉田昭三、小林 浩)

『女性のQOLを支える 早期治療開始の意義 機能性月経困難症と子宮内膜症の治療 Moon Voice 3号』(2011年 メディカルレビュー社/(編集主幹)野田起一郎、(編集委員)安達知子、小林 浩、鈴木光明、原田 省、星合 昊、望月紘一、百枝幹雄)

『羊水塞栓症患者における臨床および血液データからの致死的因子の探索(海外文献からFatal Factors of Clinical Manifestations and Laboratory Testing in Patients with Amniotic Fluid Embolism. Oi H et al Gynecol Obstet Invest 70;138-144,2010) 産婦人科の実際 60(4)』(2011年 金原出版/大井豪一、小林 浩)



『日産婦医会研修ニュース №15 放射能汚染に関する基礎知識と現時的対応』(2011年 日産婦医会研修委員会(委員長;小林 浩)/学術部・研修部会 共同執筆)

『子宮頸がんはワクチンと検診で予防できる 日本産科婦人科学会雑誌 63(5)』(2011年 小林 浩)

『上皮性卵巣がんⅠ期に対する妊孕性温存手術の結果:患者選択のための提言(海外文献からOutcomes of Fertility-Sparing Surgery for Stage ⅠEpithelial Ovarian Cancer: A Proposal for Patient Selection Satoh T et al J Clin Oncol 28:1727-1732,2010) 産婦人科の実際 60(5)』(2011年 金原出版/川口龍二、小林 浩)

『上皮性卵巣がんに対する初回治療としてのカルボプラチン/パクリタキセル/ジェムシタビン併用療法の比較第Ⅲ相試験(海外文献からPhase Ⅲ Trial of Carboplatin Plus Paclitaxel With or Without Gemcitabine in First-Line Treatment of Epithelial Ovarian Cancer du Bois A et al J Clin Oncol 28:4162-4169,2010) 産婦人科の実際 60(5)』(2011年 金原出版/川口龍二、小林 浩)

『子宮内膜症・月経困難症の薬物治療法の実際 NETシリーズvol.1 子宮内膜症・月経困難症の薬物治療法の解説』(2011年 /小林 浩)

『進行Muller管腫瘍に対する初回治療としてのパクリタキセル+カルボプラチン+ベバシズマブおよびベバシズマブ維持療法についての第Ⅱ相試験(海外文献からPhase Ⅱ study of carboplatin, paclitaxel, and bevacizumab with maintenance bevacizumab as first-line chemotherapy for advanced mullerian tumors.Richard T et al J Clin Oncl 28:154-159,2010) 産婦人科の実際 60(6)』(2011年 金原出版/古川直人、小林 浩)

『プラチナ感受性再発/再燃卵巣癌に対するPEG化リポソーム化ドキソルビシンとカルボプラチン併用治療とパクリタキセルとカルボプラチン併用療法の比較(海外文献からPegylated liposomal Doxorubicin and Carboplatin compared with Paclitaxel and Carboplatin for patients with platinum-sensitive ovarian cancer in late relapse. Eric PL et al J Clin Oncol 28:3323-3329, 2011) 産婦人科の実際 60(6)』(2011年 金原出版/古川直人、小林 浩)

『新規抗凝固薬とフェンタニル持続静脈内麻酔を用いた婦人科手術後肺塞栓症の予防に関する検討 第17回肺塞栓症研究会学術集会・記録集「心臓」43(7)』(2011年 /川口龍二、新納恵美子、森岡佐知子、春田祥治、棚瀬康仁、吉田昭三、古川直人、山田嘉彦、大井豪一、小林 浩、高橋正裕、古家 仁)

『帝王切開術症例の術後静脈血栓塞栓予防 第17回肺塞栓症研究会学術集会・記録集「心臓」43(7)』(2011年 /春田祥治、川口龍二、佐道俊幸、小林 浩)

『日本エンドメトリオーシス学会会誌 32』(2011年 /谷口文紀、原田 省、林邦彦、小林 浩、百枝幹雄、寺川直樹)

『特集 周産期の血液をめぐる話題―母体・胎児編 血液疾患合併妊娠 血友病保因者 周産期医学 41(8)』(2011年 /佐道俊幸、小林 浩)

『「内科⇔産婦人科」連携 連携診療のポイント 1 子宮内膜症患者を見つける Moon Voice 4号』(2011年 メディカルレビュー社/(編集主幹)野田起一郎、(編集委員)安達知子、小林 浩、鈴木光明、原田 省、星合 昊、望月紘一、百枝幹雄)

『講演抄録「子宮頸がんワクチンと検診で予防できる時代に」奈良県医師新報 平成23年10月号』(2011年 /小林 浩)

『最新医学レポート 子宮内膜症の悪性化とその対処法 OG SCOPE No.2 Vol.2』(小林 浩.)

『羊水塞栓症診断における血清マーカーSialyl TnとZinc coproporphyrin1 の有用性に関して 産婦人科の進歩 63(4)』(岩井加奈、大井豪一、常見泰平、成瀬勝彦、野口武俊、佐道俊幸、小林 浩、堀内健太郎、金山尚裕)

費用のめやす

国公立大学で標準的な費用である