ドクターズガイド

連 利博 医師 (むらじとしひろ)

連 利博 (むらじとしひろ) 医師

霧島市立医師会医療センター(鹿児島県)
国際診療部長 / 小児外科
部長

専門

小児外科全般。とくに肝、胆道系。とくに胆道閉鎖症、小児がん、小児呼吸器外科が専門

医師の紹介

 新生児外科一般、気道系疾患、小児がんを肝・胆道系外科を専門とする。特に胆道閉鎖症のエキスパート。術後ステロイド療法や尿中硫酸抱合型胆汁酸測定による早期発見戦略など、自己肝生存率を高める早期発見・長期管理に取り組む。現在、原因解明に向けて免疫学的観点から研究を展開している。
 医療通訳制度(医療通訳とは医療現場で日本語でのコミュニケーションが難しい患者もしくは家族を通訳すること)の確立に尽力し、現在通訳者への医学教育とビデオ遠隔医療通訳の普及に努めている。
 また、入院生活に笑いを取り入れるクリニクラウンの活動にも関わり、日本クリニクラウン協会副理事長を務める。きっかけは米国医師のパッチ・アダムスとの出会いから。パッチ・アダムスは自ら赤い鼻をつけて道化師姿になって、ジョークによって患者の心と体を癒すユニークな療法を行って、映画「パッチ・アダムストルゥーストーリー」のモデルともなっている。そのユニークな療法はその後「クリニクラウン」として医師でもない、看護師でもない人たちによってオランダで発展した。「クリニクラウン」とは、「クリニック」(病院)と「クラウン」(道化師)とを合わせた造語で、入院生活を送る子どもの病室を定期的に訪問していっしょに遊んだり、コミュニケーションを図りながら子どもに楽しみを届け、笑顔を育む役割を担っている。連医師は笑いの持つ力を実感し、子どもたちにクラウンを届ける運動に参加している。(日本クリ二クラウン協会HPhttp://www.cliniclowns.jp/)

診療内容

連利博医師は小児の難病、特に小児がんや胆道閉鎖症などが専門である。胆道閉鎖症の名医として知られ、1986年から在職した兵庫県立こども病院においては20年間で120数例の胆道閉鎖症の管理を経験し、そのうち術者として46例の手術を担当した。
胆道閉鎖症とは、肝臓を産生された胆汁を十二指腸まで運ぶ胆管が生まれつき、または生後まもなく閉鎖してしまう病気で、日本では10,000人に1人の割合で発症する。
発症の原因については解明されていないが、妊娠8週の頃に形成され始める胆管がうまく形成されない疾患で、最近は自己免疫疾患と類似していると考えられている。連医師は母親からの流入した母親由来の細胞(maternal microchimerism)がなんらかの形で免疫学的に関与し胆管を障害して閉鎖するのではないかという仮説のもとに研究に取り組んでいる。現在、生後2ヶ月以内の手術が推奨されているが、連医師は肝移植を避け自己肝での生存率を高めるためには1ヶ月以内の手術を目指すべきであるとしている。そのためには早期発見がなにより重要となるが、その発見法の1つとして尿中硫酸抱合型胆汁酸(USBA)の測定法を提唱している。

診療を受けるには

初診の際は他の医療機関等からの紹介状を持参し、医師または本人による予約が必要。
緊急時は医師からの電話だけでも受け付ける。

累積症例数または患者数

兵庫県立こども病院において、20年間で120数例の胆道閉鎖症の管理を経験し、そのうち術者として46例の手術を担当。

年間症例数

霧島市立医師会医療センターにおいて小児外科を開設。小児鼠径ヘルニア、停留精巣など頻度の多い日常よくある小児外科疾患は医療センターで手術。複雑な手術や稀な疾患は鹿児島大学病院付属病院において小児外科チームと行う。また、気管切開カニューラを持つ子ども達のケア、抜けるかどうかの評価など小児外科的気道疾患も専門とする。

医師のプロフィール

経歴
1975年 関西医科大学 卒業
1976年 横須賀米国海軍病院インタ-ン終了、兵庫医科大学第1外科入局
1981年 ロサンゼルス小児病院外科リサーチ・スコラー
1982年 トロント小児病院外科クリニカル・フェロー
1986年 兵庫県立こども病院外科医長
1994年 兵庫県立こども病院外科部長
2007年 茨城県立こども病院小児外科部長
2009年 茨城県立こども病院副院長
2016年10月 霧島市立医師会医療センター 小児外科、鹿児島大学小児外科学講座 非常勤講師
所属学会・認定・資格

小児外科学会指導医・専門医、日本外科学会専門医、日本がん治療暫定教育医

【所属学会】日本小児外科学会(評議員)、日本外科学会、日本小児血液・がん学会(理事として2007~2011)、日本胆道閉鎖症研究会(幹事)、太平洋小児外科学会、アジア小児外科学会、フィリピン小児外科学会名誉会員、日本小児救急医学会

主な著書(編集・共著含む)

『実践医療通訳』(2015年 松柏社)amazonでみる⇒
『医療通訳入門』(2007年 松柏社)amazonでみる ⇒
『小児外科』(2006年)
『周産期医学』(2005年)

予防に心がけたいこと

胆道閉鎖症の発症原因が解明されていないため今のところ予防法はないが、早期発見による早期手術がなにより肝心となる。手術の時期が生後90日を過ぎると明らかに成績が悪くなり、手術の時期が遅れると長期予後における肝臓の状態もよくないためで、手術は60日以内に行うことが重要である。長期的には生後30日以内に手術するのがベストであるとの論文も最近見られる。そのためには早期発見が最重要課題となる。
発見が遅れてしまう理由として、生後1ヶ月くらいまでに起こる新生児黄疸だと思ってしまうケースや、便の色が薄く黄色みを帯びているために、それと気づかないケースなどがあげられる。胆道閉鎖症の便は消化管に胆汁が排泄されないため白灰色便になるが、レモン色など淡い黄色を帯びる場合もある。医師の側にも白色というイメージが強いと少しで黄色を帯びている場合には判断を誤ってしまうケースもある。
早期発見の機会を逃さないようにと平成24年から母子手帳に「便色調カラーカード」が綴じ込まれ、胆道閉鎖症特有の便の色(3色)と正常な便の色(4色)の全7色のカラーで表現され、早期発見に寄与するかどうかが検討されているが、当該疾患を持つ患児の便色は最初は黄色であり、主観的な色のみで判断するのには限界がある。現在、尿中硫酸抱合型胆汁酸測定の可能性を研究している。また、便の色だけでなく、皮膚や眼球の白眼の部分が黄色味を帯びて黄疸を呈していたり、お腹の右上にしこりがあったり、お腹が腫れてくるといったことがあれば、すぐに病院を受診することが大事である。
胆道閉鎖症の子どもの生活と権利を守るために患者家族による「胆道閉鎖症の子どもを守る会」が1973年に設立されている。相互扶助をはじめ、医療制度の改善、社会保障の拡充等社会的活動にも尽力している。守る会相談室では、患者家族がピアカウンセラー(peer は同僚・仲間の意味)として対応しており、患者のさまざまな疑問や心配などに対応し、心の支えともなっている。

費用のめやす

通常の保険診療内