ドクターズガイド

赤木將男 医師 (あかぎまさお)

赤木將男 (あかぎまさお) 医師

近畿大学医学部附属病院(大阪府)
整形外科
主任教授、部長

専門

膝関節外科、変形性膝関節症、人工膝関節置換術

医師の紹介

赤木將男医師は、膝関節外科、関節リウマチや変形性膝関節症の診療・治療、なかでも人工膝関節置換術におけるエキスパートとして知られている。術後の痛みの緩和や早期回復など、患者の負担を最小限にとどめる治療をめざしており、全国でも最短レベルの術後平均在院日数を実現してきた。自らの手術手技の洗練に加え、主任教授として卒前・卒後教育にも尽力し、次世代に向けた優秀な外科医育成に取り組んでいる。基礎および臨床研究の発表をはじめ、関節外科にいて数多くの実績をもつ。

診療内容

人工膝関節全置換術(TKA)、単顆人工膝関節(UKA)「膝の痛み」はテレビや雑誌の広告で見かける機会の多い言葉である。中高年に多いこの症状は、変形性膝関節症や関節リウマチなどのために増強することが多い。日本だけでも患者数は約2,500万人にものぼるほど多い病気であるにもかかわらず「年だから」とあきらめたり、行動を制限して我慢し続けたりする人が多いことが特徴である。特に畳上で正座やあぐらなど膝の屈曲が生活に浸透している日本人にとっては、膝の痛みによってQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)までも下がってしまう。この膝の痛みを和らげるため、膝関節を人工関節に置き換えるのが「人工膝関節置換術」である。人工膝関節置換術は優れた臨床成績をもち、 末期の膝関節症に対する治療手段として日本でも確立されているが、手術を検討する患者にとっては、どこまで深屈曲が可能になるのか、そして術後回復の程度が気になるところである。これに対し、人工膝関節置換術のエキスパートである赤木医師は語る。「通常は手術の後2週間ほど入院しますが、大半の人は手術翌日から歩行が可能です。歩行器につかまれば、ほとんどの患者さんはトイレへ移動できるようになります。杖をついて歩けるようになるまでは、およそ術後10日前後です」。もちろん術前の状態によって差はあるが、元気な人であれば術後4~5日、元々あまり歩けなかった人や反対側の膝も悪い人などでも2週間程度で杖歩行がかなり可能になるという。患者にとって、これだけの回復の速さは大きなメリットである。
同院では、手術直後の痛みを最小限におさえる対策に積極的である。具体的には、手術中の「大腿神経ブロック」(膝前面の痛みを取り除く)、さらに術後の「鎮痛カクテル」(モルヒネや長時間作用性の局所麻酔、ステロイドホルモンなどを組み合わせた製剤を手術部位に浸潤させる)により、術後1~2日目の強い痛みを大幅に軽減できるという。術中、そして術後の疼痛対策が万全であるというのは、手術に臨む患者にとって安心感が高い点であろう。一方、手術のリスクについて赤木医師はこう話す。「たとえ、手・足の手術であっても手術といえばそれなりのリスクを伴うのは事実と言わざるを得ません。しかし、そのリスク以上に、術後に得る効果が大きいのも事実です。長いあいだ膝の痛みに耐えてきた患者にとって、痛みなく歩行できるというのは代えがたいメリットです」。さらに「手術のリスクに対しては、医療者側と患者・家族側が情報を共有し、協力して回避に向って努力する姿勢が大切」と赤木医師は述べる。
赤木医師の在籍する同院整形外科の特色は、関節外科・リウマチ診療を中心に据えていることにある。これは設立以来の伝統であるとともに、高齢化社会のニーズに応えるためでもあるという。特に膝関節・股関節の人工関節置換術に重点をおき、コンピュータ支援に基づく高度な手術技術を有するなど多くの手術症例を扱うことで知られる。さらに変形矯正や骨切り術などの関節温存手術、スポーツ外傷の関節鏡視下手術にも力を入れるほか、高度な技術を要する人工関節再手術にも積極的である。
赤木医師は、自らの“医師としての使命”について次のように語る。「私の使命は、医育環境のさらなる整備を進めることにより優秀な外科医を育て、一人でも多くの患者さんに安全で質の高い医療を提供することです。私は研修医時代、恩師より「鬼手仏心」の言葉を贈られたことがありますが、これは「外科医はまるで鬼のようにメスで患者を切るが、その背景に仏のような慈悲深い心が欠かせない」との意味です。医療の本質に触れたこの言葉を大切にしていきます」

診療を受けるには

赤木医師の診療は、月曜【関節・リウマチ外来】、火曜の午後【人工関節外来】(いずれも専門予約のみ)。初診には紹介状が必要。患者支援センター(地域医療連携)を通じた紹介も可。

累積症例数または患者数

これまでの総手術例は約5,000例以上で、このうち人工膝関節手術 約2,000例、人工股関節手術 約800例。

年間症例数

手術件数(1年間)1,000例。1年間での個人の手術は200例。

医師のプロフィール

経歴
1983年3月 京都大学医学部 卒業
1995年 京都大学医学部附属病院助手
2000年 ロマリンダ大学研究員
2001年 近畿大学医学部附属病院講師
2004年 近畿大学医学部整形外科学教室助教授
2007年 近畿大学医学部整形外科学教室准教授
2009年 近畿大学医学部整形外科学教室教授
2012年5月 近畿大学医学部整形外科学教室主任教授
所属学会・認定・資格

日本整形外科学会専門医、日本リウマチ学会専門医・指導医
日本整形外科学会、日本人工関節学会、日本膝関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会、中部日本整形外科災害外科学会、日本関節病学会、日本軟骨代謝学会、Asian Pacific Knee Society、日本臨床リウマチ学会、Osteoarthritis and Cartilage Research Society International、Society of International Congress of Orthopaedics and Traumatology、American Academy of Orthopaedic Surgeons

主な著書(編集・共著含む)

Akagi M, Oh M, Nonaka T, Tsujimoto H, Asano T, Hamanishi C.
An Anteroposterior Axis of the Tibia for Total Knee Arthroplasty.
Clin Orthop Rel Research, 420: 213-219, 2004

Akagi M, Asano T, Clarke IC, Niiyama N, Kyomoto M, Nakamura T, Hamanishi C.
Wear and Toughness of Cross-linked Polyethylene for Total Knee Replacements: A Study Using a Simulator and Small-Punch Testing.
J Orthop. Res 24: 2021-2027, 2006.

Akagi M, Kanata S, Mori S, Itabe H, Sawamura T, Hamanishi C.
Possible Involvement of Oxidized Low-density Lipoprotein with Lectin-like Oxidized Low-density Lipoprotein Receptor 1 in Pathogenesis and Progression of Human Osteoarthritis.
Osteoarthritis and Cartilage, 15: 281-290, 2007.

Zushi S, Akagi M, Kishimoto H, Teramura T, Sawamura T, Hamanishi C.
Induction of bovine articular chondrocyte senescence with oxidized low-density lipoprotein through lectin-like oxidized low-density lipoprotein receptor 1.
Arthritis Rheum 60:3007-16, 2009

Akagi M, Asada S, Mori S, Matsushita T, Hashimoto K, Hamanishi C.
Estimation of Frontal Alignment Error of the Extramedullary Tibial Guide on the Bi-malleolar Technique: A Simulation Study with Magnetic Resonance Imaging.
The Knee 19:836-42, 2012.

Mori S, Akagi M, Asada S, Matsushita T, Hashimoto K, Hamanishi C.
Tibia vara affects the aspect ratio of tibial resected surface in female Japanese patients undergoing total knee arthroplasty.
Clin Orthop Rel Research 471:1465-71, 2013.

Tsukamoto I, Akagi M, Inoue S, Yamagishi K, Mori S, Asada S.
Expressions of local renin-angiotensin system components in chondrocytes. European J of Histochemistry, 2014 in press.

予防に心がけたいこと

肥満症の人やO脚の人は、膝に体重がかかって負担が増し、半月板や軟骨を痛める原因になり変形性膝関節症を発症しやすい。肥満防止のためといって中高年から急に運動をはじめると、これも膝の負担増につながるため注意が必要である。

費用のめやす

紹介状がない時は初診時に10,000(税抜)がかかる。

発信メディア(ホームページ、ブログ、Twitter、facebook等)

近畿大学医学部附属病院整形外科HP: