パニック症(パニック障害)は1990年WHOで登録された新しい病気。貝谷久宣医師は登録当初より研究・治療に取り組んでいるパニック症(パニック障害)のスペシャリスト。1993年に名古屋にパニック症(パニック障害)などの不安障害の専門クリニックを開院、その後、首都圏に3つのクリニックを開き、今までに2万人以上の患者の診療を行っている。さらに、1997年には不安・抑うつ症の医療水準を高めることを目的とする「不安・抑うつ臨床研究会」を設立した。治療のかたわら、パニック症(パニック障害)についての啓発活動をおこなっている。
「パニック症(パニック障害)」は、ある日突然、心臓がドキドキしたり、呼吸が苦しくなったり、めまい、吐き気を感じる「パニック発作」を起こし、さらにいつ発作が起きるか不安になって、日常生活に支障をきたす病気。患者数は多く、現在約200万人の日本人がパニック症(パニック障害)であるといわれている。男女別では女性に多く、男性の3倍が発症し、なかでも最も起こりやすい年代は男性で25~30歳位にピークがあり、女性は35歳前後の発症が最も多くみられるという。
パニック症(パニック障害)の治療は薬物療法と心理療法が中心。まずはSSRIや抗不安薬で、パニック発作を抑えることが基本となる。また、病気についての正しい知識や心の落持ち方を学ぶ「心理教育」や物事のとらえ方や行動の仕方を変えることで不安や発作の対処できるようにする「認知行動療法」もパニック症(パニック障害)の治療に効果が認められている。
貝谷医師は不安や恐怖を想像しないようトレーニングする「マインドフルネス・認知行動療法」という治療法を取り入れている。
「過去や未来を考えずに、常に『今』を意識する訓練です。パニック症(パニック障害)の患者さんは、予期不安や広場恐怖など、頭の中でいろいろ想像することで不安を募らせてしまう傾向があります。またうつ病の患者さんは過去のできごとを思い出して自分を責めたりすることで症状が悪化するので、こうしたマインドフルネスが有効なのです」(貝谷医師)
不安障害は、治す気で前向きに対処することで回復に向かう。薬物療法と認知行動療法を併用が効果的なのだという。
「パニック症(パニック障害)は、適切な治療がされないと、長引いて治りにくくなります。早めに治療をすることで、回復も早まります。発作が繰り返されたり、不安が強いときは病院で診てもらいましょう。」(貝谷医師)
▼パニック症(パニック障害)の主な症状 (和楽会HPより)
パニック発作は、ある限定した時間内に激しい恐怖感や不安感とともに以下に述べる症状のうち4つ以上が突然出現し、10分以内にピークに達する。
●心悸亢進、心臓がどきどきする、または心拍数が増加する
●発汗
●身震い、手足の震え
●呼吸が速くなる、息苦しい
●息が詰まる
●胸の痛みまたは不快感
●吐き気、腹部のいやな感じ
●めまい、不安定感、頭が軽くなる、ふらつき
●非現実感、自分が自分でない感じ
●常軌を逸してしまう、狂ってしまうのではないかと感じる
●死ぬのではないかと恐れる
●知覚異常(しびれ感、うずき感)
●寒気または、ほてり
(DSM-V-TR 精神障害の分類と診断の手引き第5版より)
※日本人には「口の渇き」「腰が抜ける」といった症状も多くみられる
日曜・祝日休診。完全予約制。(WEB予約あり)。紹介状は特に必要ないが、治療の参考のために、服用してきた薬の情報(お薬手帳)などは持参するのが望ましい。
25年で5万人の患者を診療
月に約200人診療 年間2500人
日本精神神経学会(専門医)、日本心身医学会(功労会員)、日本神経精神薬理学会(功労会員)日本認知療法学会 幹事(第5回日本認知療法学会会長)、日本マインドフルネス学会(理事)、日本不安症学会(名誉会員)(第1回学術大会会長)
血液検査も含めて自費で18000円前後、3割負担で5千円前後