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ドクター・プロフィール

羽鳥正仁 医師 (はとりまさひと)

羽鳥正仁 (はとりまさひと) 医師

東北公済病院(宮城県)
副院長 整形外科
統括部長
東北大学医学部 臨床教授 (外科、整形外科担当)

専門

外反母趾などの成人足部疾患の治療、骨・軟部腫瘍の治療
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医師の紹介

羽鳥正仁医師は、外反母趾・内反小趾などの足部・足趾変形の治療を得意とする。拡大鏡を使った丁寧な手術を心がけている。手術療法のみならず扁平足や外反母趾など個々の足の変形に応じたインソールを作成し保存療法でも好成績をあげている。また、日本では極めて稀な足部発生骨・軟部腫瘍治療の専門家でもある。整形外科疾患に精通した放射線医、病理医と組んだチーム医療を行っており多くの患者が外来を訪れている。日本足の外科学会、日本靴医学会の理事も務めており多忙な日々を送っている。

診療を受けるには

足の疾患の専門外来は、金曜。骨・軟部腫瘍専門外来は、水曜。新患予約は医療機関からの紹介・予約が必要。再来も予約制、外来が大変混んでおり待ち時間が数時間を超える場合もある。

診療内容

近年仙台市内では入院病床・手術室が稼動している整形外科が減少しているなか、東北公済病院整形外科は仙台市の中心部に位置し、入院病床・手術室を備える先進の医療施設として市民からの信頼も篤い。エコー、 CT、MRIなどの画像検査や組織検査を行うための器材も完備し、骨・軟部腫瘍に関しても手術をすべきか、経過観察でよいのかの診断等の正確性も非常に高く、同院整形外科の統括部長を務める羽鳥医師は「安全・確実な診療を提供していきたい」と日々の診療に邁進している。羽鳥医師の専門分野は足の外科、骨軟部腫瘍であり特に外反母趾、内反小趾などの足部変性疾患、足部発生の骨・軟部腫瘍の診断・治療を得意とする。
外反母趾は女性に多い疾患で、男性の患者は女性の10分の1以下といわれている。一般的に女性の方が関節が柔らかく、筋肉や靱帯の発達が弱いために足の変形を起こしやすいためといわれている。女性はとくにハイヒールなどの先細の靴の常用が助長していると考えられている。ゲタや草履を履いていた時代には外反母趾という疾患は見当たらず、我が国でも戦前にはほとんど外反母趾になる人がいなかったという。
外反母趾になると、親指が中足趾節関節(MTP関節)という関節のところで「くの字状」に曲がり「く」の字の突出部が靴などで繰り返し圧迫されると、関節部分の滑液包炎や滑液包の肥厚が起こり赤く腫れて、バニオン(Bunion)を形成し、靴を履くと当たって痛むようになる。重症になると親指が第2指の上に重なったり、潜り込んだりして歩行が困難になる。
外反母趾は親指に原因があるのではなく、足のアーチの高さが低下、もしくは破綻することにより体重を支えきれなくなって足の変形を来す疾患である。
足には縦アーチと横アーチという2つのアーチが形成されていて、地面に設置する時の衝撃を吸収すると同時に、地面を蹴るときのバネの働きをする。なんらかの原因で靱帯が緩んでアーチが崩れる開帳足(横アーチが下がって足が広がった状態になる。足の指の付け根にマメやタコなどができる原因になる)になり、さらに進行すると外反母趾へと進行する。このように足のアーチの破綻によって起きる疾患が外反母趾であり、足のバネが効かない状態なので地面からの衝撃や重さが直接身体に伝わるため、足首に負担がかかるほか、膝痛や腰痛、肩こりなどの原因となることもある。
外反母趾は第1中足骨頭の形態異常等の先天的な要因によるほか、先の細い靴など足に合わない靴の使用や、リウマチなどの関節の炎症が原因で関節に変形が生じる場合がある。症状の初期は靴を脱いだり、マッサージをすることで親指の外反の状態が戻るが、バニオンができるなどして症状が進行し靭帯が拘縮した状態になると外反のまま戻らなくなる。一定以上の外反母趾になると、ハイヒールを止めてよい靴を履いても、また、靴を履かなくても歩けば症状が進み、最終的には他の指に親指が重なり、親指の関節が脱臼したような状態になってしまう。外反母趾が進行すると健康な足の状態に戻すことは難しいので外反母趾を軽く見ないで、早期の治療が大切である。
治療法はよい靴を選ぶと同時に、アーチの保持と回復のための「足底板」という装具による足の変形を矯正する方法がある。足底板は靴の中敷のようなもので、足のアーチを補強するもの。うまく調節しないと逆効果になるので、患者1人ひとりの足に合うよう慎重に調節する必要がある。また、足底板を装着した時に靴がきつくならないよう、あらかじめ靴の大きさと深さを考慮して靴を購入する。足底板を装着したときのフィット感を確認して靴を選ぶことが重要である。また、足底部の親指のほか第2指、第3指のつけ根にもタコができて痛む場合もある。その場合は中足骨パッド付きのアーチサポートを処方する。市販のものもあるが、パッドの位置が自分の足に合わないと逆効果になるので注意が必要だ。
靴の選ぶ際、小さすぎる靴をちょうどよいと勘違いしている女性が非常に多く、外反母趾予備軍を形成しているといっても過言ではない。靴を選ぶ際のポイントは、かかとに小指が入る程度のゆとりがあり、靴先には指が自由に動くことができるスペースがあること、靴の先端が中央ではなく、内側に寄っていること、
のつけ根のところの靴の幅がきつくないこと、ストッキングをはいても足が前に滑らないヒールの高さであることなどがポイントである。
保存療法を試みても症状の改善が見られず、靴を履かずに歩いても痛いといった場合は手術による治療法がある。手術法は100種類以上あるといわれており、それだけ試行錯誤が行われているということで、決定打となる方法がまだ確立されていないのが現状である。ただ「軟部組織矯正術」(McBride法など)や「中足骨骨切り術」(Mann法やMitchell法など)、「基節骨骨切り術」(Keller法など)などの代表的な手術法がいくつかあり、これらの手術法を個々の患者に応じて使いわけ、ときに組み合わせて最善の方法を用いている。手術後は再発を防ぐことが重要で靴選びを慎重に行い、インソールなどを用いてアーチを保持する必要がある。
外反母趾の人の靴選びの際には自分の足の形にあった靴を選び、親指の付け根の出っ張った部分だけをシューストレッチャーなどと使って押し広げて履く方法を推奨する。足先が全体に広がった靴を選ぶ人が多いが、痛みは少なくなるが靴幅が広くなりすぎ、足全体をサポートする力が弱く、外反母趾を助長しかねないためである。
羽鳥医師は現在外反母趾の矯正装具の開発にも取り組んでおり今後の臨床応用が期待されている。

医師のプロフィール

経歴
2004年 東北大学大学院 講師
2007年 東北大学医学(系)研究科(研究院)助教授
2007~2009年 東北大学大学院・医学系研究科准教授
2008~2009年 東北大学医学(系)研究科(研究院)准教授
2009年 東北大学大学院・医学研究科准教授
2015年1月 東北公済病院 副院長
所属学会・認定・資格

日本整形外科学会認定整形外科専門医、日本リハビリテーション学会専門医・認定臨床医、日整会認定スポーツ医、臨床研修指導医、日本足の外科学会理事、日本靴医学会理事

予防に心がけたいこと

外反母趾は現代人のライフスタイルの欧米化によりゲタや草履から靴を履くようになったことや、車社会の発達により、歩くことが極端に少なくなったことなどが大きく影響しており、たまに歩くのは舗装されて堅く平坦な道であり、こういった生活を続けていれば、足の筋肉は弱まり、足の持つさまざまな機能も衰えていく。そうした現代の諸事情を背景に外反母趾という疾患が増えてきたといえる。女性が男性の10倍多いが、足の機能の衰えは男性も同様であり、男性にも外反母趾の予備軍が多数いてもおかしくないのが現状である。
外反母趾の予防はこうした現代生活を見直して、足をよく使って本来の持つ機能を存分に発揮することが重要である。自宅でのトレーニング法として以下のような足指の筋肉を鍛える運動が推奨されている。
●タオル寄せ運動…イスに座り、床にタオル等の布を敷いてどちらかの足の指を使ってタオルをたぐり寄せる。これを左右それぞれの足で2~3回繰り返すことで足の指の付け根の筋肉を鍛え、扁平足などの予防にもつながる。
●つま先立ち体操…裸足になって床にまっすぐ立ち、体を支えるためにイスなどの背もたれを持って、つま先立ちをする。
20回1セットで毎日3セットを行うことで足指から足全体が鍛えられ、足のアーチの崩れ防止につながる。
●足指じゃんけん…裸足になって床に足を伸ばして腰をおろし、左右の足でそれぞれじゃけんのグーチョキパーをリズミカルにつくる。この運動を毎日5分ずつ行う。
家族で遊びながら足指じゃんけんをしてみるのもよい。
普段の生活ではハイヒールを履く時間をできるだけ短くして、買い物や通勤などはスニーカーなど足指を圧迫をしない靴がお勧めである。ハイヒール等を履いて足が痛む場合は足浴か風呂に入り、局所に鎮痛消炎剤入りのクリームを付けてマッサージするとよい。外反母趾によって曲がってしまった親指の拘縮予防にも入浴後のマッサージはよく、自分の足の親指を手で掴んで内側に押したり外側に少し引いたりという運動をテンポよく行う。足の関節、筋肉をやわらかくすることで親指の関節の変形が固まってしまうことを防ぐ。
開帳足(足の横アーチが崩れている状態)になってしまった場合は長時間の歩行は避けた方がよく、自分の足にあった靴選びと足底板を使用するなどして横アーチのサポートを行い、負担のかからない程度の距離と速度を心がける。水泳や水中での歩行など足に負担のかからないような運動により、筋力の強化を行う。
靴を選ぶ際は歩くときに足が前にすべらず、つま先部分が圧迫されないことが重要で、そのためには土踏まずの部分がフィットし、靴の中でずれないものがよい。足のアーチを保つために適切な位置にパッドで補うこともよい。靴の前方の足指部分に余裕のあるものを選び、足先が細くなった窮屈なものは避ける。足首をサポートするようにかかと部分にしっかりとした芯が入っていて、足指の付け根に当たる部分が曲がりやくなっていて縦アーチにあたる靴底は逆に曲がりにくくなっていて、足のバネが機能する靴がよい。
自分の足に合った靴を履くことで外反母趾の防止だけでなく、歩き方や姿勢もよくなり、腰痛や膝痛、肩こりなどの予防にもなる。