ドクターズガイド

細谷龍男 医師 (ほそやたつお)

細谷龍男 (ほそやたつお) 医師

東京慈恵会医科大学附属病院(東京都)
腎臓・高血圧内科
東京慈恵会医科大学 名誉教授

専門

腎臓病学、痛風、尿酸代謝

医師の紹介

細谷龍男医師は、さまざまな腎疾患や高尿酸血症に対する治療ガイドラインの策定にかかわっており、この分野では日本におけるリーダー的存在。トップを務める同科では、蛋白尿・血尿などの腎臓病の早期発見から、IgA腎症を代表とする糸球体疾患、高血圧による腎硬化症、糖尿病性腎症、痛風・高尿酸血症による腎障害、膠原病による腎障害と多岐にわたる。また、腹膜透析を日本で最初に取り入れた診療科でもあり、透析症例が日本で最も多いことでも知られる。腎移植も積極的に行っている。

診療内容

ある日、突然関節が腫れあがり、大の男も痛くて歩けないほどの激痛に襲われる病気、痛風。その原因は尿酸だ。尿酸は食物だけでなく、人間のからだのなかにもある物質である。この尿酸の血液中の濃度が、何らかの原因で上昇して飽和濃度を超えると、溶けきれずにからだのなかに蓄積されるようになり、ナトリウムと塩(えん)を作って結晶になる。さらに尿酸の濃度が高い状態が続くと、結晶が関節の内面に沈着し、痛風関節炎を起こす。
「痛風の激痛は、尿酸塩に対してからだの防御機構である白血球が反応し、攻撃する時に発生します。また結晶が皮下にたまってくるとこぶのようなものができ痛風結節となります。さらに尿酸は腎臓から主に排出される物質で、尿中に沢山尿酸があると結晶化しやすいため、腎障害や尿路結石といった合併症も起きてきますね」(細谷医師)
痛風と言うと、関節の痛みにだけ注目しがちだが、実際はさまざまな内臓疾患や動脈硬化にもつながることを忘れてはいけない。ゆえに治療も、尿酸値をきちっと下げるとともに生活習慣を是正して、高血圧や高脂血症も同時に治療することになる。そこで重要なのは、治療の継続なのだが…「治療で一番むずかしいのは、患者さんが根気よく続けてくれるようしむけることです。どんなにいい治療でもやめられてしまったらもともこもありません。ですから私は、病気のなりたちや合併症の怖さ、生活習慣についてなど、患者さんとよく話し合い、納得してもらうことを大切にしています。無理強いすることが生活指導ではないと私は考えています。厳格な生活習慣を患者さんに押し付けるとだいたい多くの方が脱落してしまう。むしろ週2、3回、少しぐらいならお酒を飲んでもいいですよという風にしないと。痛風は一生の病気。一番発症率が高い年代は30歳代ですが、あと何十年も働かなきゃならない人に仕事も人生も面白くないといわれても困りますからね」(細谷医師)
杓子定規に節制を迫られないというのは、患者にとってはかなりほっとすることだろう。だがもちろん細谷医師の治療の特長は“継続をサポートする”だけではない。
「痛風だけでなく、合併症や体質を考慮して全身を診たり、精神的な問題も含めて相談に乗ってあげて、一歩でも二歩でも健康に向かって前進させてあげるような方法を、長続きしてやっていただくというのが、私の治療ポリシーです」(細谷医師)
「我々が診ている腎臓病や高血圧、痛風といった疾病は、長いタームで患者さんとお付き合いすることになる病気です。高血圧の人が急に血圧が下がって薬を飲まなくてよくなるようなことはあまりないし、腎臓が悪い人は気の毒ですが、やはり加齢とともにだんだん悪化して行く。20歳代で来院する腎炎の患者さんもいれば、糖尿病を患い40歳でも来院する患者さんもいる。あるいは高血圧になって50歳で罹ってこられる患者さんもいるわけです。ということで一生その方たちの相談相手になり、治療してさしあげるというのが、特に腎臓・高血圧内科の分野では要求されていることだと思います。ですから、そのときだけ痛みをとってあげる、そのときだけ血圧を下げてあげれば後は御勝手に…というのでは何の意味もない治療になってしまう。そうではない、人生を支える治療を行えるのが、当診療科の大切にしているところです」(細谷医師)
「当診療科の医師は、各自得意分野を有していますが、外来担当医はみんな高尿酸血症や痛風を十分診ることができます。ですから私以外の担当医の日でも安心して受診してください。また当科では、患者さんと御家族を対象として年に数回、勉強会を行っています。病期への理解を深めると同時に、ほかの患者さんとの交流もはかれるよい機会です。当院に罹られる場合には、ぜひ積極的に参加されることをおススメします」(細谷医師)

治療について 詳しくは【⇒ドクターズインタビューを読む⇒】

診療を受けるには

初診は予約制。紹介状は必要。勉強会は無料で参加できる。

累積症例数または患者数

痛風は 1,000例以上、透析導入件数 200~300件/年、腎生検例 200件以上/年

年間症例数

腎臓・高血圧内科としての外来患者数:約4,000~4,500人/月

医師のプロフィール

経歴
1972~1974年 東京慈恵会医科大学卒業
1980~1978年 同上大学院卒業
1989年 同上第二内科講師
1996年 同上第二内科助教授
1997年 同上第二内科教授
2000年 講座改編により、同上内科学講座(腎臓・高血圧内科) 教授
2013年4月 東京慈恵会医科大学 名誉教授 慢性腎臓病病態治療学 教授
所属学会・認定・資格

日本内科学会理事、日本腎臓学会理事、日本痛風・核酸代謝学会理事長、日本宇宙・環境医学会理事
※所属学会 上記含め20学会以上