ドクターズガイド

病気の解説

熱傷・ケロイド

病気・症状

熱が皮膚に作用して、皮膚・皮下組織が損傷を受けた結果生じる身体の傷害を熱傷という。熱傷が局所的で軽度ならば、赤くなる・腫れる・痛むなどの皮膚症状のみで数日間で治るが、深いものでは皮膚に水疱が生じたり、皮膚が白色~黒色を呈したりする。また、熱傷が広範囲に及べば熱傷ショック、敗血症,多臓器不全などの様々な全身症状が現れ、難治性となり、死に至る場合もある。また、色素沈着や肥厚性瘢痕・ケロイドを残しやすくなる。

検査・治療

重症度は熱傷の深さと広さで診断する。表皮の局所的な熱傷はI度熱傷と呼び、通常治療の対象にはならない。対象となるのは、真皮層まで損傷されたII度以上の熱傷からである。III度熱傷は、皮下の脂肪組織まで変性・損傷を受けた熱傷を指す。広さについては、身体の表面積の15~30%がII度熱傷あるいは10%以下がIII度熱傷の場合を中等症、それ以上を重症と呼ぶ。

診断で難しいのは、傷跡を残さずに治せるかどうかの見極めだ。同じII度でも、浅達性なら痕は残らず、治療も簡単だが、深達性の場合には痕が残るし、治療も難しい。しかも両方とも水泡ができるため、確定診断には数日を要する。

また、30%以上がII度以上の広範囲熱傷を受けた場合は、入院して、熱傷ショックなどの全身的な変化に対応する治療を受けなければいけない。

広範囲熱傷の治療法は、一日目に起こる熱傷ショックを輸液などによって乗り越え、その後は敗血症を防ぐため、損傷を受けた皮膚をできるだけ早く取り除く外科的手術を行う。損傷された皮膚を除去したあとは皮膚移植(植皮術)が必要だが、自分の皮膚だけでは不足する場合も多い。このような時、最初にスキンバンクから亡くなった人の皮膚を提供してもらい、これを移植しておき、その後自分の皮膚に入れ替えて行く方法も取られる。最近では、自分の皮膚を培養して移植する方法(培養表皮移植法)も用いられるようになった。

瘢痕やケロイドの治療では、植皮術のほか、組織拡張法という治療法もある。

ドクター・病院選びのポイント

水疱ができている場合や範囲が広い場合は、迷わず形成外科へ、皮膚科では対応が困難な場合もある。また、形成外科でも美容を得意とする場合は熱傷治療を苦手とする場合もあるので確認が必要。日本熱傷学会が認定している熱傷専門医・認定医は信頼できる。同学会のHPで検索可能である。

監修

川上重彦医師: 金沢医科大学病院 形成外科 教授