ドクターズガイド

病気の解説

慢性疲労症候群(CFS)

病気・症状

それまで元気に生活していた人が、ある日感染症にかかったことがきっかけとなり、その後、座っているのさえつらいほどの激しい疲労が続くようになる。それとともに、微熱、筋肉痛、関節痛、リンパ節の腫れ、思考力の低下、中には抑うつ状態や不安などの症状が認められ、通常の日常生活や社会生活を送ることができなくなるような病態を指す。日本では30万~40万人の患者がいるとされている発病のきっかけは感染症とともに、、対人的・物理的・化学的な複合ストレスと考えられているが、まだ明確な原因はわかっていない。また「慢性疲労症候群」という病名も、「疲労は誰にでもあるもの」であることから、「怠けている」と思われて差別につながるため、「筋痛性脳脊髄炎」等への改名を希望する動きもある。

検査・治療

診断にはまず問診を行い、厚生労働省CFS臨床診断基準をチェックする。CFSが疑われる場合には、脈波や心電図を計測して交感神経と副交感神経のバランスを調べる検査、高感度加速度センサーを用いた身体活動量評価による睡眠時間と覚醒時平均活動量の解析、単純計算課題検査、血液中の活性酸素の量や抗酸化力を測定する検査等の5つの補助検査にて疲労レベルを評価する。(CFS患者の92%がレベル2以上、42%がレベル4以上であるのに対し、健常者は48%がレベル1以下で、レベル4以上はいない)このほか、簡単に行えて精度も高い、起立検査やアミノ酸分析このほか、簡単に行えて進められている。

治療法では免役の働きや抗酸化力を高め、脳機能の改善をめざす。免疫の働きを高めるには、漢方薬の「補中益気湯」を服用し、抗酸化力を上げるにはビタミンCやCoQ10を多く摂る。脳の機能を改善するために、抗うつ薬の「SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が使用されることもある。規則正しい生活や十分な睡眠も大切だ。

ドクター・病院選びのポイント

専門医が少なく、一般的な検査で異常がみられない場合、内科の先生に継続してみてもらえないのが現状。厚生労働省の疲労研究班(代表研究者・倉恒医師)は、開業医と専門医の医療連携を全国で構築しようと作業を進めており、進捗が待たれる。同研究班のホームページで情報を公表しているので、参考にするといいだろう。


厚生労働省疲労研究班ホームページ →

監修

倉恒弘彦医師: 関西福祉科学大学 教授