ドクターズガイド

病気の解説

小児外科

病気・症状

小児外科が扱う病気は、3つに大別される。1つは先天性の外科疾患。一番多いのは鎖肛(直腸肛門奇形)だが、年間400例ぐらいしか発生しない。先天性食道閉鎖症も多いが,年間150人から200人。小児外科には、患者数の少ない疾患が山ほどある。もう1つは後天的な病気。多いのは脱腸。腸重積症や急性虫垂炎(盲腸)もよく起こる。3つめは小児がん。外科手術だけでは治療できないため、小児血液科、小児腫瘍科が協力して治療にあたる。

小児外科が扱う領域は非常に幅広く首から下、肛門より上、心臓・大血管以外のすべての臓器を診る。あらゆる意味で「子供は大人のミニチュアではない」ため、大人と同じ考え方や治療法は通用しない。整形外科の病気は小児外科で扱うことはほとんどなく、脳神経外科や眼科などの病気も小児外科の対象ではない。

ちなみに、小児は0歳から15歳までとされるのが普通だが、小児期の病気で大人になってからでも子供のときの手術が関係する病気は小児外科医が続けて診る。

検査・治療

小児外科は、疾患そのものの種類は非常に多いが、それぞれの患者数は非常に少ない。そのため小児外科医は、内視鏡・カテーテル・超音波検査から、透視・CT・MRIの読影等々、様々な種類の検査が全部できなければならない。さらに「数が少ない」ということは「この病気はこうすればいい」という標準的な治療法が定まっていない疾患が多いということでもある。そのため、小児外科医には、そのつど患者に合せてテーラーメイドの治療を行なっていくことが求められる。しかも治療は大人のように、今ある病気を早く治せばいいというわけにはいかない。子供の発達や発育に支障が出たり、精神的なトラウマを与えたりしないための配慮に加え、保護者へのフォローも必要だ。子供についてのありとあらゆる専門的な知識がなければ、小児外科医は務まらない。

ドクター・病院選びのポイント

先天性の疾患の半分は、母親の胎内にいる段階で見つかり、産婦人科医から産科、小児外科、NICUが整った病院を紹介されるため、患者や家族が、ドクター・病院選びをする機会はほとんどない。選ぶ立場になるのは、後天性の疾患の場合が主。小児外科専門医は全国に500人程度であり、選択の余地は少ないが、その際は、親が付き添えるかどうか、院内学校はあるかなどを調べ、個々の状況に合う施設を選ぶようにするとよい。