ドクターズガイド

病気の解説

ニキビ(尋常性ざ瘡)

病気・症状

皮脂の分泌量が多く、毛穴開口部の角質細胞が角化・肥厚化し、皮脂が詰まった状態が、面皰(ぽう)やコメド、隠れニキビ呼ばれる初期のニキビだ。やがて皮脂の酸化や常在菌の過増殖によって炎症を来し、丘疹、膿疱などの炎症性皮疹に至る。炎症がおきると,痕が残ってしまうこともある。思春期特有の疾患と思われがちだが、慢性疾患であり、30歳代くらいまで症状が続いたり、治癒と再発を繰り返したりする例も少なくない。「20代女性の97%に隠れニキビがある」というデータもある。思春期にニキビができやすいのは、活発に分泌される性ホルモンが皮脂腺を刺激するため。一方成人のニキビは、不規則な生活やストレスなどのためにホルモンのバランスが崩れることが悪化因子の一つと考えられている。「青春のシンボル」などと軽く扱われがちだが、患者の多くが「感情面」での生活の質(QOL)の低下を訴える、つらい病気だ。

検査・治療

医療機関で保険適用となる主な治療法は、
1)毛穴の詰まりを取り除く塗り薬「アダパレン(一般名:ディフェリンゲル)」
2)炎症を起こしたニキビに対する飲み薬と塗り薬「抗菌薬」
3)専用器具による毛穴に詰まった皮脂や角質の除去「面ぽう圧出(あっしゅつ)」
4)その他、漢方の飲み薬、イオウの塗り薬、ビタミンの飲み薬など。中でも、治療の第一選択肢は、2008年から日本での使用可能になったアダパレンと抗菌薬の併用。アダパレンはニキビになる前の微小な面皰にも効くため、新しいニキビができにくくなる。

予防に洗顔は大切だが1日2回で十分。化粧品は、ノンコメドジェニック〈面皰ができにくい〉表示のあるものを使うとよい。また、チョコレート・ナッツ類はニキビを発症・悪化させると言われるが、医学的な根拠はない。

以前と比べ、ニキビは根治が期待できる病気になった。しかし、日本では、医療機関の受診率が少なく、市販薬等を購入し、自分で対処して失敗したと言う人が60%もいる。ニキビ痕になってしまうと,よい治療法がない。できれば「隠れニキビ」の段階で、皮膚科を受診して,ニキビ痕を予防するのが望ましい。

ドクター・病院選びのポイント

画一的に診断し、自動的に処方を出しているようなドクターはお勧めできない。それぞれの症状や経過をきちんと見て、必要な藥を処方し、使用法などの指導をしてくれるドクターを選びたい。


監修

林伸和医師: 虎の門病院 皮膚科 部長