ドクターズガイド

食中毒 予防の習慣化(2)

■食中毒かな?と思ったら

ほとんどの直中毒はたいていは数日で回復しますが、体力や原因によっては医師の治療が必要なこともあります。高齢者や乳幼児、または血便、意識障害がある、数日で回復しないといった場合は迷わず病院へ行きましょう。

下痢や嘔吐を止めない

下痢や嘔吐は毒を排出する作用でもあるので、薬で止めてしまうと体内に毒を長時間留めておくことになってよくありません。

水分補給の重要性

下痢、嘔吐が続くときに水分補給が重要なのは定説となっています。こういった症状で排出される水分は想像以上に多く、脱水を起こしやすいのです。脱水は腎臓の障害など、もっと重篤な合併症を起こすことになりかねません。排出された水分とミネラルの補給を十分に行いましょう。これらの成分を効率よく摂取するには、スポーツ飲料などを常温で飲むようにするといいでしょう。

■予防として心がけること

細菌をつけない

なによりの予防は、細菌を身の回りに寄せ付けないことです。感染の可能性が特に高いのは調理時ですから、その際の清潔をいっそう心がける必要があります。手指と調理器具はこんなに必要なの?と思うぐらいの洗浄をしましょう。また使用するたびに殺菌を行うことが望ましいでしょう。殺菌については熱湯をかけるだけでかなりの効果が期待できます。また加熱しない食品を先に扱って、食肉など可能性の高い食品からの付着を避けるというのも一つの方法です。

細菌を増やさない

すぐ食べる

調理の際は手早い作業を心がけ、作ったものはすぐに食べきるのが理想です。

冷蔵庫を過信しない

保存が必要な場合は冷蔵庫を使うのは当然ですが、冷蔵庫も完璧ではありません。細菌は温度が低ければ増殖のスピードは落ちますが、通常マイナス15℃にならなければ増殖を停止することはありません。食品については、とにかく早めに消費するのが一番です。

十分な加熱

加熱する食品は、「十分に」加熱しましょう。中心温度が75℃以上になるまでの加熱が必要です。加熱の中の素材に刺して中の温度を測る料理用の温度計を使うのもよい方法です。

細菌をつけやすい場所を自覚する

食中毒菌は日常生活でたやすく手指に付着します。とくに菌に付着しやすい場所は覚えておき、これらに触れたあとは手指を十分に洗うことを習慣としましょう。

菌が付着しやすい場所
トイレ、洗面所、子供のおもちゃ、公園の遊具、公共の乗り物のつり革や手すり、公共のトイレ、ペット

ノロウイルスにはせっけん・アルコールではではなく塩酸

ウイルスと細菌は混同してしまうことが多いのですが、この二つは生物学的な構造が違うため、その対処は変える必要があります。詳細な解説はこちらの過去記事(消毒の仕方:アルコールが効くインフルエンザと効かないノロウイルス)ご覧いただくこととして、実際の予防とかかってしまったときの対処の違いだけをあげて起きます。

予防
せっけんで手洗いは同じだが、せっけんに効果があるのではなく物理的にウイルスを流すことが予防となる。
対処
排泄物、吐瀉物、汚れ物の処理やふき取りにアルコールは効果がない。次亜塩素酸ナトリウムの溶液(漂白剤を薄めたもの)を使うこと。

手の洗い方を見直す

通常、「手を洗う」という行為をことさら意識することはありません。そのせいもあり、まったく意味のない洗い方だけですませてしまっている人がたくさんいます。ここで少し意識して、今よりもより病気の予防になる手洗いの方法を身につけておけば、冬のインフルエンザ対策にも有効です。

手洗いのポイントは、手の甲、爪の間、指の間、親指、手首です。洗っているつもりでも、上記の場所はたいてい不十分。常にきちんと洗うように気をつけましょう。洗い終わったらせっけんを水で十分に流し、清潔なタオルでふき取ります。もっと理想的なのは使い捨てのペーパータオルです。

食中毒の症状は大変辛く、日常生活や体に大きな負担がかかります。また体力や状況によっては命にもかかわる健康被害です。予防の日常の習慣にしてしまえばかなりの率で防ぐことができることですから、躊躇せず実行してください。

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