ドクターズガイド

話題のキーワード

全身を腐らす病原菌「人食いバクテリア」

◆エボラ出血熱やデング熱などへの感染症の危機感が高まる中、身近なところにも、多くの感染症が存在しています。その1つ「人食いバクテリア」と呼ばれる、恐ろしい病原菌を知ってますか? 正式名は「劇症型A群レンサ球菌感染症」といいます。
デンマークの研究で、無症状の人間の約2%がA群レンサ球菌をのどに保菌(感染しているが発病しない状態)していたとの報告がありました。A群レンサ球菌が起こす最も一般的な疾患は”咽頭炎”です。日本では年間約25万人の咽頭炎患者の発生がありますが、その大半は4歳~9歳の児童となります。その他、扁桃炎や皮膚のおできと言った比較的症状の軽いものから、リウマチ熱や急性糸球体腎炎、最も重い疾患では、劇症型A群レンサ球菌感染症となります。

A群レンサ球菌は、手足の壊死や意識障害を引き起こし、死に至ることもあります。もともと肝臓の弱い人やC型肝炎、肝疾患、糖尿病患者が感染する場合が多いのが特徴です。
症状は、四肢の疼痛等から始まり、数十時間で手足の壊死、それに伴うショック、多臓器不全などを併発し死に至ります。死亡率は約30%と細菌感染症の中でも高い確率です。30代以上(50代~60代がピーク)の男女に突然発症します。

今年の患者数12月中旬の時点で263人と発表されました(国立感染症研究所)。
原因は、子供の咽頭炎やとびひを起こすA群溶連菌などで、喉などの粘膜や皮膚の傷口から感染するとされ、どういう場合に劇症化するのかなど詳しいことはまだわかっていないようです。
激しい喉の痛みや手足の腫れなど、感染が疑われる症状があれば、早めに医療機関を受診しましょう。


(2014.12.24.)



これまでの記事→