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西アフリカのエボラ出血熱、感染拡大が止まらない。

今回の感染拡大は過去最悪規模で、ギニアで発生し、リベリア、シエラレオネ、ナイジェリアに飛び火した。12日にはスペインで神父が死亡。世界保健機関(WHO)の発表によると、8/12日までに死者数1,013人、感染者数1,848人に上るとのこと。世界的な取り組みが必要と「緊急事態」を宣言した。 エボラウイルスは、野生のコウモリの体内に生息し、その後サルなどにも感染するとみられている。西アフリカではこれらを食べる習慣があり、狩ったり調理したりする際、血に触れるなどして感染した可能性がおおきい。またアフリカでは、地域によって埋葬時に遺体を手で洗い清める風習があり、これも要因の可能性となっているのでは。また、感染に対する恐怖から医療施設に行きたがらない状況も考えられる。 エボラ出血熱の症状は、最初に頭痛や発熱、筋肉痛などインフルエンザのような症状が表れ、悪化すると口や鼻、消化器から出血する。薬は現在、開発段階で治療は点滴や鎮痛剤の投与など対症療法しかない。大量に出血すると治療は困難になる。ワクチンはなく、感染予防の徹底が重要だ。感染者の血液や唾液、排せつ物などに含まれ、それらに直接触れなければ感染しない。結核のような空気感染、インフルエンザのような飛沫感染はない。日本では、エボラ出血熱は感染症法で、危険性が極めて高い「1類感染症」に指定され、検査で感染が確認されれば国への届け出が義務付けられている。西アフリカと人的交流はほとんどないが、感染者が入国しても、隔離・治療する専門医療施設が全国に整備されている。日本政府は、西アフリカと人的交流の少ない日本で流行する可能性は低いとみられるが、全国の検疫所などに対策の徹底を指示した。 スペインで死亡した神父は、エボラ出血熱の治療薬として開発されている未承認の薬「ZMapp」が投与されていた。エボラ出血熱には、効果が確認されたワクチンや治療薬がない。ZMappもまだ実験段階にあり、人間に投与されたことはなかったがリベリアで感染した米国人医師ら2人がこれを承知したうえで投与を受けた。2人はその後帰国し快方に向かっているとされる。ZMappサンプルは週内にも流行国のリベリアへ送られ、使用される見通しとのこと。

(2014.08.13.)



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