ドクターズガイド

自律神経失調症 (2)
季節の変わり目の漠然とした体調不良

■原因

自律神経失調症は、原因によって医学的に以下のように分類されます。

本態性型自律神経失調症
生まれつき自律神経の働きが乱れやすく、低血圧、虚弱体質などの自覚症状がある。
神経症型自律神経失調症
日常のストレスを我慢しすぎることが原因。
抑うつ型自律神経失調症
慢性的なストレスによるうつ反応がある。または仮面うつ病である。

なかでも患者数が多いのは精神的なストレスを原因とするものです。とくに女性は本来男性よりストレスに弱く、社会での活躍の場が広がったことで昔にはなかったストレスにさらされることが多くなりました。また更年期にはホルモン分泌の急激な変化が自律神経に調節機能に過剰な負荷をかけ、失調につながるのは珍しいことではありません。自律神経失調症の患者に女性が多いのは、こういった理由からです。

うつ病との違い

うつ病は、ときに「自律神経失調症」と診断されることがあります。うつ病の「症状のひとつ」として自律神経の失調がおきることもあるからです。しかしこのふたつは別のものとして、うつ病を見逃さないよう、注意しなければなりません。自分の症状が自律神経そのものの症状なのか、うつ病に端を発する自律神経の失調なのか、おおまかな判断基準として以下の症状の出かたの違いがあります。

自律神経失調症
体全体のバランスの狂いに起因しているので、症状の出方が安定していない。いろいろな不調がいっぺんにおきたり、日によって起こる症状が変わる。
うつ病
同じ症状が持続的に続く。2週間以上続くようならうつ病が疑われる。

■対処

原因がうつ病であってもそうでなくても、自律神経失調症は心身両面の正しい治療をすれば完治します。つらさを感じたら、医師の助けを借りて原因をつきとめ、早めの治療で治してしまいましょう。また、多いのは交感神経が強く働きすぎる症状です。日ごろから緊張・興奮状態を避け、副交感神経に働きかけるリラクゼーションをおこなうのも効果があります。

下記は、自律神経失調症に対して考えられる対処の例です。精神的な緊張を解くことが大切ですので、リラクゼーション要素の多い対応になっていきます。

専門医による治療
カウンセリング、心理療法、投薬
理学療法
マッサージ、指圧、鍼灸、ストレッチ、整体
セルフコントロール
自律訓練、考え方の切り替え
その他
アロマテラピー、音楽療法、ウォーキング、生活リズムの改善

今の社会では、自律神経をいじめ続けるストレスを完全に回避することは難しいでしょう。つらくなったときにコントロールする方法を、自分で試行錯誤して見つけておくことをおすすめします。

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(2014.03.14.)


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