ドクターズガイド

脳とアルコールの関係(1)

最近、飲酒の習慣が生涯にわたって及ぼす影響のうち、特に脳の機能低下についての研究結果が発表されました。(※詳細について:ドクターズガイドFacebook投稿)これによると、30~40代の飲酒習慣が、50代になってからの脳機能の衰えを6年も早めるという結果が出ています。飲酒の体への悪影響はもちろんですが、脳へのダメージが人生に与える影響の大きさははかりしれません。

今回は、ほとんどの人が避けて通れないアルコールの摂取が、体にどう作用して脳に何を起こすのか、害を避けるにはどうすればよいかを考えます。

■アルコールの作用

アルコールは、生理的には人の体にとって「毒」です。またたばこや麻薬と同様、知らないうちに習慣化、増量化すると「依存」の状態となり、命にかかわる可能性もあります。どれも本来なら積極的に摂取すべきものではありません。

しかし人間は社会的な生き物ですから、アルコールの力を借りて円滑なコミュニケーションをとることで精神的な健康を保つという利点もあります。

アルコールが体に起こす作用をきちんと把握すれば、アルコールにふりまわされることなく、この利点のみを利用できるでしょう。

■体内でのアルコールは何をしているのか

アルコールは体内に入ると酵素によって何度か分解され、変化します。体への作用のほとんどは、変化したものに含まれる毒性によるものです。

アルコールが体内へ
→20%は胃で、残りは小腸でゆっくりと吸収される
→肝臓に達し、アルコール脱水素酵素という酵素によりアセトアルデヒドに変化する
→アセトアルデヒドによる作用が起きる
(酩酊、頭痛、吐き気など、脳の中枢を狂わせる、アセトアルデヒドそのものに発がん性がある)
→アセトアルデヒド脱水素酵素により、酢酸に分解されて血中に放出
→最終的には水と二酸化炭素に分解されて対外へ排出

日本人はアルコール分解酵素が少ない→お酒に弱い

体への作用の問題は主にアセトアルデヒドの段階で起こるもので、アセトアルデヒド脱水素酵素の働きが高ければこれを酢酸に分解、排出という流れが速く、悪影響も少ない→お酒に強い、ということになります。酵素の働きや量は体質によるものなので、お酒に強いか弱いかということは生まれた時点で決まっており、訓練では変わりません。
また日本人は人種的な遺伝子的特徴からみてもこの酵素の働きが弱く、もともとお酒には弱い人種です。