ドクターズガイド

年度替りのストレス よいスタートをきるために (1)

入学、入社、異動、転勤など、多くの人が今までと違う生活を始めるいま、気候の変化や花粉症の影響なども加わって、大きなストレスを感じることが増えるでしょう。そしてこの先も、多かれ少なかれそれは続きます。大事なスタートの時期に、自分が感じているストレスやその影響、適した解消法を知り、自分なりのストレスとのつきあい方を身につけなければなりません。

■年度替わりはストレスフル

ストレスという言葉はもはや一般的ですが、あえて定義すれば「外的刺激によって生まれる肉体的・精神的な緊張」ということです。ストレスを起こす要因を「ストレッサー」と呼び、多くの場合仕事のプレッシャーのような精神的な面での話題になりますが、暑い、寒い、痛いといった身体的な刺激も、同じようにストレッサーとなり得ます。

年度替わりは、暖かく感じたり寒くなったり、職場環境や住環境の変化、それに伴う人間関係の変化、ITや英語など要求される新しいスキルに追いつけない焦燥感やリストラへの不安など、一年のうちでもひときわさまざまなストレスが発生する時期です。たとえば、着慣れないスーツで締め付け感がある、といったことすらストレスになります。

■体に起きる反応

体がストレスを感じると自律神経が反応し、血圧、脈拍、血糖、体温を上げて、心身が臨戦態勢をとります。この状態は、緊張を覚えつつも気力や意欲が高まる、活力につながってよいアイデアが生まれる、仕事がはかどるなど、プラスに作用する面もあしります。しかしまたゴムを伸ばし続けているのと同じで、だんだん傷んで元に戻る力を失い、最終的には切れて役に立たなくなるという結末もあるのです。

具体的には、臨戦体制が長期に及ぶと自律神経もその状態を維持できなくなり、徐々に働きが乱れるようになります。自律神経は体全体の調整を担当する器官ですから、これが正常でなければ、免疫機能、内分泌機能や神経など、それこそどこにでも影響を及ぼします。症状には個人差が非常に大きく、こうした症状が不規則に現れたり消えたりする「不定愁訴」が特徴です。

【自律神経失調症の主な症状】

神経過敏、倦怠感、眠気・不眠、食欲不振、下痢や便秘、頭痛、皮膚炎、肩こり、めまい、冷え・のぼせ、動悸、息切れ、イライラ、気持ちの落ち込み、不安感 など

まじめな人が危険

もともと発散が苦手な人や、悲観的に物事を考えてしまうタイプ、真面目で責任感が強いタイプの人は、その意識じたいも自律神経を緊張させますので、身体の不調が起きる傾向も高くなります。とはいえ、こういった傾向のある人は無意識にそうしてしまうのですから、まわりが「気楽に」と言って簡単にできるものではないでしょう。「リラックスしなければいけない」と緊張してしまうのでは、本末転倒です。無理に状態を変えようとせず「自分はいま緊張状態だから、用心しよう」と認識するだけでも、オーバーヒートを避けることはできるでしょう。

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