ドクターズガイド

五月病
「適応障害」を起こさないために

日本の4月は、不安定な気候に加えて、多くの人の生活環境が大きく変わります。新しい仕事や勉強にあたって、やる気にあふれてはりきってはいても、慣れない土地の気候、慣れない生活や新しい人間関係による心身の疲労は、自分の自覚以上に蓄積しています。

そしてこの後、新しい生活で初めてのまとまった休みに入りますと、それまで緊張で気付かなかった疲労がいっきに表面化し、心身の不調として現れると、これが一般的にいう「五月病」の症状ということになります。

■適応障害とは

不調が自覚する五月病に対して、スタート時点で過剰に張り切って、自分の限界を超えた緊張や活動を続けてしまう状態を「四月病」、社会人の場合、新しい職場の研修が終わる6月ごろに不調が現れる場合も多く、こうなると「六月病」です。

いずれにせよ、この呼び名は慣用的なもので、医学的にはすべて「適応障害」という診断になります。適応障害は、心身が環境の変化に対応しきれずに不調をきたす精神的な疾患です。

■症状

脱力傾向にしろ過剰な活動傾向にしろ、精神的には不安定な状態です。多くの場合その結果不眠や倦怠感など肉体的な症状を感じます。

よくみられる症状

  • 気分が落ちこむ
  • やる気がでない
  • 焦り、不安を感じる
  • 考えがまとまらない
  • 寝起きが悪くなる
  • 食欲がない
  • 倦怠感

■原因

要因として多くあげられるのが、下記のような状況です。

  • 未経験の生活環境、生活リズムの変化についていけない
  • 想像していた新たな生活と現実のギャップについていけない
  • 就職など大きな目標を達成した解放感とともに、次の目標がわからない
  • 新たな人間関係が思うようにいかない

精神的な症状を「病気」とはとらえにくいこともありますが、これらの症状を過去には経験がないと思えるほど強く自覚したら、いわゆる五月病、「適応障害」の可能性も受け入れるべきでしょう。

■うつ病との違い

適応障害とうつ病は、症状は似ていますが違う疾患です。

適応障害は、その名の通り新しい環境に慣れきれていないことからくる一過性の心身の不調であり、「慣れる」ことで短期に治る見込みがあります。従って、治療内容も生活上の環境や行動の調整が中心です。

これに対してうつ病は器質的な異常を含みます。重度の落ち込みや体の不調が長期にわたると、気分を上向きにする脳内ホルモンの分泌も長期間不活発な状態が続き、この状態が定着して、正常なホルモン分泌に戻らなくなった状態です。この場合は分泌を調整する投薬などで、時間をかけて正しく治療しなければ完治は難しくなります。

ということは、適応障害が長期間続けば「うつ病」へ移行する恐れがあるということです。「五月病だからほうっておいても」と軽く考えるべきではないでしょう。

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