ドクターズガイド

ロコモティブシンドローム(運動器症候群) (1)
いざというとき、ちゃんと体を動かせるか

手足が自由に使えるかどうかということは、日常の生活に直結した大問題です。場合によっては、体が動かないということが命の危険につながります。特にここ数年の激しい天候を見ても、大雪に足をとられ、道は凍って滑り、豪雨で冠水した中を歩き、暴風にとばされないように踏ん張って進み、と、無事に行動するだけでも強い足腰が要求されるようになってきました。災害の経験からも「体を動かせること」の大切さを感じた方は多いことでしょう。

まだ若いから、別に異常を感じていないから、という認識は賢明ではありません。第一の原因が加齢である以上、すべての人がいわば予備軍であり、40代に入ればすでに体は動かしにくくなり始めます。

「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」については、だれもが知っておかなければなりません。

■ロコモティブシンドローム(運動器症候群)とは

「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」は、2007年に日本整形外科学会が提唱した病名です。”locomotive=運動に関する”、”syndrome=症候群”を意味しており「運動器官の障害によって日常生活で人や道具の助けが必要な状態、またはその一歩手前の状態」という人が該当とされます。通常、「ロコモ」と略されることが多い呼び名です。

「寝たきり」の最大の原因だが、年齢にはかかわらず

過去の例から、高齢者が「寝たきり」や「要介護」になってしまうのは、多くの場合ロコモによる転倒などがきっかけと考えられています。しかしロコモの原因は加齢だけではないので、若い年代であっても該当者となり得ます。まれに、怪我がきっかけとなって運動機能が衰え始め、リハビリがうまくいかず、30代半ばにして寝たきりとなってしまった例もあります。

また人の助けがいる「一歩手前」がすでにロコモティブシンドロームであるとされていますから、自分でそのつもりはなくても該当している人もいるでしょう。

■症状

膝、股関節、腰中心に、以下のような骨、筋肉、関節の症状がみられます。

  1. 筋力低下
  2. 持久力低下
  3. バランス能力の低下
  4. 反応が遅くなる
  5. 動きが遅くなる
  6. 細かい動きがうまくできなくなる
  7. 痛み
  8. 関節の動きの制限
  9. 変形

たいていの場合、ある日、足腰の衰えや関節の痛みを感じて自覚します。以前やっていた運動を再開したときに筋力の低下を感じるというのも一般的でしょう。しかし生活にそれほど支障を感じなければ「年をとったな」という認識だけで済ませてしまうことがほとんどです。

加齢を原因とする場合

股関節の大腿骨乳頭部は特に危険です。転倒で簡単に骨折しやすく、寝たきり人口の急増の主な原因となっています。
40代、60代のはじめに大きくスイッチが入る脊柱周りの筋肉の老化は、腰痛につながります。

■原因

加齢

通常、初期症状は40代に入るころからみられます。女性の場合、骨、筋肉、関節を守る女性ホルモンの分泌が、この時期から減り始めることも原因です。

運動器自体の疾患

下記の病気は、年齢が低くてもかかる可能性があり、ロコモティブシンドロームの要因となるものです。

  • 変形性関節症
  • 変形性脊椎症
  • 脊柱管狭窄症
  • 易骨折性
  • 骨粗鬆症に伴う円背
  • カルシウムの不足

続きを読む →


  • 運動器症候群(ロコモティブシンドローム)とは/症状/原因
  • 対処/予防

変形性膝関節症関連情報 ⇒

腰痛(腰椎椎間板ヘルニア)関連情報 ⇒

骨粗鬆症関連情報 ⇒