ドクターズガイド

カビ 最近の事情

梅雨時期に雨が多く湿度が高いのは昔からかわりませんが、ここ最近は悪天候の程度もひどくなりましたし、冬場の乾燥対策が、その後の春から夏のカビ増殖を促してしまっているという、落とし穴のような事実もあります。

カビの基本的な知識と引き起こされる病気、対策については過去記事(特集:カビ-引き起こされる病気-)をご覧いただくこととして、今回はあまり普及していない意外な注意と最新の対策事情を確認します。

■天候・住環境・室内で使う機器の変化

すでに誰もが感じているように、ここ数年は極端な天候が珍しくなくなりました。浸水や洪水を起こす雨量も珍しくなく、高い湿度が長期間続くこともあります。とくに被害に遭われたお住まいは、乾燥を待つ間にカビの発生にも悩まされることも増えています。
いっぽう、乾燥する季節にはインフルエンザのような感染症予防のために加湿が推奨されるようになり、マンションのような密閉度の高い住環境で、高性能な加湿器がこれもまた長期間使用されるようになりました。

■通年の体調不良にかかわる

こうした複合的な要因が増えた結果、現在の一般的な生活は、ほぼ一年中、カビの発生条件は揃っているという状況になっています。身近に発生したカビが呼吸器のアレルギーを起こしたりすれば、たとえば

春の花粉症→梅雨のカビ→秋の花粉症→冬の加湿器に増える細菌の感染

といった、一年中呼吸器に不調をもたらす可能性も考えられることになります。これは大変問題です。

またほかの例として、マセラチア毛包炎という皮膚の障害があります。小さい赤く光沢のあるぶつぶつが、均一に広がり、強いかゆみや痛みをともなう皮膚の病気です。マセラチアは一般的にはあまり知られておらず、体内に常在している菌でもありますが、菌の付着が増えたり抵抗力が弱くなると症状が現れます。一見するとアクネ菌による通常のニキビに似ているので間違えがちですが、マセラチアの原因マセラチア菌はカビの一種で性質も違うので、対処も同じにはできません。

■見落としがちなカビポイント

このように、現在は生活環境自体が一年を通してカビが増えやすくなっていますので、発生しやすい場所を重点的に予防・除菌しなくてはなりません。以下、意識しておきたいポイントです。

カビ注意ポイント

  • キッチン・冷蔵庫、風呂場、押し入れ、靴箱、エアコン、洗濯機
  • コンタクトレンズ、化粧ポーチ、イヤホン

キッチンや押し入れは常識的にカビへの警戒が知られていますが、コンタクトレンズやイヤホンなど日用品としての歴史が浅いものは、カビの危険があるという意識は強くありません。しかし水を含むコンタクトレンズやイヤホンで長時間ふさいだ耳の中は、カビの増殖にもってこいの環境です。「温度と湿度が高いところにはカビが発生する」というごくシンプルな意識を持って周囲を見直し、自主的に注意する必要があります。
また温度は高くなくとも、皮脂や化粧品の粉がとどまりやすい暗い化粧ポーチの中は、カビにとってはごちそういっぱいの居心地のよい場所なのです。

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