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清水栄司 医師 (しみずえいじ)

清水栄司 (しみずえいじ) 医師

千葉大学医学部附属病院(千葉県)
認知行動療法センター長
千葉大学 子どものこころの発達研究センター長 千葉大学 柏の葉診療所 認知行動療法室
教授 センター長(千葉大学大学院医学研究院)

専門

認知行動療法(うつ病、パニック症、社交不安症、強迫症)

医師の紹介

清水栄司医師は認知行動療法のスペシャリストとして、不安症(パニック症、全般不安症、社交不安症)、強迫症とうつ病などの治療に、複数の認知行動療法士とともにあたっている。認知行動療法は、薬物療法とともに不安症・うつ病などの第一選択となる精神療法であり、外来にて高い治療成績を収めている。また、千葉大学では2010年4月より、不安症・うつ病などに対して、認知行動療法を施術でき、薬物療法に勝るとも劣らない治療効果を出すことができるセラピスト(認知行動療法士)の養成と認定を開始。
2016年10月1日からは、千葉大学医学部附属病院に国立大学初となる認知行動療法センターを設置した。

千葉大学医学部附属病院 認知行動療法センター(千葉県千葉市)
千葉大学 柏の葉診療所 認知行動療法室(千葉県柏市)

千葉大学では、これまで「相談」事業として実施してきた認知行動カウンセリン グの件数が年間約 1,800回あり(平均1人 15 回で 113 人/2015年度実績)、4分の3にあたる約 1,400回は、臨床試験でエビデンスが証明された「不安障害」等に該当していた。 そこで、全国の国立大学病院に先駆けて認知行動療法に特化したセンターを設置し、医師の指導のもと、病院内において臨床心理士が個人認知行動療法の提供を行っている。原則的に、毎週1回50 分の個人面接を連続 16~20 回程度行い、料金は 1回 50 分1万円(消費税別)で、各種公的医療保険は適用されない。
また、パニック症、社交不安症、強迫症に対して、テレビ電話を用いた遠隔での認知行動療法の臨床試験を2017年4月から実施し、過食症、慢性疼痛に加え、ネット依存、不登校、引きこもりの保護者、認知症の介護者にも展開している。

診療内容

認知行動療法とは、患者自身が“病気になりやすい悪循環のパターンに陥っている自分の感情(気分)、考え方(認知)行動”を発見できるようセラピストがサポートし、考え方(認知)や行動を変えることによって、感情(気分)の問題の解決を目指すものである。
同院の認知行動療法センターの対象疾患は、不安症(パニック症、全般不安症、社交不安症など)、強迫症、うつ病、過食症、慢性疼痛、不眠症、自閉スペクトラム症など。
パニック症は、いつ誰がなっても不思議はない病気である。「統計では100人に1人~3人に発症します」と清水医師は話す。「パニック症の発作が起こると突然動悸がして強い不安に襲われます。“病院で診察・検査を受けても異常はないといわれる”“繰り返しこの発作が起こり、また起こるのではないかといつも不安を抱えている”“電車やバスに乗るのも怖くなり外出が難しくなり、休職する”などの場合、パニック症を疑う必要があります」
パニック症の治療者用認知行動療法マニュアルは、千葉大学が作成した内容で、厚生労働省の心の健康のWEBサイトあるいは日本不安症学会のWEBサイトで、日本のすべての臨床家が活用できるように、自由にダウンロードできるようにされている。清水医師によると、千葉大学の結果では、およそ3人に2人が認知行動療法に反応し、寛解したという結果が出ているという(Seki et al., 2016)。
同院認知行動療法センターのシステムでは、まず、通院中のかかりつけ医から紹介状を受け取った患者が、千葉認知行動療法のWBEサイト(https://www.cocoro.chiba-u.jp/chibacbt/)から有料カウンセリングの申し込みを行う。紹介状がない場合でも受診いただけるが、この場合は初診料のほかに、保険外併用療養費制度に基づく初診に係る特別の料金として、10,800円(税込)を自費でお支払いいただくことになる。保険外診療である、個人認知行動療法は、開始後、毎週1回決まった曜日、決まった時間で、50分のマンツーマンでのセッションを16回から20回程度、積み重ねていくことになる。1年程度での治療終結後はかかりつけ医のもとで、再発防止に努めてもらう。なお、同センターでは薬物療法を行わないため、並行してかかりつけ医への通院が必要となる。
※認知行動療法センター:清水医師の診察:金曜の午前・午後にアセスメント(初回面接)。その後、平日午前9時から5時までの50分枠の認知行動療法を、担当セラピスト(認定認知行動療法士)が実施。柏の葉の認知行動療法室:清水医師の診察:第二月曜日の午前にアセスメント(初回面接)。その後、月、水曜日の午前のうち50分枠の認知行動療法を、担当セラピスト(認定認知行動療法士)が実施。
通院中の医療機関があれば、紹介状必要。完全予約制
詳細はHP参照:千葉大学医学部附属病院認知行動療法室、あるいは千葉大学 柏の葉診療所 認知行動療法室

関東近郊で認知行動療法を受診できる病院・機関については、下記を参照。
千葉認知行動療法:認知行動療法を受診できる機関

診療を受けるには

清水医師の診察:千葉大病院認知行動療法センター(千葉市中央区)は、毎週金曜日月1回 月曜にアセスメント(初回面接)。認知行動療法センターは平日9時から5時までオープン、柏の葉の認知行動療法室は月曜および水曜の午前のみオープン、完全予約制。自費診療。通院中の病院があれば紹介状要。

年間症例数

2015年度 年間約1300セッション(患者数 113例)
2016年度 年間2464セッション
2017年度 年間2930セッション(対面式2,444件、遠隔式486件)患者数127名

医師のプロフィール

経歴
1990年3月 千葉大学医学部 卒業
1990年6月 千葉大学医学部附属病院
1997年3月 千葉大学大学院医学研究科博士課程(内科系精神医学)終了
1997年 プリンストン大学(米国)分子生物学講座客員研究員
2005年7月 千葉大学大学院医学研究院・助教授(精神医学)
2006年3月 千葉大学大学院医学研究院(認知行動生理学)教授
2011年4月 千葉大学子どものこころの発達教育研究センター センター長 (兼務)
2016年10月 千葉大学医学部附属病院 認知行動療法センター長(兼務)
所属学会・認定・資格

日本認知・行動療法学会理事、日本不安症学会理事、日本脳科学会評議員、日本精神神経学会、日本生物学的精神医学会、精神保健指定医、精神科専門医、精神科指導医

主な著書(編集・共著含む)






予防に心がけたいこと

就寝・起床時刻を決めて、規則正しい睡眠をとる。1日3食とる。軽い運動を心がける。リラックスする時間を毎日持つ。人と話す時間を毎日持つ。

費用のめやす

50分10,000円(税別)

発信メディア(ホームページ、ブログ、Twitter、facebook等)

千葉大学医学部附属病院 認知行動療法センター: 
千葉大学 柏の葉診療所 認知行動療法室: 
千葉認知行動療法(有料カウンセリング): 
千葉大学大学院 医学研究院 子どものこころの発達研究センター: