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小川葉子 医師 (おがわようこ)

小川葉子 (おがわようこ) 医師

慶應義塾大学病院(東京都)
眼科
特任准教授

専門

シェーグレン症候群、眼慢性移植片対宿主病(GVHD)、スチーブンスジョンソン症候群、眼類天疱瘡、マイボーム腺機能不全を含む眼局所のドライアイ

医師の紹介

小川葉子医師は、造血幹細胞移植後の眼慢性GVHD研究のスペシャリスト。新しい治療の道を切り拓き、現在は眼慢性GVHD国際診断基準制定委員会の委員長でもある。火曜日午後のドライアイ外来は、小川葉子医師をチーフとして数名の医師で診療にあたっている。移植医療や自己免疫疾患の他、様々な原因による眼局所のドライアイにも幅広く対応している。ドライアイ外来では、世界のドライアイトップリーダーである慶應義塾大学医学部眼科学教室の坪田一男教授のもと、各医師が特色ある得意分野を担当しつつ力を結集して効率よく連携し、病態解明、診断、治療、予防の各分野の向上など、より質の高い医療を目指している。
ドライアイは中高年の女性に多いことから老視、更年期に加えて全身疾患を併せ持ち、普通と違った痛み、悩みを背景に苦しむ患者が多い。眼局所のドライアイにはVDT作業、コンタクトレンズ装用者、マイボーム腺機能不全に伴うドライアイなどが挙げられる。瞬目の異常であるメージュ症候群に関しては、精神神経科と連携した治療を行なっている。このため慶應義塾大学病院眼科では、特定の疾患に偏らず、あらゆるタイプのドライアイ患者に対応できるようにしている。 特に火曜日のドライアイ外来は全身合併症を伴わない眼局所ドライアイに加えて、シェーグレン症候群などを伴う重症ドライアイ外来としての特徴がある。重症ドライアイの症例は全身疾患を伴う事が多いため、内科・口腔外科・皮膚科と連携を保ち、シェーグレン症候群・スティーブンス・ジョンソン症候群・眼類天疱瘡、および慢性GVHDの全身状態を含めた経過観察をし、他科との横断的診療と治療を行なっている。重症ドライアイ症例の中では、造血幹細胞移植後、免疫反応により新規に発症するドライアイ症例が多いことも特徴だ。同院では血液内科と眼科との間で17年前から連携を確立しており、これまでに拝見している造血幹細胞移植症例は約800例程に達した。現在も年間約40例の移植症例がある。移植後の免疫反応による晩期合併症の一つの慢性移植片対宿主病に伴うドライアイでは、移植前からの眼科診察を行ないドライアイの発症時期を予測、診断し早期治療の対策を立てている。

2010年日本医師会医学助成賞受賞
2014年日本女医会学術助成賞受賞(2009年に続き2度目)

診療内容

ドライアイは中高年の女性に多いことから老視、更年期に加えて全身疾患を併せ持ち、普通と違った痛み、悩みを背景に苦しむ患者が多い。
眼局所のドライアイにはVDT作業、コンタクトレンズ装用者、マイボーム腺機能不全に伴うドライアイなどが挙げられる。瞬目の異常であるメージュ症候群に関しては、精神神経科と連携した治療を行なっている。このため慶應義塾大学病院眼科では、特定の疾患に偏らず、あらゆるタイプのドライアイ患者に対応できるようにしている。特に火曜日のドライアイ外来は全身合併症を伴わない眼局所ドライアイに加えて、シェーグレン症候群などを伴う重症ドライアイ外来としての特徴がある。重症ドライアイの症例は全身疾患を伴う事が多いため、内科・口腔外科・皮膚科と連携を保ち、シェーグレン症候群・スティーブンス・ジョンソン症候群・眼類天疱瘡、および慢性GVHDの全身状態を含めた経過観察をし、他科との横断的診療と治療を行なっている。重症ドライアイ症例の中では、造血幹細胞移植後、免疫反応により新規に発症するドライアイ症例が多いことも特徴だ。同院では血液内科と眼科との間で20年前から連携を確立しており、これまでの造血幹細胞移植症例は約800例に達した。現在も年間約40例の移植症例がある。移植後の免疫反応による晩期合併症の一つの慢性移植片対宿主病に伴うドライアイでは、移植前からの眼科診察を行ない血液内科との連携のもとドライアイの発症時期を予測、診断し早期治療の対策を立てている。
診察では通常の眼科診療に加え、問診表による詳細な自覚症状の確認、通常の視力と、必要時に実用視力、フルオレセイン・ローズベンガル・リサミングリーン染色による角結膜上皮障害のスコアリング、涙液層破壊時間の測定、各種涙液分泌検査(反射性涙液分泌能検査を含む)の他に、TSAS(tear film stability analysis system)や、涙液油層の観察、共焦点顕微鏡によるマイボーム腺の検査、症例によってインプレッションサイトロジー、ブラッシュサイトロジー検査を行なう。
血液検査、涙液検査からドライアイの診断、治療の指標となるバイオマーカーの探索も開始。全身的には、涙腺腫脹をきたす疾患として、サルコイドーシス、IgG4関連疾患、 悪性リンパ腫等の鑑別を念頭に置いて診療している。
治療は、人工涙液点眼治療、ヒアルロン酸点眼(共に重症例には防腐剤抜きを使用)、近年保険適応となった点眼薬ではP2Y2アゴ二ストで結膜からの水分分泌と粘液分泌を促すジクアホソルナトリウム点眼、粘液成分と抗炎症効果が期待されるレバミピド点眼によるドライアイ治療を開始し長期使用して経過がよい例も多く認められる。マイボーム腺機能不全や眼瞼疾患の治療に加え、同院製剤のビタミンA点眼やメチルセルロース点眼、血清点眼、免疫の関与するドライアイにはシクロスポリンや副腎皮質ステロイド点眼(副作用予防のため1カ月以内を目安とした短期間点眼投与)の局所または全身治療、外科的には涙点プラグを施行する。涙点プラグが脱落を繰り返す症例には涙点焼灼術(高温型コーテリー使用)を行ない、特に難治性眼GVHD症例に良好な結果を得ているという。

診療を受けるには

再診の場合も電話による診察予約が必要。初診の場合は紹介状と、電話での予約が必要。予約状況は3か月先まで埋まっているが、病気の急変および緊急時には必要に応じ対応可。

累積症例数または患者数

造血幹細胞移植例は過去20年間で約800例に上り、他院からの眼慢性GVHD症例の紹介例を加えると900例以上になる。累積では過去24年間で1,000例以上。その他全身合併症を伴わない眼局所のドライアイ症例は、年間のドライアイ外来症例の半数を占める。

年間症例数

火曜日午後の特殊外来では一日の受診数が約40例。年間の受診数は延べ2,000例をこえる。涙点プラグ挿入術、涙点焼灼手術は年間それぞれ約40例と約15例。新規造血幹細胞移植例は約40例。シェーグレン症候群症例は年間200例以上。

医師のプロフィール

経歴
1980年 慶應義塾大学医学部卒業、慶應義塾大学医学部眼科学教室入局
1982年 東京都済生会中央病院 眼科
1990年 慶應義塾大学医学部にて医学博士取得 同年 眼科専門医
1993年 小川眼科クリニック院長(2003年まで)
1998年 慶應義塾大学医学部先端医科学研究所で基礎研究にも従事。慶應義塾大学医学部 眼科学教室 非常勤講師
2011年7月から現在、慶應義塾大学 医学部 眼科学教室 特任准教授
所属学会・認定・資格

日本眼科学会、日本角膜学会、日本シェーグレン症候群学会、日本造血細胞学会、日本リウマチ学会、日本免疫学会、日本結合織学会、Tear Film Ocular Surface Society , The Association of Research in Vision and Ophthalmology、OSCE評価認定医、日本眼科学会 専門医、日本学科学会指導医、箱根ドライアイクラブ 実行委員、Tear Film Ocular Surface Society Medical Advisory Board

主な著書(編集・共著含む)

Ogawa Y, Kim SK, Dana R, Clayton J, Jain S, Rosenblatt MI, Perez VL, Shikari H, Riemens A, Tsubota K. International chronic ocular graft-vs-host-disease (GVHD) consensus group: Proposed diagnostic criteria for chronic GVHD (Part I). Sci Rep. 2013 Dec;3:3419.

Kawai M, Ogawa Y, Shimmura S, Ohta S, Suzuki T, Kawamura N, Kuwana M, Kawakami Y, Tsubota K. Expression and localization of aging markers in lacrimal gland of chronic graft-versus-host disease. Sci Rep 2013 Aug; 3: 2455

Yaguchi S, Ogawa Y, Shimmura S, Kawakita T, Hatou S, Satofuka S, Nakamura S, Imada T, Miyashita H, Yoshida S, Yaguchi T, Ozawa Y, Mori T, Okamoto S, Kawakami Y, Ishida S, Tsubota K. Angiotensin II type 1 receptor antagonist attenuates lacrimal gland, lung, and liver fibrosis in a murine model of chronic graft-versus-host disease. PLoS ONE. 2013 Jan; 8(6): e64724.

Ogawa Y, Tsubota K. Review Article. Dry eye disease and inflammation. Inflamm Regen. 2013 Nov; 33 (5): 238-48.

Tatematsu Y, Ogawa Y*, Shimmura S, Dogru M, Nagai T, Yaguchi S, Yamazaki K, Kameyama K, Kawakami Y, Tsubota K. Mucosal Microvilli in Dry Eye Patients with Chronic Graft-Versus-Host Disease. Bone Marrow Transplant. 47(3):416-25(2012).

Uchino M, Ogawa Y*, Uchino Y, Mori T, Okamoto S, Tsubota K.(*Corresponding author) ; Comparison of stem cell sources in the severity of dry eye after allogeneic haematopoietic stem cell transplantation ; Br J Ophthalmol. 96(1) 34-37(2012)

Ogawa Y, Shimmura S, Dogru M, Tsubota K. Immune processes and pathogenic fibrosis in ocular chronic graft versus host disease and clinical manifestations after allogeneic hematopoietic stem cell transplantation. Ocular graft versus host disease. Cornea. 29: s68-s77 (2010).

Ogawa Y, Shimmura S, Kawakita T, Yoshida S, Kawakami Y, Tsubota K. Epithelial mesenchymal transition in human ocular chronic graft-versus-host disease. Am. J. Pathol. 175:2372-2381 (2009).

Ogawa Y, Kodama H, Kameyama K, Yamazaki K, Yasuoka H, Okamoto S, Inoko H, Kawakami Y, Kuwana M. Donor fibroblast chimerism in the pathogenic fibrotic lesion of human chronic graft-versus-host disease. Invest. Ophthalmol. Vis. Sci. 46:4519-4527 (2005).

Ogawa Y, Shimmura S, Kuwana M, Yamazaki K, Kawakami Y, Tsubota K. Mini- review.Inflammation and pathogenic fibrosis in human ocular chronic graft versus host disease. Inflammation and regeneration. 28:533-540 (2008).

Ogawa Y and Kuwana M. Dry eye as a major complication associated with chronic graft-versus-host disease after hematopoietic stem cell transplantation. Cornea. 22:S19-S27 (2003).

Ogawa Y, Kuwana M, Yamazaki K, Mashima Y, Tsubota K, Okamoto S, Oguchi Y, Kawakami Y. Dry eye associated with chronic graft-versus-host disease. In Lacrimal Gland, Tear Film, and Dry Eye Syndrome 3. Edited by Sullivan DA, et al. Academic/Plenum Publishers. 1041-1045 (2002).

『シェーグレン症候群の診断と治療マニュアル 6 涙腺生検病理診断』 (2014年 診断と治療社)amazonでみる⇒
『今日の治療指針2014』(2014年  医学書院)amazonでみる⇒
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『みんなに役立つGVHD(移植片対宿主病)の基礎と臨床』(2013年 医薬ジャーナル)amazonでみる⇒
『炎症と免疫 特集 Clinical Science シェーグレン症候群:最新の知見 シェーグレン症候群とドライアイ』(2013年 先端医学社)
『外来で診る 眼科疾患 ドライアイ』(2013年 慶應義塾大学薬学部)
『リウマチ科 リウマチ性疾患に伴う眼症状とその鑑別 』(2012年 科学評論社)
『ドライアイリサーチアワード 受賞論文 ヒト眼慢性移植片対宿主病における上皮間葉転換 Frontiers in Dry Eye』(2011年 メディカル レビュー社)
『医学のあゆみ 眼疾患と粘膜免疫 』(2007年 医歯薬出版)
『今日の眼疾患治療指針 第2版』 (2007年 医学書院)amazonでみる⇒
『ドライアイリサーチアワード受賞論文解説 涙腺慢性移植片対宿主病の病的線維化部位におけるドナー由来線維芽細胞. Frontiers in Dry Eye』(2007年 メディカル レビュー社)

予防に心がけたいこと

規則正しい生活、運動を適度に取り入れること、睡眠を十分にとることにより生活のリズムを保つことを推奨。
冬の暖房などで部屋の湿度が下がるときは、清潔な加湿器を置く。保湿用保護用眼鏡にて眼表面の涙液蒸発を防ぐことはドライアイの自覚症状の軽減に有効だ。マスクの内側に湿らせたガーゼをあてて呼気で蒸気が眼の表面をおおうような工夫も推奨される。食事にはビタミンAを多く含む緑黄色野菜をとりいれてバランスを保つこと。VDT作業を長時間する時は、意識的に瞬きを多くし、パソコンの画面を眼の位置より下方において涙液の蒸発を防ぐ工夫が必要。エアコンの風、車内の冷房の送風などが直接眼の表面にあたると涙液の蒸発が促進され、ドライアイの症状を助長するので風が直接あたらないように注意する。

費用のめやす

涙点プラグ、涙点焼灼術、通常の眼科診療、投薬は保険適応だが人工涙液点眼、血清点眼、慶應病院作成のビタミンA点眼、KT1F点眼は自費となる。
涙点プラグ挿入術は上下涙点を挿入した場合3割負担で約3,000円。涙点焼灼術は3割負担で1,650円だ。

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