ドクターズガイド

奥村 謙 医師 (おくむらけん)

奥村 謙 (おくむらけん) 医師

済生会熊本病院(熊本県)
心臓血管センター循環器内科
不整脈先端治療部門 最高技術顧問

専門

循環器内科(とくに不整脈、虚血性心疾患、冠循環)

医師の紹介

奥村謙医師は、日本の不整脈治療と医師教育を長年に渡って牽引してきた。特にカテーテル・アブレーション治療では30年以上のキャリアを有するパイオニアである。カテーテル治療、薬物療法、植込み型除細動器治療(ICD)、心臓再同期療法(CRT)など、循環器のあらゆる治療法に精通し、疾患の機序や原因、適切な治療法などの鑑識眼を持つ。「本当に必要な治療だけを精査して行っています」と胸を張る。2016年3月に弘前大学医学部教授職を退任し、4月より済生会熊本病院心臓血管センター循環器内科不整脈先端治療部門で最高技術顧問として不整脈治療体制の拡充と若手医師への指導、育成に尽力している。

診療内容

「よく手術件数の多さで病院の実力が判断されることがありますが、心臓病においては、必ずしも適切ではありません」と奥村謙医師。
たとえば心臓の筋肉に血液(酸素)を供給している冠動脈の、狭くなったり塞がったりしているところにカテーテルを挿入して押し拡げ、血流を取り戻す冠動脈形成術(PCI)については、昨今、安易に実施され過ぎているのではないかと言うのだ。
「件数が多いということは、薬物療法や生活指導がまともに出来ていないということにもなります。本当に必要かどうかを適切に見極めれば、半分になるところもあるはずです。前任地の弘前大学医学部附属病院時代には、50万人医療圏に対してPCIは年間500件。私はこの数値が適切だと思っています」また奥村医師は教育者でもある。
「私には、30年、医学部教師として、正しい医療を学生に教える責任がありました。その治療をやるべきか否か、根拠はしっかりしているか、今必要か、吟味するよう徹底させてきました」
日本の不整脈治療と医師の教育を長年に渡って牽引してきた。カテーテル治療、薬物療法、植込み型除細動器治療、心臓再同期療法など、循環器のあらゆる治療法に精通しているだけに、疾患の機序や原因、適切な治療法などを見極める診断力への自負は強い。
「ただし、カテーテル・アブレーションについては手術件数の多さは病院の実力に直結します。なぜなら同手術は高度な技術を要するので、習熟に一定以上の経験が必要です。さらに手術件数が多ければ、クリニカルパス(医療の流れ)も確立されることから、不慣れが原因の事故リスクが小さくなり、安全性が高まりますからね」
頻脈性不整脈に対する根治治療であるカテーテル・アブレーションは非常に優れた治療法だと太鼓判を押す。カテーテル治療に30年以上も取り組んできた実績に裏打ちされた確信があるのだ。
「モットーは、やらないでいい治療はしない、しかし必要だと思えば強引にでも勧める、です。カテーテル・アブレーションは強く勧めていますよ。有効性と安全性が確立されているからです。また抗不整脈藥の服用を生涯続けていただくことに抵抗があるからです」
「最近は持続性および長期持続性心房細動に対するカテーテル・アブレーションに積極的に取り組んでいます。これはテクノロジーの発展に支えられ、成績がずい分と向上したからです。患者さんの生命予後の改善につながるものと信じています」
穏やかな口調のなかに挟み込まれた「強引にでも」、「積極的に」という言葉に、治療に賭ける奥村医師の熱意がにじみ出ている。

弘前大学を辞した後、2016年4月より済生会熊本病院心臓血管センター循環器内科不整脈先端治療部門の最高技術顧問に就任。同センターでは、エビデンスに基づいた最良の医療提供を心がけ、心臓血管外科と協働で24時間体制で急性期の患者さんの治療を行うとともに、新規薬剤などの国際共同治験、臨床研究への参加なども積極的に行っている。

診療を受けるには

受診には原則として担当医からの紹介状(診療情報提供書)が必要。紹介状がない場合、診療費とは別に選定療養費として別途費用が必要となる。

累積症例数または患者数

済生会熊本病院循環器内科カテーテルアブレーション:通算5000例超(1994年~)

年間症例数

済生会熊本病院循環器内科カテーテルアブレーション実施件数:749例(2017年)

医師のプロフィール

経歴
1976年 熊本大学医学部卒業
1979年~83年 熊本大学大学院医学研究科(医学博士)
1983年~85年 米国アラバマ大学医学部内科循環器部門
1987年 熊本大学医学部循環器内科講師
1993年 同助教授
1996年 弘前大学医学部内科学第二講座(第二内科)教授
2007年 弘前大学大学院医学研究科循環呼吸腎臓内科学教授(改組)
2016年4月 済生会熊本病院心臓血管センター循環器内科 不整脈先端治療部門 最高技術顧問
所属学会・認定・資格

日本内科学会功労会員、日本循環器学会特別会員・専門医、日本不整脈心電学会名誉会員・専門医、日本脳卒中学会専門医

予防に心がけたいこと

「あらゆる心臓血管病(脳卒中を含む)の原因としてもっとも重要なのは高血圧です。確かに高血圧の薬物治療は大きく進歩しましたが、もっとも大切なのは塩分制限です。わが国の1日塩分摂取量は平均10.5グラムで(2008年)、欧米よりも数グラム多いとされています。高血圧学会では高血圧と診断された方には1日6グラム未満を推奨しています。ここまでの減塩は確かに難しいかもしれません。しかしこれで血圧はよくコントロールされ、心臓血管病のリスクは大幅に減じると思います。健康にも、そして経済的にも有用な減塩を強くお勧めします。
心房細動の再発予防には体重コントロール(減量)とアルコール制限(節酒)が必要です。薬物治療やカテーテル・アブレーションで心房細動の再発予防が図れるようになりましたが、基本的には減量と節酒が大切です。健康に長生きするためにも、減量と節酒で、心房細動から解放されましょう」(奥村医師)

費用のめやす

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