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加藤庸子 医師 (かとうようこ)

加藤庸子 (かとうようこ) 医師

藤田医科大学病院 坂文種報徳會病院(愛知県)
脳神経外科
教授 脳血管ストロークセンター長

専門

脳血管障害、脳卒中、特にくも膜下出血(破裂脳動脈瘤、脳動静脈奇形)

医師の紹介

加藤庸子医師は、くも膜下出血を未然に防ぐ「クリッピング術」のスペシャリストとして知られる。2006年、脳神経外科において日本で最初に女性の教授となり、2012年9月には「日本脳神経外科学会」の初の女性理事に選出。 アメリカ セントルイス大学医学部で、自ら行った手術を英語で解説する講演を行う。女性脳外科医では世界一と言われる手術数1,300例以上を誇る権威である。その技を見たいと世界中から医師が駆けつけ講演の要望は世界各国から寄せられている。また、加藤医師は、自分の経験を教訓に女性医師が結婚や出産後も仕事を続けられる環境をと、38歳の時に日本脳神経外科女医会を発足。現在も週3回以上の手術をこなし加藤医師を頼って全国から患者が訪れている。

2014年10月に、藤田医科大学病院坂文種報德會病院 脳神経外科に勤務地を移動し、脳血管障害、特に未破裂動脈瘤、生まれつきの脳動静脈奇形、脳梗塞、脳の検診なども含めた脳血管障害を中心とした部門設立を目的として新講座及び脳血管ストロークセンターを設立。

診療内容

毎年13万人もの患者が命を落とす脳卒中。中でも加藤医師の専門は、脳の血管が破裂しその出血が脳を圧迫するくも膜下出血を未然に防ぐ「クリッピング術」で、世界が認める権威である。
脳のなかの血管(動脈)に瘤状の血だまりができるのが動脈瘤。これが破裂すると、くも膜下出血を起こし、30%以上が死に至る。脳ドックやCTなどの検査で見つかったくも膜下出血の原因となる脳動脈瘤という血管にできるコブをクリップと呼ばる特殊なチタン製の器具で根元から挟み、コブの中に血液が入らないように治療する。加藤医師がもっとも得意とする未破裂脳動脈瘤の開頭クリップ手術で、コブが破裂しないよう確実に処置を施す。
脳外科の手術は、極度の緊張状態の中で長時間にわたることが多く、しかもミスはゆるされない。
「脳動脈瘤の手術はスピードがすべてではありません。ここは速く、ここは大事だからゆっくりと丁寧にと状況に応じて判断が必要となります。多くの術例を経験しているからわかるんです。経験を積むうちに、どんな状況でも対応していけば、必ず道は開けることを知りました」と加藤医師は語る。

脳神経外科は、死と向き合うことも多く「いろいろな患者さんと出会えます。片麻痺や言語障害、脳腫瘍で耳の聞こえない人など、多くのハンディーを背負った方もいらっしゃいます。力強く生きている姿もたくさん見ました。仕事ができることの幸せや、医師になった根源は何だったのかなど、さまざまな事を患者さんから教わりました」(加藤医師)
医師になってキャリアがまだ浅いころ「女医さんの主治医や執刀医は心配」と幾度となく言われたことも。
加藤医師は、女医であるメリット活かし、患者や家族の方が気軽に話しかけられるような環境作りで、心の窓を開こうと努力した。その結果、年を重ねるにつれ強い信頼関係が結べるようになり、それが自信に繋がったと話す。
また、同院で治療した脳卒中の患者とその家族が会員である「Fujita脳神経外科友の会(1981年創立)」がスタートして32年目、実は、加藤医師の医師史とほぼ同時期の歩みを持つ会で、日本で最も古い患者会である。現在の会員数は1500名程。加藤医師はこの会に医者の立場で参加し、退院後のさまざまな悩み、食事・リハビリ・仕事の事などに創立初期からずーと携わっている。
「診療からだけでは学ぶことが出来ない貴重な体験の積み重ねでした」この会でも患者から教えてもらったことがたくさんあると言う。
加藤医師のお父さんは開業医で外科医であった。その後ろ姿を見て育った加藤医師もまた、同じ道を選んだ。結婚より仕事を選び、男性社会の外科分野で女性が第一線で活躍するには、技術的に秀でていることは必須。今、世界が認める脳神経外科となる。
世界脳神経外科連盟(WFNS)の教育長として発展途上国の若者達を数多く訪れ物資、教育支援を行っている。
今後は「女性医師がしっかり働ける環境もつくりたい、また、海外の途上国の若手脳外科医の教育支援を行っていきたい」と語る。

診療を受けるには

加藤医師の外来診察は、月曜・水曜・木曜・金曜の午前中。学会・出張・緊急手術により外来診察の医師が変更になる場合があるので、事前に電話で要確認。

累積症例数または患者数

未破裂脳動脈瘤の開頭クリップ手術:手術数1,300例以上

医師のプロフィール

経歴
1978年 愛知医科大学医学部卒業
1980年 名古屋保健衛生大学脳神経外科教室研修医
1981年 中華人民共和国蘇州医学院付属第一病院脳神経外科留学
1982年 トヨタ病院脳神経外科局長
1984年 藤田学園保健衛生大学脳神経外科研究助手
1985年 脳神経外科認定医取得
1986年 オーストリア、グラーツ大学留学
1991年 藤田学園保健衛生大学医学部 脳神経外科学講座講師
2000年 藤田保健衛生大学医学部 脳神経外科学講座助教授
2006年 藤田保健衛生大学医学部 脳神経外科学講座教授
2008年4月 藤田保健衛生大学病院 救命救急センター 副センター長兼任
2010年4月 藤田保健衛生大学病院 救命救急センター センター長
2014年10月 藤田医科大学病院(旧:藤田保健衛生大学)坂文種報德會病院脳神経外科に勤務地移動
所属学会・認定・資格

日本脳神経外科学会 評議員、日本脳卒中学会 評議員、日本脳卒中の外科学会 代議員、日本脳神経外科救急学会 新常任理事、日本脳ドック学会 評議員、アメリカコングレス脳神経外科学会 会員、アメリカ脳神経外科学会 会員 、日本脳死・脳蘇生学会 理事、日本脳腫瘍の外科学会 評議員、日本脳ドック学会 理事(2012年より)、社団法人日本臓器移植ネットワーク臓器提供施設委員 会委員、日本脳神経外科学会 理事(2013年9月より)、日本性差医学・医療学会 理事(2013年2月より)、2011年9月 日本意識障害学会 理事長、Asian Congress of Neurological Surgeons (ACNS)会長

世界脳神経外科連盟 書記官補(Assistant Secretary)、日本脳神経外科女医会(WNA)創立(1990年)、アジア脳神経外科女医会(AWNA)創立(1996年)、第3回アジア脳神経外科学会 会長(1999年)、第4回アジア脳神経外科女医会 会長(2000年)、Mainz大学客員教授(ドイツ)、George Washington大学客員教授(アメリカ)、Sri Ramachandra Medical College & research Institute大学客員教授(インド)

予防に心がけたいこと

くも膜下出血を予防するには、脳ドックなどの検査によって動脈瘤をできるだけ早期に見つけることが大切。
厚生労働省の「脳卒中の予防法は?」を参照

費用のめやす

保険診療

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