ドクターズガイド

久保田有一 医師 (くぼたゆういち)

久保田有一 (くぼたゆういち) 医師

TMGあさか医療センター(埼玉県)
副院長 脳神経外科・てんかんセンター長

専門

てんかん(外科手術を含む)

医師の紹介

てんかん全般を診療するが、中でも高齢発症てんかんの診断・治療に詳しい。てんかんの疑いがあれば即「ビデオ脳波モニタリング」を行うことをモットーとし、他県を含む多数の患者だけでなく、多くの若手医師も指導を求めて訪れる。東京女子医科大学病院てんかん外来でも診療を実施するほか、てんかんに関する市民講座や講演にも積極的に取り組んでいる。

診療内容

 久保田医師は、小児から高齢者まで幅広い層のてんかん患者を診療してきた医師。てんかんは小児の病気だと思われることが多いが、高齢発症てんかんも少なくないことを重視し、診療に関わってきた。そのきっかけは米国への留学だったという。

「当時の日本では、高齢発症てんかんについて発信する人がいませんでした。私がこの病気の存在を知ったのは留学中のことです。アメリカにこれほど多くの高齢発症てんかん患者がいることを知ったのは、まさに目からウロコの体験でした。日本がアメリカ以上の超高齢社会を迎えることを考えると、日本でこそ絶対に啓蒙しなければならない病気だと確信したのです。帰国後に外来でビデオ脳波モニタリングを始めると、思った以上の反応がありました」

ビデオ脳波モニタリングとは、外来のような短時間の脳波検査ではなく、入院して24時間の脳波を計測する検査。ビデオで患者の言動についても録画するため、実際の発作時の様子を本人も見て、「本当に自分では覚えていない行動があるんだ」と客観的に知ることができる検査だ。同センターでは20台もの機器を導入し、てんかんの疑いがあれば即日入院して検査を受けることができる。同センターでは、県外からも多くの人が正確な検査・診断を求めて来院し、久保田医師の下で勉強したいという若手医師も多数訪れるという。

「この検査は、心電図で不整脈を探すようなものです。これだけの設備があるから、何か月も待たず迅速に実施できるのが当院の大きな強みです。その方の人生において、2ケ月、3カ月とお待たせするのはもったいないですから」と久保田医師。

だが、高齢発症てんかんには多くの問題がある。てんかんを診療できる医師が少ないこともその1つだ。脳波を読むのに長けた医師が少なく、てんかん専門医は全国に500~600人程度とまだまだ少ない。

それに加えて、高齢者のてんかん発作は分かりにくく、早期発見は困難だ。高齢発症てんかんのうち、脳血管障害や頭部外傷、脳腫瘍などのように原因がはっきりした場合であれば、けいれんを起こして倒れるため早く発見される。これに対し、はっきりした原因がなく、加齢によって起こるてんかんは、けいれんは起こさず、意識を失っているのに動作は止まらないためケガや事故につながりやすい。

「高齢発症てんかんの患者さんは絶対にたくさんいるのに、気づかれていない人が多いことも問題です。駅などでぼーっと反応なく立っている高齢者を見かけて、『この方はてんかんに違いない』と思うことがあります。特に1人暮らしの高齢者の場合は、気づく人がいません。ある1人暮らしの高齢者は、自宅で車を車庫入れする際に頻繁にこするようになり、それに気づいた近所の人の勧めで受診し、てんかんが判明しました。声をかけあうコミュニティの力は本当に大切です」

高齢発症てんかんは認知症やうつ病と間違われることも多いため、適切な治療を受けるためにも早期の発見・治療開始が欠かせない。発作と思われる状況(呼びかけても反応がない、手元・足元がモゾモゾ動くなど)や、本人の記憶にないケガが増えた、その時の記憶がないなど、認知症とは少し違う症状に気づいたら早めに医療機関を受診したい。

診療を受けるには

TMGあさか医療センターの久保田医師の外来は、月曜・午前、午後(成人てんかん専門外来)、金曜の午後(成人てんかん専門外来)専門外来を受診する際は予約が必要。
東京女子医科大学脳神経外科てんかん外来は、毎週木曜の午後・隔週土曜(第2・4週)の午前。詳細は病院に要確認。

年間症例数

てんかん入院患者数265人、てんかん紹介件数475人、ビデオ脳波モニタリング件数133人、救急脳波モニタリング件数136件、てんかん外科手術件数22件(2018年のセンター全体の診療実績)

医師のプロフィール

経歴
1998年 山形大学医学部医学科卒業
2000年 東京女子医科大学脳神経センター 脳神経外科 初期練成医修了
2001年 国立精神・神経センター武蔵病院 
2003年 東京女子医科大学脳神経センター 脳神経外科 助教
2009年 アメリカ クリーブランドクリニック てんかんセンター フェロー
2010年 フランス ティモン病院 神経生理部門 客員研究員
2011年 朝霞台中央総合病院 脳神経外科部長
2018年 TMGあさか医療センター 脳神経外科統括部長 脳卒中・てんかんセンター長
2019年 TMGあさか医療センター 副院長
    東京女子医科大学脳神経外科てんかん外来担当(助教)も兼任
所属学会・認定・資格

医学博士、日本脳神経外科学会 専門医、日本てんかん学会 専門医、日本臨床神経生理学会 脳波専門医、日本脳卒中学会 専門医

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