ドクターズガイド

三鴨廣繁 医師 (みかもひろしげ)

三鴨廣繁 (みかもひろしげ) 医師

愛知医科大学病院(愛知県)
感染症科
主任教授 部長

専門

感染症学、化学療法学、感染制御学、産科婦人科学、東洋医学、スポーツ医学

医師の紹介

三鴨廣繁医師は、感染症の専門家として「診断」と「治療」を主目的とする『感染症学』と、医療施設内での発症の「予防」を主目的とする『感染制御学』の双方の見地から、院内外の感染症治療および感染予防に取り組んでいる。いずれの医療領域でも起こりうる感染症に対して「ゼロにすることはできないが、できる限り少なくする努力を惜しまない」と、日々の診療および診療支援活動を展開。科学に基づいたアプローチ、情報の公開、地域医療との連携と地域医療への貢献を通して、より安心・安全な医療の提供を目指している。

診療内容

同院感染制御部は2007年8月に設置され、院内感染症患者の診療支援、医師・薬剤師・看護師・臨床検査技師等の卒前卒後教育、研究を活動の3本柱としてきた。同院では2013年1月から感染症科を設置し、外来および入院中の感染症患者の診察、医師・薬剤師・看護師・臨床検査技師等の卒前卒後教育、研究活動を行っている。感染症学と感染制御学を車の両輪と考え、院内のInfection Control Team(ICT)のメンバーである医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師、事務職など、多くの職員がそれぞれの得意分野を分担し、チーム医療として院内の感染症患者の横断的診療に取り組んでいる。さらに、ワクチン接種などを通して職員の健康管理にも関与している。感染症の早期診断法の開発、薬剤耐性菌サーベイランス、薬剤耐性菌感染症に対する新たな治療法の開発、適正な抗微生物薬の使用に関する研究、感染伝播予防に関する研究など感染症の予防から治療まで幅広く関わっている。一方、教育においては、医学部・大学院医学研究科のみならず、他の医療機関からの学生も積極的に受け入れているのが特徴である。また、嫌気性菌感染症の研究においては、基礎的および臨床的に、国内はもとより、世界的にも代表的な研究室の一つに数えられている。
GH(性器ヘルペス)は、帯状疱疹と同じヘルペスウイルスの一種、単純ヘルペスウイルスによって起こる。性的な接触によって感染する性感染症の一つだ。単純ヘルペスウイルスには、主に口唇上半身に症状が出る1型と、主に下半身に症状が現れる2型の2つのタイプがあり、GHを起こすのは後者である。感染すると性器の周辺などに、水ぶくれが現れる。このヘルペスウイルスの特徴は、最初の感染で免疫ができても再発する危険性があるということ。ウイルスは腰のあたりの神経細胞に潜んでいて、疲労やストレス、性交渉、月経、発熱、胃腸障害などが原因で再発する。しかも、しばしば再発を繰り返し、完治できる治療法も現在のところはないので厄介だ。カップルのうちどちらかがGHの場合、パートナーにうつす危険性は、コンドームを使わないと1年間で約10%といわれている。さらに、症状が現れないので本人が気づいていない「無症候性ウイルス排泄」によってうつることも考えられる。
治療には主に抗ヘルペスウイルス薬が使われる。また、年に6回以上再発する患者に対しては、症状があらわれる前にウイルスの増殖を抑える「再発抑制療法」という治療法もある。
「治療効果を得るためには、医師の指示毎日きちんとお薬を飲むことが大切です」と、三鴨医師。「症状が出ていないからと勝手にお薬を止めないようにしてください」
素人判断で止めてしまうと、残った菌はさらに強くなって耐性菌になるおそれがある。また、病気に関する正しい知識を患者に理解してもらうことも必要。感染リスクを軽減させるためにも、症状のあるときは性行為を避け、症状が出ていないときでもコンドームを使用することを心がけるなど、生活指導を行なうことも大切となってくる。
三鴨医師の場合、患者に具体的なデータを提示し、治療の効果を患者が納得してから治療を開始する。また、GH患者診療時には、診察室に他の人を入れない、予約時間を他の患者さんより遅くするなど、プライバシーの保持に注意を払っている。そうすることで、患者が安心して話ができるという。
「GHはストレスも再発の要因なので、治療にあたっては、肉体的なケアと精神的なケアを同時に行う必要があると考えています。患者さんが、病気以外のことでも相談できるような、信頼関係を構築することが大切です」(三鴨医師)

診療を受けるには

初診受付時間は、月曜~土曜の8:30~11:30(祝日及び年末年始は除く)。
感染症科の外来診療は月曜・水曜・金曜日(2013年6月から外来診療開始予定)。
初診予約はできないが、他の医療機関からFAXによる事前診療予約システムがあるので、通院中の医療機関に相談したい。基本的に紹介状は必要で、持参しない場合は選定療養費4,000円(税別)が必要になる場合がある。

累積症例数または患者数

各種感染症患者60,000症例

年間症例数

各種感染症患者3,000症例/年

医師のプロフィール

経歴
1989年5月 岐阜大学医学部附属病院 医員(研修医)
1989年7月 岐阜県立下呂温泉病院 臨床研修医師
1989年9月 岐阜大学医学部附属病院 医員(研修医)
1990年2月 岐阜県厚生連中濃総合病院 臨床研修医師
1994年4月 岐阜大学医学部附属病院 医員
1994年9月 岐阜大学医学部 助手
1997年10月 岐阜大学医学部 講師
2003年4月~2004年3月  Channing Laboratory, Harvard Medical School留学
2004年4月 岐阜大学 生命科学総合研究支援センター 嫌気性菌研究分野 助教授、岐阜大学医学部 附属病院 助教授
2007年4月 岐阜大学大学院 連合創薬医療情報研究科 感染症治療学 准教授
2007年8月~2012年12月 愛知医科大学大学院医学研究科 感染制御学 主任教授、愛知医科大学病院 感染制御部 部長
2008年4月~名城大学薬学部 特任教授(兼任) 現在に至る
2013年1月~愛知医科大学大学院医学研究科 臨床感染症学 主任教授、愛知医科大学病院 感染症科/感染制御部 部長
所属学会・認定・資格

日本感染症学会専門医・指導医・評議員・中日本地方会理事、外科周術期感染管理認定医・教育医、日本産科婦人科学会専門医、日本東洋医学会専門医・指導医、日本医真菌学会認定専門医・評議員、日本化学療法学会抗菌化学療法認定医・指導医、日本化学療法学会抗菌薬臨床試験指導医、日本結核病学会結核・抗酸菌症認定医、日本性感染症学会認定医(常務理事2011年~)、日本臨床微生物学会認定医・幹事・評議員、日本環境感染学会評議員・理事(2008~2012))、日本嫌気性菌感染症研究会(理事長(2007~)、理事(2004~))、真菌症フォーラム(世話人)、緑膿菌感染症研究会(運営委員)、日本クラミジア研究会(運営委員)、American Society for Microbiology、European Society of Clinical Microbiology and Infectious Diseases、Infectious Diseases Society of America、Surgical Infection Society、International Society for Anaerobic Bacteria、日本細菌学会、日本臨床検査医学会、日本産科婦人科学会、日本東洋医学会、日本母性衛生学会、日本周産期・新生児医学会、日本思春期学会、日本手術医学会

予防に心がけたいこと

ヘルペスウイルス感染症の症状が出ているときは患者専用のバスタオルを使用するように心がける。規則正しい生活とバランスのとれた食事を心がけて、抵抗力を保つことも大切である。女性の場合は、排卵後(生理前)に身体の抵抗力が低下して、GHが再発しやすく、他の性感染症にもかかりやすい。無理をせず、疲れたら早めに休息をとるようにしたい。

費用のめやす

初診の場合は初診料、最新の場合は再診料に加えて、検査料および薬剤費が必要。