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転換期を迎えた関節リウマチ治療

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※この記事は2015年6月17日にインタビューし掲載したものです。山中寿医師の最新の情報はこちら⇒(医師情報)


人口の0.5~1%が発症すると言われる関節リウマチ。かつては不治の病とまで考えられていたが、現在では新しい薬が次々と開発され、大きく転換しつつある。関節リウマチの大規模な患者調査「IORRA」の生みの親である、東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター所長 山中寿医師に、治療の現在と今後について話を聞いた。

― 関節リウマチはどうして起こるのか、メカニズムを教えてください。

関節リウマチの原因は、現在もまだわかっていません。身体の中に異物が入った時、異物から自分を守ろうとするのが免疫の仕組みですが、どういうわけか自分自身を攻撃するようになる病気を「自己免疫疾患」といいます。関節リウマチはその一つです。

関節リウマチの主な症状は、関節の痛みと腫れ、そして朝、起床した時に見られるこわばりです。朝のこわばりは、起床してから一定の時間がたてば必ず動くようになりますから、1日中こわばる人は、よほど重症の関節リウマチか、あるいは他の病気を疑います。

― 自分の親がリウマチだったから、自分にも遺伝するのではないかと心配です。遺伝する確率は高いのでしょうか。

血友病のように、ある一定の比率で遺伝する病気もありますが、関節リウマチについてはそのようなことはありません。たとえば高血圧にしても糖尿病にしても遺伝しますが、必ず発症するという訳ではないのです。

― 関節リウマチの主な治療薬について教えてください。

現在のところ、メトトレキサートが第一選択というのが世界の共通原則です。メトトレキサートは抗リウマチ薬の一つで、白血病の治療などに、抗がん剤として使われていた薬です。リンパ球の増殖を抑えるので、これを関節リウマチ患者に使うことにより、進行を抑えることがわかっています。当センターでは、関節リウマチ患者の80%がメトトレキサートを用いています。

― 80%がメトトレキサートを使うということは、残る20%はどのような薬を用いるのでしょうか。

メトトレキサートが副作用で使えない場合には他の抗リウマチ薬を使います。その他に、生物学的製剤という薬を用いることがあります。生物学的製剤は、リウマチを悪化させるサイトカインであるTNF、IL-6などを抑える薬や、リンパ球の活性化を抑える薬などがあります。薬によって、皮下注射か点滴で投与します。

一般的に、生物学的製剤は抗リウマチ薬と併用します。メトトレキサートが効かない人に対して追加併用することが多いです。ただし、しばしば腎盂腎炎を起こす人や、結核で治療している人など、活動性の感染症がある人には生物学的製剤は使いません。種類にもよりますが、がんで治療中の人にも使えない場合があります。

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