ドクターズガイド

これまでの一覧 →

緑内障

2/2

―1.2とか1.0と視力が良い人は、緑内障にならないのでしょうか?

緑内障は視野が狭くなる病気なので、1.2の視力でよく見えても緑内障にはなります。網膜には視神経線維が約100万本も通っていて、これが眼球を出て1本の太い視神経となり大脳につながっていますが、視力にかかわる視神経は強く、緑内障でかなり視野が欠けていても視力は後期まで保たれます。

―どんな人が緑内障になりやすいのでしょうか?

先ほど述べたように、閉塞型の緑内障は遠視の方で50歳以上に多いのが特徴です。緑内障の中で一番多い開放型は親族に緑内障の人がいる方、近視が強い方に多いのですが、それ以外の因子はしられていません。

―緑内障にはどんな治療がありますか?

閉塞隅角緑内障と開放隅角緑内障では治療法が全く違います。閉塞隅角緑内障では排水口である隅角を広げることが治療の基本で虹彩(茶目)にレーザーで小さな穴をあける、あるいは白内障の手術をするなど手術療法が基本です。開放隅角緑内障では点眼薬で眼圧を下げる薬物療法が治療の基本です。点眼薬には、房水の排出を促進するもの、房水ができるのを制御するもの、両方の作用を持つものがあります。点眼薬が使えない、または、点眼薬だけでは効果が得られない場合は、内服薬やレーザー治療・手術も検討します。

―レーザー治療とは、どのような治療法がありますか?また、レーザー治療のメリットを教えて下さい。

開放隅角緑内障に対するレーザー治療はレーザー線維柱帯形成術と言って、房水の流出路である「線維柱帯」にレーザーをあてて目詰まりを減らすことで、眼圧を下げる手術です。点眼麻酔で簡単に行えますが、効果は人よって異なります。また、もともと眼圧が正常な正常眼圧緑内障の場合には目詰まりがないので、レーザーをあててもあまり効果は期待できません。特殊なレーザーを用いる「選択的レーザー線維柱帯形成術(SLT) 法」とよばれる方法もあり、以前のレーザーより障害が少ないため普通のレーザーに比べて繰り返し治療ができることが特徴ですが、眼圧を下げる効果にはほとんど差がありません。

閉塞隅角緑内障に対するレーザー治療はレーザー虹彩切開術と呼ばれる方法で虹彩(茶目)の隅の方に小さい穴をあける方法で、これも点眼麻酔で簡単に行うことができます。
どちらのレーザー治療も目を切ることなしに外来で治療できることがメリットです。

―緑内障と診断されたら、日常生活で気を付けることがありますか。

白土城照医師

緑内障は生活習慣病ではありませんので特に生活上の制限はありません。

処方薬や市販薬で緑内障に注意と書いてある薬がたくさんありますが、これは閉塞隅角緑内障の対する注意書きです。例えば、総合感冒薬(風邪薬)、鎮咳去痰薬、消化性潰瘍薬、抗ヒスタミン薬、睡眠鎮静薬、自律神経用薬、鎮けい薬、高圧降下薬、動脈硬化用薬、抗不整脈薬、抗てんかん薬、精神神経用薬、抗パーキンソン薬、骨格筋弛緩薬などです。これらの薬には瞳を少し広げる成分が含まれていて緑内障の急性発作を誘発する可能性があるとされています。しかし閉塞隅角緑内障でもレーザー虹彩切開術などの治療が行われている場合(ふつうは見つかり次第、治療が行われています)には問題ありません。ご自分の緑内障がどのタイプかわからない場合には医師に訊ねてください。

(2016.05.31)

2/2

← 前ページへ

【白土城照医師プロフィール】

四谷しらと眼科、院長

1949年生まれ。東京慈恵会医科大学医学部卒業。
緑内障のレーザー治療や現在世界中で行われている抗がん剤を用いた緑内障手術を日本に初めて導入した、日本における緑内障の診断と治療の権威。

主な著書に『四大中途失明疾患 緑内障・白内障・糖尿病網膜症・黄斑変性症の早期発見と治療の手引き (ホーム・メディカ安心ガイド) 』(2003年 小学館) amazonでみる ⇒

(詳しい情報はこちら→)



緑内障の関連情報一覧 ⇒