放っておくと大変なことに!
年を重ねるほど、骨の状態は悪くなります。子どものころの骨の質を満点とするなら、青年期の骨、成人期の骨、中年期の骨、年配期の骨……年を追うごとに状態は悪くなります。
では、「骨の状態が悪くなる」というのはどういうことでしょうか?
一つには、「骨の質が下がる」、つまり骨粗しょう症です。もう一つが、「骨の変形」です。
骨と骨の間には、椎間板(ついかんばん)と呼ばれるものがあり、骨と骨とのクッションのような役割を果たしています。椎間板の形が悪くなると、骨にも影響して、骨の変形が起こります。
レントゲン写真で身体の側面から椎間板を見ると、キレイな四角形をしています。骨と骨の間からはみ出さないようになっているのです。
ところが、身体の一部に無理な負担がかかる生活を送っていると、この椎間板がつぶれて、骨と骨の間からはみ出るような形状に崩れてくるのです。
人間の身体は、非常によくできていて、はみ出た椎間板を骨と骨の間に収めようとします。「受け皿」を広くしようと、骨のほうが形を変えていくのです。これを医学用語で「変性」と呼び、形を変えてとがってきた骨の部分を「とげ」(「骨棘(こつきょく)」)と呼びます。
みなさんも「椎間板ヘルニア」という症状を耳にしたことがあると思いますが、椎間板ヘルニアは、椎間板が形を崩し、椎間板の中身が飛び出して、神経を圧迫して痛みを感じる症状のことです。
椎間板の形が少し変わると、それに伴って骨は形を変え、とげができます。
また椎間板の形が変わるたびに、骨のとげは大きくなっていきます。
年を重ねるほど、椎間板と骨が形を変え、骨の変形が進むことを「加齢変形」 と呼んでいます。
首の悪姿勢を放置していては、年々悪くなることはあっても、決してよくなることはありません。ですから、首姿勢のケアは、一刻も早く始めるべきなのです。
首姿勢を意識し、整えることによって体に様々な良い変化があるのです。
首の大切さに気づいてもらえたでしょうか。
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山田朱織医師(医師情報)
16号整形外科 院長/山田朱織枕研究所 代表取締役社長
睡眠姿勢と枕の研究のエキスパート。親子2代・40年の臨床経験を背景に同院に開かれた、全国でも数少ない枕外来では、睡眠姿勢や自宅でできる簡単な枕の調節法などの指導が受けられる。2003年からは整形外科枕の研究・開発に着手。オーダーメイドの整形外科枕を計測・販売する併設の山田朱織研究所には、これまでに3万人もの人が訪れている。
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