「気分がすぐれない」はうつのはじまり
次に関係してくるのが、気分が晴れないという「うつ」の症状です。
うつ病は、今や日本人の国民病とも呼ばれます。「プチうつ」と呼ばれる軽症の場合を含めれば、今や、日本人の4人に1人が、この病気を患っているといわれます。
● 眠れない
● なんとなく気持ちがすっきりしない
● 何をするのも面倒くさい
● 人と会いたくない
● 食欲が出ない
そんな状態になったら、「プチうつ」の初期症状の可能性があります。
もしかしてうつかもしれない。そう思ったとしてもなかなか自分から病院を訪れる人は少ないかもしれません。しかし、ほうっておいては悪化するだけです。
プチうつの人の中には、首姿勢の悪さが原因で首こりや首痛に陥り、気分が落ち込んでいる人がとても多いのです。 どうも日々、気分が晴れないなと感じている人は、まずは首姿勢を疑ってみてください。
「なぜ、首こりがうつに関係してくるのだろう」
そんな疑問を持った方は、首まわりが絶えずズキズキして、重たく感じている状態をイメージしてみてください。そんな状態だと、首が脳に近いこともあって、非常に気になり、何も手につかなくなりませんか。
その状態が続くと、どうなるでしょうか?
何か考えようとしてもうまくまとめられずイライラしっ放し、眠ろうと思ってもあまり眠れず疲れはたまっていくばかり……身体も心も疲れてしまい、結果、プチうつに陥ってしまう場合もあるのです。
実際、首こりで悩む患者様の中にも、
「何をするにも、気が乗らないんです。私、うつなんでしょうか?」
と聞いてくる方がいます。
たしかに、プチうつ症状が疑われる人が一定の割合でいるのです。
私は、そんな患者様たちに「首姿勢をよくする生活習慣」を提案して、実行してもらいます。そして、何日か経 たったら再び来てもらい、状況を尋ねます。
すると
、「それまでの倦怠感がウソのようにスッキリしました!」
と言ってくださる方もたくさんいます。
つまり、原因は「うつ」ではなく、ただの首姿勢の悪さだけだったということなのです。
「首姿勢は人の感情や気分に非常に大きな影響を与えている」
と私は思っています。
健康で前向きな生活を送るためには、社会に対して開いた姿勢をとっていることがとても重要です。顔を下に向け、背中を丸めた、前かがみな姿勢は、プチうつの症状をさらに加速してしまいます。
プチうつ的な症状を感じた人は、まず顔を上げ、胸を開いて、姿勢から美人な状態をつくってみましょう。そう、猫背を治すのと同じ意識で、「首と胸を起こす」わけです。
なぜなら人間は、顔を上げた状態で悲観的に物事を考えるのが難しいからです。
当然ですよね?
今まで悲観的なことばかり考えていた人でも、姿勢を変えるだけで、うつ的状態から脱出できるかもしれません。姿勢が変われば、心が変わる、なのです。
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山田朱織医師(医師情報)
16号整形外科 院長/山田朱織枕研究所 代表取締役社長
睡眠姿勢と枕の研究のエキスパート。親子2代・40年の臨床経験を背景に同院に開かれた、全国でも数少ない枕外来では、睡眠姿勢や自宅でできる簡単な枕の調節法などの指導が受けられる。2003年からは整形外科枕の研究・開発に着手。オーダーメイドの整形外科枕を計測・販売する併設の山田朱織研究所には、これまでに3万人もの人が訪れている。
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