ドクターズガイド

血管を強くする歩き方

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■パワーハウス筋

速く歩くために重要なもうひとつの要素が、カイロプラクティックの分野で言う「パワーハウス筋」です。これは前述の「胴体部分を包み込む筋肉」で、下記4つの筋肉を総称した名称です。

①腹横筋
腹部の最も深層部にあり、腰部を安定させるコルセットのような働きをしている。この筋肉を鍛えて腹圧を強くすると、腰痛の改善が期待できる。
②横隔膜
胸部の肺、心臓の下にあるドーム型で膜状の筋肉で、腸や胃のある腹部との境界になっている。息を吸うのに大きな役割を担う。ドーム型で膜状の筋肉。
③多裂筋
背中の椎骨をつないで脊椎を形作っている筋肉。背骨のS字カーブを保ち、大きな動きで生じた衝撃を吸収して、腰や背中を保護したり、運動時に微調整する働きをする。
④骨盤底筋群
尿道括約筋、球海綿体筋、肛門挙筋、外肛門括約筋の総称。体幹部の最下部で骨盤、内臓を下から支えている。

パワーハウス筋が弱くなると

パワーハウス筋のどれかが緩んだり、脂肪が蓄積して内臓を圧迫したりすると十分に機能が働かなくなり、結果的に、腹圧が低くなる→内臓が正しい位置で支えられないという流れになり、下記のようなことが起こります。

  • 下腹が出る。
  • 内臓が十分に働かない。
  • 速く歩きにくい。

パワーハウス筋を鍛えると

パワーハウス筋が鍛えられて骨盤アーチの作用が十分に発揮されていれば、両脚からの力が背骨に集まり、まっすぐ上に向かって、負担のかからない姿勢がとれます。これは下記のようなよい流れにつながります。

  • 負担が低い→速く歩ける→血管の病気が減る
  • 内臓が正しい位置にキープできる→内蔵が機能を十分に果たす→内臓脂肪がつきにくくなる。

鍛える方法の例

腹横筋

呼吸を止めず、お腹をぐっとへこませる(スクープ法)

骨盤底筋群

うつ伏せになって恥骨を床に押し付け、肛門、膣などに力が入るのを意識する。

仰向けに寝て尿道に力を入れ、肛門や膣が閉まるのを意識する。

■正しい姿勢なら速く歩ける

骨盤、パワーハウス筋に並んで「姿勢」も重要な要素です。
骨盤やパワーハウス筋が整っていても「姿勢」が正しくなければ速く歩くことはできず、また「正しい姿勢」でなければ、骨盤やパワーハウス筋をきちんと整えることができません。

「正しくない姿勢」とは

「正しくない姿勢」とは、パワーハウス筋を使っていない姿勢です。一般的に「よい姿勢」として認識されている『気をつけ』は、腰を反らした反り腰の状態であり、背骨のS字カーブが崩れて骨盤が前に倒れています。そしてこれは負担が大きく疲れやすいので、しばらくすると今度は骨盤が逆方向の後ろに倒れた「猫背」の状態になり、これを繰り返すことになります。

この繰り返しは、腰を痛めたり、変形性関節症などにつながることになります。

「正しいよい姿勢」とは

ひと言でいうと「上半身を開いて下半身を締める」感覚を感じる姿勢です。胸を前に開き、腹部周辺にぐっと力を入れて締めます。 パワーハウス筋を使い、足から頭へ一直線をイメージした立ち姿勢が理想的です。

正しい姿勢での歩き方

パワーハウス筋に力を入れた「正しい姿勢」で歩くと、体幹が固定され、下半身は振り子のような動きになります。これは上半身と下半身がバラバラに動く感覚です。 以下のポイントをチェックすることで、この歩き方ができるかどうかを判断できます。

【チェックポイント】
  • 足音をさせずに歩けているか。
  • つま先が進行方向に向いているか。(外に向いていないか)
  • →骨盤が安定している。
    →脚が後方に大きく伸びるのが感じられる。
    →パワーハウス筋を使えている。
  • ・前方に大股で踏み出さずに歩けているか。できていれば
    →骨盤の左右のブレがなくなる。
  • ・深い呼吸をしながら歩けているか。できていれば
    →腹筋に力を入れ過ぎていない。

これらをクリアした歩き方であれば、体に負担がかからず、自然と速く歩くことができます。
またこのように歩くことでパワーハウス筋がいっそう鍛えられます。

(2015.01.07)

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