ドクターズガイド

からだ相談Q&A

Q.

性別:女性、年齢:13歳
いつから頭痛がはじまったか:3歳

中学1年の娘の母親です。娘は生後6か月で水頭症にてシャント手術をしました。幼稚園頃から、夕方頭痛と嘔吐が続くようになりました。原因はわからず、痛み止めと吐き気止め座薬で様子をみてました。その後も時々同じような症状が続きました。小学4年頃セレニカが処方され、しばらく落ち着いていましたが、小学5年から頭痛、嘔吐の症状が増え小学6年ではシャント不全にて手術しました。

中学になり、真夜中に突然頭痛、嘔吐がはじはり、痛み止めは効かずのたうちまわるのが24時間続くようになりました。小児神経内科、脳外科は同じ病院です。

予防薬で漢方が追加になり、発作時にマクサルトやイミグラン点鼻薬が処方されましたが、効かずに予防薬でミグシスが処方され、毎日3種類の薬を飲んでいます。普段でも軽い頭痛は続いているようです。学校、部活は休みがちですが、理解してもらっています。

頭痛があっても、頑張っている娘に少しでも、頭痛をなくしてあげたいと思うのですが、薬は増えるだけなのでしょうか?睡眠は遅くても10時までは寝かせるようにしています。

A.

国際頭痛分類第3版(ICHD-3β)7.1.3 『水頭症に起因する頭蓋内圧亢進による頭痛』頭蓋内圧亢進や水頭症による他の症候を伴う水頭症によって引き起こされる頭痛で、水頭症の解消により改善すると記されています。また、コメントには、正常圧水頭症は、ときどき軽度の頭重感を起こすが、通常は頭痛の原因にならないとも記されています。

このICHD-3βには、一次性頭痛(頭痛の原因が他になく、すなわち何らかの基礎疾患がなく、頭痛自体が病気の頭痛)か、二次性頭痛(別の病気が原因となる頭痛)か、あるいはその両方か?が繰り返し出てきます。つまり、一次性および二次性頭痛双方が、密接に影響し一体となっている、あるは双方を悪化させていることを意味しています。

したがって、あなたの娘さんの場合には、一次性頭痛(おそらくは片頭痛であると思いますが)の周辺(ブルーライト以外の片頭痛の誘因となるライフスタイルの洗い出し)と、(水頭症以外の)二次性頭痛を今一度スクリーニングしてみる必要があると考えます。頭痛の原因となることが知られている他の疾患と時期的に一致して、以前から存在する片頭痛が有意に悪化した場合(通常、頻度や重症度が2倍かそれ以上になる)には、元々ある片頭痛およびその疾患に応じた二次性頭痛の両方があるとして診断(最初から診断は難しい場合も多い)いたします。また、二次性頭痛自体が一見軽微に思えても、元々の一次性頭痛(特に片頭痛)を慢性重症化させていることもよく経験されます。

例えば、実際の頭痛外来では、治療前には、そこまで悪化させているとは診断していなくとも、一次性頭痛(片頭痛)がある方に、二次性頭痛(鼻・副鼻腔炎による頭痛や帯状疱疹関連頭痛など)も合併した患者さんの二次性頭痛の治療をすると、二次性頭痛の症状(鼻閉・頭重やチクチク痛いなど)の軽減以上に、光・音・臭いが不快で体動(日常的な階段昇降程度)でも悪化する繰り返す拍動性頭痛や吐き気(嘔吐)および頭鳴りが特徴である片頭痛自体の重症度や頻度の改善、さらには、低下していたトリプタン(マクサルトなど)の効き目が高まることを経験します。つまり、合併していた二次性頭痛(鼻・副鼻腔炎による頭痛や帯状疱疹関連頭痛など)が、元々の一次性頭痛(片頭痛)を治療前に予想していたよりも、ずっと増悪させていたことが、治療途中から分かることも多いのです。


(2017.02.15.)

回答:磯部千明医師(医師情報 ⇒)

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