ドクターズガイド

からだ相談Q&A

Q.

性別:女性、年齢:43歳
いつから頭痛がはじまったか:1月頃

突然右眼の奥がえぐり取られる痛みの発作と右眼周囲の皮膚が焼ける痛みが持続しており受診し初めは群発頭痛と言われプレドニン・ワソラン・イミグラン使用しましたが効果無く…右眼の充血・涙・右鼻水も持続し短時間発作からサンクト症候群と診断されました。

まだ、治療は確立してないとかで、ラミクタールを飲み始め、ボルタレンを使用していますが痛みは消えません。そう簡単には良くならない事は分かってはいますが、夜も眠れず精神的に辛くなってきています。ほんとに耐えるしか方法はないのですか?

三叉神経の神経血管減圧術で治った例を論文で耳にしましたが、まだ日本でも例が少ないとか?北海道ではその手術は行っていないのですか?

A.

三叉神経・自律神経性頭痛(TACs)のなかの”サンクト症候群”は、群発頭痛と違い反復性と慢性の比率は1:9と慢性が多く、難治性です。サンクト症候群は、SUNCT(short-lasting unilateral neuralgiform headache with conjunctival injection and tearing):結膜充血および流涙を伴う短時間持続性片側神経痛様発作)は一側性の痛みからなる短期間持続性発作を特徴とし、頭痛側の流涙および眼の充血を伴う疾患です。一方、似ているSUNA”スナ”は、頭部自律神経症状を伴う短時間持続性片側神経痛様頭痛発作は、結膜充血と流涙のどちらか一方を有している疾患で、SUNCTはSUNAのサブタイプであるとされています。

国内外の頭痛ガイドラインにおいても、このSUNAとSUNCTは有病率が低く、治療の比較対照試験(研究)は行われていないのが現状です。しかし、現在の実臨床では、急性期治療として、リドカイン持続静注が施行されていることが多いと思います。また、発作性片側頭痛との鑑別のためインドメタシン75mg/日で無効の時に、予防療法として、主に抗てんかん薬が使用されています。その中で、ラモトリギンが最も有効とされています。そのほかには、ガバペンチン・プレガバリンやトピラマートが有効であるとされています。効果がなければ、外科的治療も考慮されます。あなたのように日常生活に非常に支障がある頭痛にはリドカインの持続を含めた静注療法(心電図モニタによる)、予防としてラモトリギン以外の抗てんかん薬(ガバペンチン・プレガバリン)を使用することも検討されます。上記薬剤に抵抗性の場合には、三叉神経に対する微小血管減圧術や視床下部への深部脳刺激、後頭神経刺激などの外科的治療も試みられています。ご指摘の微小血管減圧術は、海外の論文では、SUNCT/SUNA患者222例中の34例に「三叉神経に対する圧迫」(nerve vascular compression:NVC)がみられた。そのうち7例は薬物治療で効果がみられたが、薬物抵抗性の16例に対して、微小血管減圧術が施行され、12例(75%)に有効性がみられたと報告されています。したがって、脳MRI検査で通常の撮像に加え、CISS(constructive interference in steady state)を撮像すると、NVCが検出されやすくなるとされています。これらを踏まえまして、まずは、ご担当の頭痛診療の医師またはお住まいの地域の頭痛学会認定の専門医とよくご相談になられくださいますようお願いいたします。


(2017.02.15.)

回答:磯部千明医師(医師情報 ⇒)

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