ドクターズガイド

高木洲一郎 医師 (たかぎしゅういちろう)

高木洲一郎 (たかぎしゅういちろう) 医師

自由が丘高木クリニック(東京都)
院長 心療内科

専門

心療内科、精神科、神経内科

医師の紹介

摂食障害に精通した医師として知られているが、実は精神科専門医のほかに神経内科と心療内科の専門医資格を持つオールラウンド・プレイヤーである。この3つの資格をもつ医師は全国でも珍しい。さらに高木洲一郎医師は、大学病院や国立病院などの総合病院に31年間勤務しており、精神科医でありながら総合病院一筋に31年間務めたというキャリアはとても貴重である。専門病院だけに勤務していては診ることのできない、あらゆるタイプの患者と対面し診療してきた経験、それが高木医師の強みなのだ。

診療内容

うつ病や不安障害などに代表される精神科、心療内科分野の病気は、表面にあらわれていることがすべてではないため、その見極めがとても難しい。
そこで活きてくるのが、高木医師の専門領域の広さと総合病院でのキャリアである。さらに高木医師の目だけではなく、ほかのスタッフも参加して積極的にチーム医療を取り入れているのも同院の特徴で、診察に入る前に予診として専門のカウンセラーが時間をかけてじっくりと話を聞いていく。時には家族をまじえて病気に対処していく「家族療法」を行うこともある。
「どんな病気でもそうですが、特にうつ病や不安障害などは患者さんがひとりで治すのではなく、いろいろな人と関わりながら治していくのが効果的なケースもあると、私は考えています。そのために家族の協力が必要であれば、家族療法という形をとることもあります」
そこには高木医師の患者を治したいという熱い心を感じる。
「可能なかぎり密度の濃い治療をしたい」これが高木医師のモットーである。これが口だけでないのは、診察を受けた患者の「あんなに忙しそうなのに、時間をかけてじっくり話を聞いてくれる」「診察がとても丁寧」「家族へのサポートも本当によくしてくれる」といった感想がインターネット上にいくつも散見されることでも証明できる。ところで、うつ病については最近取り上げられる機会も増え、啓蒙も進んでいるが、その理解にはかなりの温度差がある。そこで周囲にメンタルな疾患を抱える人がいる場合、こんなところに注意してほしいと言う。
「メンタルな疾患全般にいえることですが、実は一般の方はよかれと思って、ほとんどの人が、逆のことをアドバイスしています。たとえばうつ病で元気がないのに周囲は、食事や旅行に誘ったりします。あるいはやる気がない、甘えだなどと決めつけて、さまざまなアドバイスをしがちです。実は周囲に言われるまでもなく、本人自身が何もできない自分を責めているため、周囲が叱咤激励することは本人にストレスを与えるだけなのです」(高木医師)
確かに、つい家の中にいるから元気が出ないんだよ、外へ行こうよ、などと言ってしまいがちである。では、どう対処すればいいのだろうか。
「うつ病の人に対しては、健康な人のストレス解消法と同じように考えて助言するのは誤りで、ゆっくり休ませてあげるのが正解です。患者さんの具合が悪い時には、自分の意見を押し付けるのではなく、よい聞き役でいて欲しいと思います」(高木医師)
なるほど。むやみに意見を押し付けるのではなく、よい聞き役であることが大切だというのは、とても参考になるアドバイスである。
「診察室で医師がお会いできるのは、限られた時間に過ぎません。多くの時間を関わるのは、家族や職場の人などです。したがって家族や職場の理解はこの疾患にとって非常に重要で、家族が来られる方は少なくとも1度は来ていただき、対応についてご説明することを心がけています」(高木医師)
さらに職場に関しても、高木医師は働きかかける。これができるのも、大手銀行と総合商社のメンタルヘルスをそれぞれ29年間、14年間務めていたことによるもの。
「その経験から職場との調整も慣れていますので、本人が希望されれば、職場の担当者ともお会いしています」これはなかなかできることではない。しかし、高木医師は言う。
「多くのクリニックではプライバシーにも関わることですので、職場の担当者と会うことは断っていると思いますが、正しく理解されれば、双方にとって有益なことなのです」
この疾患は本人がどうにかしようと思ってもどうしようもない。ただのストレス解消法を押し付けてもしかたがない。そのことを周囲が理解したうえで接することがとても大切であり、それが回復につながるのである。そのために高木医師は家族と会い、職場の担当者にも会う。本当に濃密な治療だと言えるだろう。
密度の濃い治療をしたいという熱意は、40年以上前から関わってきた摂食障害の分野において「摂食障害センター」を実現するための第1歩として運動や支援活動を行う「日本摂食障害協会(https://www.jafed.jp/)」設立へとつながった。
「私はこれまで治療者側のレベルアップや日本の摂食障害の治療システムをいかに構築するかということに力を注いで参りました。その延長にこの運動があるのです」
その運動の先にある摂食障害センターの設立にはまだ少しだけ時間がかかりそうだが、同じ志を持つ仲間は着実に増えている。それも高木医師らの病気に向き合う熱い意志と地道な活動によるところが大きい。そんな大きな仕事をしつつも、高木医師は今日も診察室で患者と向き合い、全力で話を聞き、でき得るかぎり濃密な時間を過ごしている。

診療を受けるには

完全予約制をとっているため、事前に予約が必要、紹介状もあったほうが望ましい。初診時の待ち時間はさほどなく、ほぼ予約時間に診察をうけることができる。医師の指名は可能。

累積症例数または患者数

疾患別の割合は、うつ病・適応障害・不安障害が55%、摂食障害10%、身体表現性障害10%、統合失調症10%、老年期認知症5%、その他10%

医師のプロフィール

経歴
1970年3月 慶應義塾大学医学部 卒業
1994年2月 国立病院東京医療センター精神科医長
1999年4月 慶応義塾大学医学部客員助教授
2001年6月 自由が丘高木クリニック院長
所属学会・認定・資格

日本精神神経学会精神科専門医、日本神経学会神経内科専門医、日本心身医学会認定専門医、日本摂食障害功労会員、日本心身医学会功労会員、(医学博士、精神保健指定医)など

予防に心がけたいこと

予防というよりも、周囲の認識が大切。自己流であれこれ言うよりも、あせらずに見守ること。「家族はもう一人の主治医」なのである。

費用のめやす

保険診療であるため、疾患による診療費の違いは基本的にはない。