ドクターズガイド

鈴木敦詞 医師 (すずきあつし)

鈴木敦詞 (すずきあつし) 医師

藤田保健衛生大学病院(愛知県)
内分泌・代謝内科学
教授

専門

骨粗鬆症、生活習慣病

医師の紹介

日々進歩する骨粗鬆症の研究において、近年、糖尿病などの生活習慣病が骨粗鬆症と密接に関係していると考えられるようになった。鈴木敦詞医師は「骨粗鬆症は単なる加齢現象ではなく、内分泌環境の病的変化による代謝異常症」との考えに基づき、生活習慣病のエキスパートである内分泌・代謝内科医の立場から骨粗鬆症と向き合ってきた。骨折予防や骨折後のリハビリ、薬物療法等が、骨への影響に留まらず生活習慣病に伴う心血管病変の予防にも有効とし、様々なアプローチを続けている。

診療内容

鈴木敦詞医師は、内分泌代謝内科の医師として、骨粗鬆症の研究・治療に積極的に関わってきた。
今日では骨粗鬆症は単なる加齢現象ではなく、内分泌環境の病的変化による代謝異常症との考えが定着してきたためである。骨折後のリハビリテーション、薬物療法により骨折再発と生活機能改善がはかられるが、骨代謝是正が骨折のみならず他の生活習慣病に起因する心血管病変の予防にも有効との知見も集積されてきた。
骨粗鬆症の検査には、まず画像診断が行われる。明らかな臨床的骨折を経験している症例については画像診断をするまでもなく骨粗鬆症と診断されるが、脊椎椎体骨折の約6割は無痛性骨折であるため、正確な骨の状態の評価のためには、胸腰椎の単純X線写真の撮影は必須である。
画像検査での定量的な評価法としては、DXA法による骨密度測定がゴールデンスタンダードとなる。一般的には、骨密度が低い(若年成人平均値の70%未満)ことが骨折リスク上昇につながることが知られている。その一方、骨密度が高くとも「骨の質」が悪いために骨折をおこす方が少なくないこともわかってきた。特に糖尿病をはじめとした生活習慣病が、長年不十分な状態で管理された患者さんは、骨質が悪化して骨折をおこしやすい。そのため、骨密度だけではなく、病歴、合併症、生活歴なども勘案して総合的に骨折のリスクを評価する必要がある。将来の臨床的骨折リスクを評価するための、WHO評価ツールFRAXがWeb上で公開されている(http://www.shef.ac.uk/FRAX/tool.jsp?country=3)が、続発性骨粗鬆症のリスク評価が不十分であること、年代によりリスク評価に偏りがあることなど問題点も多く、さらなる改良を要すると考えられる。鈴木敦詞医師は、生活習慣病患者を診察しながら、中高年のトータルヘルスケアのために、骨粗鬆症リスクをより正確に評価するための研究と診療とに取り組んでいる。
骨粗鬆症の治療薬として、以前からカルシウム剤、活性型ビタミンD、ビタミンKが用いられてきたが、21世紀初頭より、さらに骨折予防効果の高いビスホスホネート薬や選択的エストロゲン受容体修飾薬(SERM)が使用可能となった。これらの薬剤は、骨からリン酸カルシウムが溶け出していく「骨吸収」を抑制する薬剤であるが、最近では積極的に骨形成を促進する副甲状腺ホルモンも使用可能となり、骨代謝をより正確に評価することが、適切な治療法の選択に寄与するようになった。骨代謝を間接的に評価する方法として血中・尿中の骨代謝マーカーの測定が有用であるが、鈴木敦詞医師は様々な骨代謝マーカーを組み合わせることでより一層正確に骨の状態を評価するようにしている。

診療を受けるには

紹介は、かかりつけ医から病診連携室を通じて申し込む。紹介状のない場合の初診受付 8:15~11:30。鈴木敦詞医師の外来担当は、毎週月曜・金曜日。

累積症例数または患者数

臨床医としての経験年数は25年。診察した患者数:2,000人以上。(過去10年)

年間症例数

骨粗鬆症/生活習慣病を含めて約500名の慢性疾患患者を長期管理し続けている。
そのほか、近隣の医師・関連施設から年間約100名の骨粗鬆症患者の診察・検査を受託している。

医師のプロフィール

経歴
1988年3月 名古屋大学医学部 卒業
1988年4月 名古屋第一赤十字病院勤務
1991年7月 静岡済生会総合病院内科勤務
1992年4月 名古屋大学大学院医学研究科
1996年3月 同 修了
1996年10月 スイス連邦ジュネーブ州立大学医学部内科学講座 骨疾患部門・世界保健機関骨粗しょう症共同研究センター (Jean-Philippe Bonjour教授)
1999年4月 名古屋大学医学部内科学第一講座客員研究者
2001年9月 藤田保健衛生大学医学部内科学内分泌代謝科講師
2005年4月 同 助教授
2015年4月 現職
所属学会・認定・資格

日本内科学会(総合内科専門医・認定教育施設指導医)、日本内分泌学会(専門医・研修指導医・評議員・東海地方会事務局長)、日本糖尿病学会(専門医・研修指導医・学術評議員)、日本骨代謝学会(評議員)、日本骨粗鬆症学会(理事・評議員)、日本抗加齢医学会(評議員)、日本甲状腺学会(専門医)、日本老年医学会 (老年病専門医・指導医)、日本動脈硬化学会、米国内科学会(専門医)、米国内分泌学会、米国糖尿病学会、米国骨代謝学会、国際骨代謝学会、日本病態栄養学会、日本静脈経腸栄養学会、日本糖尿病協会(療養指導医)、骨粗鬆症財団(評議員)、名古屋骨を守る会(会長)、国際骨粗鬆症財団(科学諮問委員)

予防に心がけたいこと

骨の健康というと直ぐにカルシウムが頭に浮かぶ。日本人は欧米人と比較して乳製品をとる量が少ないので、確かにカルシウムは不足しがちである。しかし、カルシウムだけに目を奪われるとバランスの悪い食事になってしまう。以下に骨粗鬆症予防のための要点を述べる。まず第1に、適切なカロリー摂取と適度なタンパク質摂取。第2に毎日約200mgのカルシウム(牛乳2カップ、コップ一杯分程度)を食事への追加。第3にビタミンB,K不足をさけるため緑黄色野菜、豆類を食事に追加。第4にビタミンKを多く含む納豆を、メニューに加える。第5にビタミンDを含む魚を食材に盛り込む。第6に減塩(食塩の過剰摂取によりカルシウムが失われ、生活習慣病も悪化する)。日常生活上は、日光による皮膚でのビタミンD合成を高めるため、家の中に引きこもらず、適宜外出するように心がけることが重要である。ただし、紫外線を浴びすぎると皮膚がんが増加するので、無理に長時間日光浴をする必要はない。真冬でも、日中15分程度屋外に出る機会があれば十分である。運動は、関節の柔軟性を保ち、筋力を高めるために有効である。中高年になってからは運動をしても骨密度は増加しないが、転倒を予防し骨折を減らすことはできる。

費用のめやす

【初診患者】胸腰椎X線写真、骨密度検査ならびに骨代謝マーカーの検査を行った場合、3割負担で約6,000円。
【紹介状がない場合】大学病院ではさらに初診選定療養費3,000円が加算される。
【再診について】薬剤を開始した翌月は副作用確認のため来院が必要だが、安定すれば基本的には3ヶ月に1回。
【薬剤費について】治療費は行う薬剤により変わるが、一ヶ月あたりの薬剤費は3割負担で数百円から約15,000円までの範囲となる。

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