ドクターズガイド

野村秀幸 医師 (のむらひでゆき)

野村秀幸 (のむらひでゆき) 医師

国家公務員共済組合連合会 新小倉病院(福岡県)
副院長 肝臓病センター長
九州大学医学部臨床教授

専門

ウイルス肝炎、肝臓がん

医師の紹介

北九州地区はC型肝炎ウイルスの高浸淫地区であり、肝臓がんの死亡率が全国でも有数の高さ。同院の肝臓病センターはそんな状況を打破しようと2006年6月に新設された。センター長を務める野村医師は肝疾患の検査や治療において、内科・外科の隔たりをなくし集約して行える体制を作った。野村医師はB型肝炎およびC型肝炎に対する抗ウイルス治療を得意としており、同院では1992年よりC型慢性肝炎へのインターフェロン治療を開始。抗ウイルス薬の新薬治験にも積極的に取り組んでおり、効果が期待される。

診療内容

「肝臓病センターを設立したのは、患者さん本意の診療をしたかったからです」と語る野村医師。設立以前の体制のどこがよくなかったのかと言えば、内科と外科が別々に診療をしていたことである。
「効率よく診断と治療を行っていくために、 内科・外科の隔たりをなくして密に協力することが大切だと思ったのです」
これにより、患者はスムーズに検査と治療を受けることができ、患者に関わるすべての医師と患者との間で、体の状態や不安に思っていること、今後の治療方針などを共有できるようになった。それこそが野村医師が目指していた医療なのである。そして連携のとれたチームが一丸となって病気に立ち向かっていく。
B型肝炎およびC型肝炎に対する抗ウイルス治療は野村医師の得意とするところで、同院では1992年よりC型慢性肝炎へのインターフェロン治療を開始。現在までに約1,000症例以上の実績があるほか、厚生労働省科学研究(肝炎等克服緊急対策研究事業)の研究班員として各種の臨床研究にも携わっている。 また増えつつある肝臓がんに対しては「造影ダイナミックMRIと肝造影超音波検査法が有用なため、新しく検査器具を導入し、早期発見ができるような体制を整えました」というように、新規に導入された新型MRIや肝造影超音波検査装置を用いて診断。肝臓がんの早期発見のみならず、治療後の再発の早期発見にも取り組んでいる。
常に最先端の研究を怠らず、初期段階での病状を「できるだけミリ単位で逃さないようにしたい」という野村医師の思いが、そこには垣間見える。
それはウイルス性肝炎や肝臓がんだけではなく、劇症肝炎や重症急性肝炎の治療、肝硬変患者の合併症の予防や治療および栄養指導、さらには生活習慣病による脂肪肝の診断と治療なども同じで、野村医師を中心とした肝臓病センターにより幅広いサポート体制ができあがっている。

診療を受けるには

できれば予約を、加えて紹介状があれば初診時は優先診療が受けられるため、待ち時間が短くなる(通常は15分程度)。また肝臓病センターには、3名の専門医が対応しており、医師の指名は可能である。

累積症例数または患者数

C型肝炎へのインターフェロン療法導入数は、1,000例以上。B型肝炎の核酸アナログ製剤の導入数は400例以上。肝がんのラジオ波焼灼術は年間60例から80例、肝がん手術症例は約30例施行。

年間症例数

B型肝炎・C型肝炎患者は年間1,200例程度。肝疾患新患患者数は月20例から30例ほど。C型肝炎患者のインターフェロン療法導入症例数は、約80例から100例くらい。

医師のプロフィール

経歴
1980年3月 九州大学医学部 卒業
1985年11月 九州大学医学部助手
1999年4月 新小倉病院 内科部長
2005年4月 新小倉病院 診療部長
2006年6月 新小倉病院 肝臓病センター長併任
2013年4月より 九州大学医学部臨床教授を併任
所属学会・認定・資格

日本肝臓学会:肝臓専門医・指導医、日本消化器病学会:消化器病専門医・指導医、日本内科学会:指導医・認定内科医、日本消化器内視鏡学会:消化器内視鏡専門医・指導医、日本感染症学会:感染症専門医・指導医など

主な著書(編集・共著含む)

『消化器疾患 最新の治療2013-2014』(2013年 南江堂)amazonでみる⇒ 
『肝・胆・膵特集「C型肝炎のすべて2012」』
『C型肝炎のベスト治療』(2009年 医学書院)
『日本臨床2011「新時代のウイルス性肝炎」』
『Medical Practice2010:ウイルス肝炎』
『カレントテラピー2010』

予防に心がけたいこと

B型肝炎、C型肝炎は血液・体液を介して感染するので、カミソリ、歯ブラシの共用の禁止。最近では、ピアス、入れ墨、注射器の回しうちなどの不潔な行為で感染することが多い。特に、B型肝炎は感染力が強いので、患者のパートナーや子供にはワクチン接種を勧める。ちなみに一緒に風呂に入ったり、肌が触れたりして感染することはない。

費用のめやす

1型:ペグインターフェロン(PEG-IFN)約3万円(週1回皮下注)、リバビリン1日約2,600円(毎日経口投与)
テラビック1日8,500円から12,500円(毎日経口投与)で1ヵ月57,300円、これを約6ヵ月間治療する。
公費助成金制度があり、これらは年収別で月1万円か2万円の支払いとなる。
2型:ペグインターフェロン(PEG-IFN)約3万円(週1回皮下注)、リバビリン1日約2,600円(毎日経口投与)で1ヵ月約20万円、これを約6ヵ月肝治療する。2型でも同様の公費助成金制度が受けられる。