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西良浩一 医師 (さいりょうこういち)

西良浩一 (さいりょうこういち) 医師

徳島大学病院(徳島県)4病院のクチコミ
整形外科
徳島大学運動機能外科学 教授

専門

整形外科・スポーツ医学(腰痛)脊椎外科、得意分野は腰椎分離症全般・脊椎内視鏡手術・脊椎インスツルメンテイション

医師の紹介

西良浩一医師は、2000年に、徳島大学整形外科で同県初の脊椎内視鏡による椎間板ヘルニア摘出術を執刀。続いて腰椎分離症の内視鏡手術を世界に先駆けて成功させるなど、患者負担の小さい内視鏡による手術法の確立に貢献してきた。現在は、究極の脊椎内視鏡PEDによる新しい治療法の開発・確立に取り組んでいる。また、スポーツ選手の腰痛治療にも内視鏡を中心とした低侵襲治療を応用しており、多くのオリンピック選手やプロ野球選手の診断と治療を行っている。

診療内容

脊椎低侵襲手術の代表格といえる脊椎内視鏡手術は、最初に腰椎椎間板ヘルニア摘出術に応用された。この摘出術にはMED(メド)とPED(ペド)の2方法がある。
椎間板ヘルニアの手術自体は、1939年にLOVE氏が発表した「LOVE法」(従来の椎弓切除を必要としない方法)によって確立されている。このLOVE法を受ける際の患者負担をより少なくしようと、1990年代後半からエンドスコープ(内視鏡のこと)を使用した「エンドLOVE法」の開発が始まる。これがMED(Microendoscopic Discectomy)であり、1998年に日本に上陸、以後、急速に普及した。MEDは約2㎝の皮膚切開のみで行われるため、筋肉へのダメージや手術後の痛みも少ない。手術の翌日から立位歩行も可能で、2週間後からデスクワークにも復帰できる。西良医師は2000年に徳島大学病院において県内初となるMEDを成功させている。
MEDをさらに進化させたのがPEDであり、局所麻酔でMEDの半分以下の7㎜の切開で手術ができ、非常に狭い部位へも器具を挿入してヘルニアを摘出ができるというメリットがある。入院期間もMEDの7日前後に対して1日で退院でき、社会復帰も早い。このPEDは同科の取り組みが国内初であり、日本の脊椎内視鏡手術の創始者であり、世界的権威の出沢明教授(腰痛治療の名医・帝京大学医学部医学科医学部附属溝口病院整形外科教授)のもと、2003年に行われた。同院では患者の早期社会復帰を目指し最小侵襲のアプローチによる治療を行っているが、脊椎内視鏡下手術・技術認定医(日本整形外科認定)である西良医師らが中心になり、最先端治療であるPEDによる新しい治療法の開発・確立に取り組んでいる。患者は国内ばかりか海外からも来院しており、脊椎に関して外来の予約は非常に長期に待たなければならないという状況が続いている。
西良医師は脊椎内視鏡の腰椎分離症への応用についても早くから取り組み、世界に先駆けて手術を行って成功している。
腰椎分離症は繰り返される腰椎運動がもたらす疲労骨折といわれ、国民の6~8%(約1,000万人)が有しているといわれ、スポーツ選手においてはその割合が10~30%に跳ね上がる。体を後ろに反る(腰椎伸展運動)ことが多いスポーツで多いといわれてきたが、西良医師らは腰椎3次元有限要素モデルを使用した生体力学解析から、伸展に加え回旋運動により分離症を生じやすいことを明らかにした。このことは回旋運動が中心であるアイスホッケー選手にも分離症が生じることでも裏付けられる。
脊椎分離症は後屈すると痛みが強くなり、局所の棘突起部分(背骨の真ん中で触れる骨)を押すと強い痛みがある。このことから椎間板ヘルニアとは区別される。椎間板ヘルニアも同じように腰痛があるが、体を前方に曲げると腰痛が強くなり、重篤になると下肢のしびれやまひの症状が現れる。脊椎分離症ではまひ症状は生じにくい。
腰椎分離症治療の第一選択は鎮痛剤・安静(コルセット)などによる保存的治療だが、徹底した保存法でも改善が見られない場合に手術となる。手術は分離部修復術、分離部除圧術、椎間固定術の大きく3種類に分けられる。2000年には西良医師が独自に開発した手技により、日本で初めて内視鏡による分離部修復術、分離部除圧術に成功している。この分離部に生じた骨棘によって圧迫されている神経根の内視鏡下の除圧手術は世界初となり、2003年にはこの手術法はJournal of Neurosurgery(神経外科学)にテクニカルノートとして紹介され、世界的にも認められるところとなっている。また、分離症は単純レントゲンで画像診断されるが、早期の症例ではその病変が単純レントゲンには映し出されず、診断が不可能である。西良医師は早期分離症においてはMRIのT2強調画像において椎弓根が白く変化するという現象を世界で初めて発見し、早期の分離症の診断法として確立した。分離症の早期であれば、分離部をコルセットで固定することで元通り修復することができるため、早期発見が重要である。発見が遅れると骨折部が広がり、硬くなって保存的治療で骨折部が癒合せず、修復するには手術しなければならなくなる。この研究成果は2004年の国際腰椎研究会議において最優秀強調ポスター賞を受賞している。
腰部脊柱管狭窄症の除圧手術については従来、切開手術で行われていたが、西良医師は内視鏡を応用して患者の負担を大幅に軽減している。ただ、この手術は腰椎椎間板ヘルニアを内視鏡で摘出するエンドLOVE法に熟練していなければならず、エンドLOVE法よりもさらにテクニックが必要といえる。そのため、同症の除圧手術を内視鏡によって行っている施設は限られるのが現状だ。

診療を受けるには

徳島大学病院:月曜・火曜。八王子スポーツ整形外科(不定期)。銀座・東京腰痛クリニック(不定期)。

医師のプロフィール

経歴
1994年 徳島大学大学院修士・博士(医学)授与
1995年 米国アイオワ大学脊椎センター留学
1997年 帰国、徳島大学整形外科医員
1998年 同・助手
1999年 同・講師
2003年 米国オハイオ州トレド大学脊椎センター&オハイオ医学総合大学(現トレド大学医学部)整形外科留学
2006年 帰国、徳島大学大学院運動機能外科講師復職
2008年 日本整形外科学会脊椎内視鏡手術・技術認定医(後方手技)に認定
2010年 帝京大学医学部附属溝口病院 准教授
2013年11月 徳島大学運動機能外科学(整形外科) 教授
所属学会・認定・資格

日本整形外科学会整形外科専門医、日本整形外科学会脊椎内視鏡手術・技術認定医。
日本脊椎脊髄病学会脊椎脊髄外科指導医、日本脊椎脊髄病学会評議員、日本整形外科スポーツ医学会評議員および機関誌編集委員、日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会評議員、日本臨床バイオメカニクス学会評議員、日本内視鏡低侵襲脊椎外科学会世話人、日本体育協会公認スポーツドクター、日本リハビリテーション医学会臨床認定医、
国際腰椎研究会議(ISSLS: International Society of Study for the Lumbar Spine) Active Member、国際脊椎内視鏡・ナビゲーション・低侵襲手術会議(WENMISS:World Congress of Endoscopic, Navigated and Minimally Invaisive Spine Surgery) Faculty、太平洋・アジア低侵襲脊椎手術学会(PASMISS:Pacific Asia Society for Minimally Invasive Spine Surgery) Board Member

予防に心がけたいこと

腹筋、背筋は自前のコルセットとなり、鍛えることで背骨にかかる負担を軽減できる。従って背筋、腹筋を鍛えることが腰痛の治療法であり予防法となる。背筋の筋トレにはうつぶせに寝てあごを持ち上げ、5秒間静止する方法がある。これを5回繰り返す。腹筋は仰向けに寝て膝を立て、お腹を見るようにして5秒間静止し、これを5回繰り返す。普段の生活で中腰になるときや食事の時、長時間座り続けるときなどは片足を台にのせると、腰椎の湾曲が取れて楽になる。腰痛は生活習慣病と認識して放置せず、専門病院で正しい診断を受けて正しい治療を受けることが肝心である。
スポーツ外来には中学生や小学生の腰痛患者も多く、その中でも腰椎分離症は最も頻度の高い症例である。こうした成長期の腰痛患者の特徴は共通して体が硬いことがあげられる。ハムストリングス(下肢後面を作る筋肉で膝関節と股関節の2つの関節をまたぎ、骨盤の動きにも関連している)が硬いと膝や足などに障害が起こしやすくなり、とくに腰への影響が大きく、腰痛の原因となる。克服法には「ジャックナイフストレッチ」が有効である。しゃがんで足首を握り、胸と太もも前面をぴったりとつけた状態から膝を限界まで伸ばして10秒間保つ。胸と太ももが離れないように注意しながら、5セット朝と夜に行うと効果的である。ジャックナイフは折りたたみ式ナイフのことで、ストレッチの姿勢が似ていることに由来する。腰痛予防も含めて、けがや障害予防はには柔らかい体作りが大切である。また、軟骨や骨の柔らかい小学生の頃には腰椎分離症がすべり症(分離している背骨が前方にずれる)に伸展する可能性が高いので注意が必要である。ただ、背骨の発育が完了すると腰椎すべり症へ伸展することもほとんどなくなるので、正しい治療を行ったあとは自然経過を待つことも重要である。
分離症は子ども時代に生じると腰痛を併発するが、骨の成長が止まれば痛みが生じることは少ないとされている。一流のスポーツ選手の中には腰椎分離症を既往症に持つ人も少なくなく、正しい対応をすることでスポーツの分野で活躍することも十分可能である。

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