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西村理明 医師 (にしむらりめい)

西村理明 (にしむらりめい) 医師

東京慈恵会医科大学附属病院(東京都)
糖尿病・代謝・内分泌内科
診療副部長 教授

専門

1型糖尿病、小児糖尿病、持続血糖モニター(CGM)を用いた糖尿病の研究

医師の紹介

西村理明医師は、糖尿病の中でも、特に1型糖尿病、および小児糖尿病を専門とする。大学では疫学研究グループのリーダーを務め、1型糖尿病や薬物を使っていない2型糖尿病患者の血糖変動パターンに関する研究などに従事。食後高血糖による血糖値スパイクや、血糖値を継続的に測定する「持続血糖モニター」に関する第1人者であり、その効用について講演を行う機会も多い。

診療内容

西村医師の専門分野は、1型糖尿病や小児糖尿病。小児・若年者におけるインスリン抵抗性や肥満・メタボリック症候群との関連、小児期に発症した1型糖尿病の合併症や予後などに関して、臨床研究に従事してきた。アメリカのピッツバーグ大学留学から帰国後は、薬物療法を行っていない患者の血糖変動パターンを把握して論文化するほか、東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科の疫学研究グループでは、リーダーとして研究を牽引する。

持続血糖モニター(Continuous Glucose Monitoring :CGM)を用いた糖尿病の病態把握・臨床研究も、西村医師の専門分野の1つ。糖尿病治療の第一は食事と運動による生活習慣改善であるが、その次のステップとして行う薬物療法では、血糖値が下がりすぎる「低血糖」が問題となる。低血糖は、特にスルホニル尿素薬(SU薬)や、注射によるインスリン製剤を使う場合に起こりやすく、低血糖が起きていないかを継続的に監視する上で持続血糖モニターは画期的なシステムであるという。西村医師はこのシステムを用いた効果に精通する医師として広く知られている。

「HbA1cを調べれば、検査日の1~2カ月前にさかのぼって血糖値の大まかな数値を知ることができます。しかし、これだけでは不十分で、測定時の『点』の情報しか分かりません。HbA1cは平均値なので、本人も知らないうちに、夜間の低血糖や、日中の食後高血糖などを起こしていても、危険な数値がならされて埋もれてしまうのです。これに対し、持続血糖モニターでは、24時間ずっと皮膚に装着してあるセンサーに本体をかざすだけで、好きな時に血糖値が計測できます。これにより、『線』の情報が得られるようになりました。今まですぐには分からなかった血糖値が目で見えるようになった、この『見える化』がポイントです」

西村医師のもとには、同システムを実際に使用した患者から、「薬や食事、運動の前後で血糖値がどう変わるか把握して、自分の血糖値の傾向がつかめるようになり、行動を変えるコツが分かった」などの声が寄せられているという。「血糖値を測る回数が多いほど、低血糖に陥るリスクが下がると言われ、同システムを活用した血糖コントロールには高い効果があります」と西村医師は語る。

2018年11月現在、持続血糖モニターに健康保険が適応されるのは、インスリンを使用する患者のみ。西村医師は、インスリンを使っていない、つまりそれほど重度ではない人も同システムを活用できれば、検討血が乱高下する血糖値スパイクの存在に気づき、早期治療が実現するのではないか、と話す。

高血糖は、糖尿病性の腎症、網膜症、神経障害などの3大合併症に加えて、動脈硬化からくる心筋梗塞・脳梗塞、認知症、歯周病など、全身のあらゆる場所に悪影響を与える。そのため、健康診断でHbA1cや空腹時血糖値に異常がなくても、食事の前後で血糖値が大きく変動する「血糖スパイク」を起こしている可能性もあり、早めに気づいて対処することが大切だ。西村医師は講演などの機会を通じて、血糖値スパイクの危険性を警告し、健康診断で異常なしでも油断せず、食後高血糖を測る機会を持つことを勧める。

診療を受けるには

西村医師は外来では週3日ほど診療を行う。曜日によっては初診外来も担当する。詳細は病院ホームページを参照。

医師のプロフィール

経歴
1991年3月 東京慈恵会医科大学卒業
1997年3月 東京慈恵会医科大学臨床系大学院(内科)修了
1998年3月 医学博士取得
1998年12月 Graduate School of Public Health,University of Pittsburgh修了(Master of Public Health取得)
2000年4月~2002年3月 富士市立中央病院内科医長
2000年7月 Adjunct Assistant Professor,Graduate School of Public Health,University of Pittsburgh(現在も兼任)
2002年4月 東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科助手
2006年8月 同講師
2011年4月 同准教授
2017年 同教授
所属学会・認定・資格

医学博士、公衆衛生学修士
日本糖尿病学会認定専門医・研修指導医、日本内科学会総合内科専門医・内科認定医、日本糖尿病眼学会、日本内分泌学会、日本先進糖尿病治療研究会、米国糖尿病学会、欧州糖尿病学会

予防に心がけたいこと

厳格な糖質制限を試みるより、まずは食べ方の順序を変えることを推奨する。食事するときは野菜から始めて、糖質は最後にする方法(ベジタブルファースト)なら、無理なく進めやすい。糖質の重ね食い(ご飯とうどん、パンとパスタなど)や早食いなど、食後高血糖を招く食生活も避けること。
運動に関しては、カロリーを多く消費する有酸素運動を、小分けにしてもいいので続ける。あわせて、筋トレなどの無酸素運動も取り入れるといい。

費用のめやす

診療情報提供書(紹介状)があれば持参する。なくても受診は可能だが、医療費と別に「選定療養費」として別途費用の支払いが必要となる。