ドクターズガイド

藤巻高光 医師 (ふじまきたかみつ)

藤巻高光 (ふじまきたかみつ) 医師

埼玉医科大学病院(埼玉県)
脳神経外科
科長、教授

専門

顔面けいれん、三叉神経痛に対する鍵穴手術による神経減圧術と脳腫瘍の手術・集学的治療

医師の紹介

三井記念病院で「ゴッドハンド」福島孝徳医師より鍵穴手術習得の修了証を受けた、顔面痙攣・三叉神経痛の外科手術の名手。これまでにガレーヌス賞(日本脳神経外科学会奨励賞)、武田先端知計測財団研究奨励賞等を受賞。厚生労働科学研究費補助金がん臨床研究事業「悪性脳腫瘍の標準的治療法の確立に関する研究」分担研究者、放射線医学総合研究所「重粒子線がん治療臨床研究班中枢神経腫瘍臨床研究班員」としても活躍。微小血管減圧術においては、再発の少ない手術法の開発を目指している。

診療内容

最も特徴的な三叉神経痛の症状は、非常に短い一瞬の刺すような痛みを伴うもの。しばしば歯磨き、ひげそり、顔を洗う動作などが引き金となって顔に鋭い痛みが起こり、長くても数分以内で治まる。こうした症状を、特発性三叉神経痛という。三叉神経写真

「特発性」とは「原因不明」という意味だが、ここ数十年で原因不明ではないことが判明。脳幹のごく近くにおいて三叉神経が血管によって圧迫されることで、痛みが起こることがわかってきた。また、特発性三叉神経痛の患者のうち5~10%に良性脳腫瘍(類上皮腫、髄膜腫など)が発見されることもわかってきている。
原因がわからなかった時代には、特発性三叉神経痛の治療法はないと思われており、薬の投与による治療が主。現在もある程度は有効な方法とされており、てんかんの薬であるカルバマゼピンが比較的よく効く。しかし、徐々に効果が弱くなる、たくさんの薬が必要となる、薬の副作用(肝臓の障害やふらつきなど)で薬が飲めなくなる、といったことも起こり得る。麻酔科でブロック療法(一種の麻酔薬による治療)を受けるのも選択肢のひとつであるが、薬の効果が切れるたびに注入を受ける必要がある。ほか、ガンマナイフ治療という放射線治療があるが、照射線量はがんの治療に用いる量より多い。後遺症の危険もあるが、高齢者や合併症で手術麻酔が不可能な患者には選択肢のひとつである。
1960年代後半にアメリカのジャネッタ博士により考案され、標準治療になりつつあるのが「微小血管減圧術」。これは、神経を圧迫している血管を神経からはがし、圧迫を解除するというもの。神経を切るわけでも、血管を切るわけでも、脳を切るわけでもない。
手術
藤巻医師はこのジャネッタ法の改良を重ね、現在では耳の後ろの皮膚を4~5cmほど切開し、頭蓋骨に五円玉くらいの穴をあける(後に骨は元に戻して塞ぐ)だけで、精密に血管をどかせる手術を開発。一種の輸血となるフィブリン糊を術中に使用せず、骨の固定でも異物であるチタンプレートを使わない方法を最近完成。多くの患者を完治させている。手術用顕微鏡を使うもので顕微鏡の操作は細かいが、慣れた医師が行うため3時間以内で完了。内視鏡を併用することで詳細な構造を把握して手術している。通常、翌日の夕方から食事をすることができる。なお、同院の脳神経外科では、病気ごとに診療を大学病院と国際医療センターとで分担。同院では、顔面のけいれんや痛み、手足の震えやパーキンソン病・不随意運動症に対する治療の拠点として、こうした疾患に特に力を入れて診療活動をスタート。 大学病院は顔面けいれんや痛み、パーキンソン病や水頭症などの病気の治療のセンターとなっている。脳腫瘍、脳卒中、重症の頭部外傷や緊急手術を要する病気は国際医療センターで診療(藤巻医師の場合、脳腫瘍は主として国際医療センターで診療)。なお、国際医療センターは大学病院本院から車で数分の距離であり、それぞれの医師・看護師が密に連絡を取り、患者がベストの治療を受けられるように注力。診断と治療はもちろん、セカンドオピニオンの相談、リハビリテーションの相談、訪問看護の紹介まで、必要な場合は他の科とも協力して対応している。

 

診療を受けるには

初診外来は、月曜~土曜の8:30~11:00受付。なるべく診療情報を含む紹介状を持参のこと。藤巻医師の担当は、火曜・金曜の午前(新患・要予約:顔面痙攣・三叉神経痛は応相談、看護師対応)。

累積症例数または患者数

神経減圧術(三叉神経痛、顔面痙攣、舌咽神経痛):950例

年間症例数

神経減圧術(三叉神経痛、顔面痙攣、舌咽神経痛):70例

医師のプロフィール

経歴
1981年 東京大学医学部 卒業
1981年 東大病院脳神経外科研修医
1981年 関東労災病院脳神経外科
1982年 東京警察病院脳神経外科
1983年 東京都立駒込病院脳神経外科
1985年 富士脳障害研究所附属病院脳神経外科
1987年 三井記念病院脳神経外科
1990年 東京大学医学部脳神経外科
1990年 テキサス大学MDアンダーソンがんセンター客員研究員
1992年 諏訪中央病院脳神経外科主任医長
1993年 東京大学医学部脳神経外科医局長
2000年 帝京大学医学部脳神経外科講師
2008年 埼玉医科大学病院脳神経外科教授、脳神経外科科長・埼玉医科大学国際医療センター包括的がんセンター脳脊髄腫瘍科(兼担)
2016年 埼玉医科大学病院病院長補佐
所属学会・認定・資格

日本脳神経外科学会専門医・学術評議員・用語委員、日本脳腫瘍学会理事・第32回学術集会会長(2014年)、日本脳腫瘍病理学会理事、日本脳神経減圧術学会世話人・第7回会長、日本意識障害学会評議員、日本脳神経外科国際学会フォーラム世話人・第25回会長、日本がん治療認定医機構暫定指導医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、日本脳卒中学会専門医、日本癌学会、日本癌治療学会、American Association for Cancer Research、American Association of Neurological Surgeons等の会員。ほか、Samantha Dickson Research Trust (英国)Research Grant審査委員、Neuro-oncology, Journal of Neuro-oncology, Neurologia Medico-chirurugica, Clinical and Experimental Metastasis等多くの医学雑誌の論文審査委員

予防に心がけたいこと

病気そのものの発症とは直接には関係ないが、痛みの悪化要因を避ける意味で規則正しい生活習慣とストレスのコントロールは重要。三叉神経痛の場合、脳や動脈などの重大要な異常が関係している場合もあるので、まずは早期の専門医の受診が何より必要となる。

費用のめやす

110万円程度、保険適応でこの30%が自己負担であるが、高額療養費制度の対象であり、ひと月あたりの実際の負担の上限は通常10万円を越える事はない(保険の種別による)。

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