ドクターズガイド

落 雅美 医師 (おちまさみ)

落 雅美 (おちまさみ) 医師

医療法人社団葵会 AOI国際病院(神奈川県)
副理事長 心臓血管外科
顧問

専門

狭心症・心筋梗塞等の虚血性疾患、川崎病冠動脈瘤等の小児心疾患

医師の紹介

落雅美医師は、狭心症・心筋梗塞など虚血性心疾患の研究・治療を専門とする内科医と外科医が共に集い、議論を重ねて行くことをコンセプトとする『日本冠疾患学会』で前理事長を務めた。それだけに、日本医科大学附属病院・心臓血管外科では、内科医・外科医・麻酔科医がチームを組んで治療に当たり、非常に良好な手術成績をあげた。退職後は、川崎南部病院の副理事長兼心臓血管外科顧問としてサポートしている。
人工心肺を使用せず、心臓を停止させず心拍動のままで血管をつなぐ“オフポンプバイパス術”の、本邦におけるパイオニア的存在でもある。

診療内容

前「日本医科大学附属病院」時代、忘れてはならないのが、我が国の救急医療をリードする高度救命救急センターの存在である。昼夜を問わず、救急車が循環器救急患者を搬送してくる。加えて同院には、19床のベッド数を有する心疾患治療を中心とした集中治療室(ICU・CCU)があり、急性心筋梗塞や不安定狭心症などの虚血性心疾患や心不全、また急性大動脈解離など循環器救急治療を24時間体制で行っている。
「同院の集中治療室は、日本の救命救急における先駆け的存在です。我が国におけるICU・CCUの概念を築いたのが、当院なのです。当初からの特徴は、循環器内科医・心臓血管外科医・麻酔科医が合同で診療体制を組み、それぞれが非常に密接に連携することで集中治療を行うことです。非常に重症な患者さんも数多く収容されますが、緊急カテーテル検査やカテーテルインターベンションに加えて、冠動脈バイパス術や大動脈手術も緊急体制を組んでいつでも施行可能な状況にあります。その流れは、40年以上も経った今日に至るまで、脈々と受け継がれています。お陰で、当院の心臓血管外科、循環器内科、麻酔科には垣根がありません」同院の心臓血管外科部長であった落雅美医師は、そう言って胸を張った。
同院での循環器治療は常に、循環器内科を中心として心臓血管外科と麻酔科が入るチーム医療体制で行われているのである。
「ここ5~6年はさらに進化して、麻酔科と心臓血管外科の合同による術後管理チームが機能するようになりました。心臓血管外科の術後はすべてそのチームが診ます。麻酔科医が得意とするのは、術後管理のなかでも呼吸器の管理です。我々外科医は手術に専念し、いい手術さえすれば、あとは麻酔科を中心とした術後管理チームがしっかりと診てくれるというわけです。この体制になってから、術後に呼吸器のトラブルでたとえば肺炎を起こすとか、いったんいい状態になった患者さんが再び呼吸不全になってしまうというようなトラブルが本当になくなりましたし、術直後の重傷な呼吸不全でも非常にいい経過で回復させられるようになりました。治療成績は非常にいいです。よその病院では、いまでも外科医が術後を見ているところが多いのですが、今後は、当院のような体制が広まっていくと思っています」(落医師)
術後管理以外にも、さらにいいことがある。
「専門医がチームを組んで治療にあたることは、非常に的を射た医療が出来るということでもあります。外科医だけじゃない、内科医だけで決めているわけでもない。麻酔科医や看護師も入って、ベストの治療法を検討することで、最良の医療ができるのです」(落医師)
一方で落医師は、人工心肺を使用せず、心臓を停止させず心拍動のままで血管をつなぐ“オフポンプバイパス術”のパイオニアとしても知られている。オフポンプバイパス術は人工心肺を使用しないため、人工心肺に起因する合併症、特に脳梗塞などの脳合併症を少なくすることが可能で、特に80才以上の高齢の患者や様々な余病をお持ちの患者には特に有用な手術法だ。同科では、年間約100例の冠動脈バイパス術のほとんどすべてをオフポンプ手術で行っている。落医師の複雑な手技と高い技量、密接な連携によるチーム医療が絶妙に支え合うことで、同科は多くの患者の命を救っているのである。
「学生時代に受けた講義に感動し“心臓”が好きになってこの道に進みました。“心臓に恋をして〇十年”です。当時の心臓外科のレベルを思うと今日までの進歩は驚くべきものがありますが、それでも患者さんは命がけの気持ちで手術を受けられます。私も命を賭ける気持ちで手術に臨むことを気構えとしています」(落医師)
現在は、退職され川崎南部病院の副理事長を務める傍ら心臓血管外科顧問として科をサポートしている。

累積症例数または患者数

冠動脈バイパス術は2,500例以上

年間症例数

冠動脈バイパス術は約100例弱

医師のプロフィール

経歴
1975年 日本医科大学卒業
1975年12月 日本医科大学第三外科入局
1976年9月~1979年10月 東京女子医科大学麻酔科および第二病院(現東医療センター)心臓血管外科に国内留学
1979年11月 日本医科大学付属病院胸部外科助手
1985年1月~1990年6月 会津若松市会津中央病院心臓血管外科部長
1990年7月 日本医科大学付属病院胸部外科助手
1993年4月 日本医科大学第二外科講師
1996年4月 日本医科大学第二外科助教授
2003年6月 日本医科大学付属病院心臓血管外科部長
2004年4月 日本医科大学外科学講座・心臓血管外科教授
2014年3月31日をもって日本医科大学を定年退職
2014年4月 医療法人社団葵会 川崎南部病院 副理事長・心臓血管外科顧問
所属学会・認定・資格

【所属学会】日本外科学会、日本胸部外科学会、日本心臓血管外科学会、日本循環器学会、日本冠疾患学会(前理事長)、日本脈管学会、日本血管内治療学会、Asian Society of Cardiovascular Surgery

【資格】日本外科学会指導医、日本胸部外科学会指導医、日本心臓血管外科学会専門医、日本循環器学会専門医

予防に心がけたいこと

生活習慣の改善は必須。たとえば禁煙の励行、糖尿病があれば治療する、肥満は解消し、血圧が高ければ下げる努力を。