ドクターズガイド

若槻明彦 医師 (わかつきあきひこ)

若槻明彦 (わかつきあきひこ) 医師

愛知医科大学病院(愛知県)23病院のクチコミ
産科・婦人科
主任教授、部長

専門

女性医学、周産期医学、腹腔鏡下手術、ホルモン療法(ピル、エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤、黄体ホルモン、Gn-RHアナログなど)

医師の紹介

女性医学の中でも、とくに女性のホルモン療法については1990年代から数多くの研究を行ってきた。多数の欧文著名論文を報告し、世界的にも注目されている。子宮筋腫や子宮内膜症のホルモン療法ではピルや黄体ホルモン、GnRHアナログ療法、閉経後のホルモン補充療法等も専門とする。
診療科の手術数は年間約1000症例。そのなかで腹腔鏡下手術は年間約450症例で、対象疾患は子宮筋腫、子宮内膜症が中心であるが、子宮体がんの腹腔鏡下手術や現在、先進医療として認められている子宮頸がんに対する腹腔鏡下広範子宮全摘術も行なっている。

診療内容

子宮内膜症は若い女性の10人に1人で約200から300万人存在すると推定されています。主な症状は月経痛と子宮周囲の癒着による不妊です。子宮内膜症は炎症性疾患であり、エストロゲン依存症であるので、20~30歳代に発症すると、閉経まで数十年間炎症が持続する事になります。
クラミジアニューモニア肺炎や齲歯(うし)などの慢性炎症性疾患は将来の心血管疾患リスクであるため、子宮内膜症を慢性炎症性疾患と捉えれば、同様に将来の心血管疾患リスクになる可能性がある。実際にJapan Nurses’ Health Studyでの調査で子宮内膜症は閉経後、心血管疾患のリスクになる可能性が示されています。「このようなことから考えて、子宮内膜症を治療する場合、心血管疾患のリスクの観点からもアプローチする必要があるといえます」(若槻医師)
子宮筋腫も子宮内膜症と同様に、性成熟期女性のなかで頻度の高い疾患で、その症状は、月経過多やそれに伴う貧血があり、若年女性では不妊症や流産、早産の原因ともなっています。
子宮筋腫や子宮内膜症の薬物治療として、ホルモン療法があります。ピル、黄体ホルモン、GnRHアナログなどです。GnRHアナログは、エストロゲン濃度を著明に低下させるため、子宮内膜症の病巣や子宮筋腫のサイズも縮小します。「しかし我々が検討した結果によると、GnRHアナログの長期間使用には注意が必要です」(若槻医師)
GnRHアナログの長期使用によって、更年期障害や骨塩量低下のみならず、糖・脂質異常や血管内皮障害を惹起して心血管疾患のリスクがあるといいます。ピルには様々な種類があるが、含有する黄体ホルモンの種類によって、糖・脂質異常や血管内皮障害など、心血管疾患のリスクへの影響が異なることも若槻医師らの検討により明らかになっています。従ってホルモン療法を行う際には、月経痛や月経過多などの症状緩和の目的のみならず心血管疾患リスクの観点からも考慮する必要があるといえます。手術療法として、最近は開腹しない腹腔鏡下手術が主流になりつつあり、腹腔鏡下手術のメリットは開腹手術に比較して、傷が小さい、腹腔内の癒着が少ない、後の疼痛が少ない、早期退院・早期社会復帰が可能となる等が挙げられます。
同院では、総手術数は年間約1000症例。腹腔鏡下手術は約450症例で、そのほとんどは子宮筋腫と子宮内膜症です。一般的には腹部に3カ所の0.5~1.2cm程度の切開創で手術を行うが、同院では1カ所のみの切開で行う単孔式での腹腔鏡下手術も行っています。
子宮筋腫は、子宮温存の場合には腹腔鏡下筋腫核出術を、摘出の場合には腹腔鏡補助下膣式子宮全摘術を行います。子宮内膜症の場合でチョコレートのう胞のある場合には、腹腔鏡下のう胞摘出術と癒着剥離術などが中心となります。
同院では、良性疾患に限らず子宮体がん患者を対象に、子宮摘出とリンパ節郭清を行う腹腔鏡下子宮体がん根治手術をおこなっており、現在、先進医療として認められている子宮頸がんに対する腹腔鏡下広範子宮全摘術も行なっています。一般的に子宮体がんや頸がんの手術の場合、腹部切開創は恥骨上から臍上までに至るが、同院で行う手術では1.2cmが3カ所、0.5cmが1カ所の切開創のみであり、術後の疼痛は極めて少なく、開腹は非常に早いのが特長です。

診療を受けるには

初診受付時間は、8:30~11:30。初診の場合は紹介状を持参。あらかじめ連携センターで予約をとった方が待ち時間が少ない。この場合の初診の待ち時間は約1時間程度。

累積症例数または患者数

[個人]総手術数 3,500例以上、腹腔鏡下手術 1,500~2,000例

年間症例数

[施設]総手術数約1,000例/年間、腹腔鏡下手術 約450例/年間

医師のプロフィール

経歴
1984年 愛知医科大学 卒業
1984年 高知医科大学医学部付属病院産婦人科研修医
1986年 高知医科大学医学部付属病院産婦人科助手
1989年~1991年 米国アーバインカリフォルニア大学リサーチフェロー
1995年 高知医科大学医学部付属病院周産母子センター講師
2001年 高知医科大学医学部付属病院周産母子センター助教授・副部長
2004年 高知大学医学部生体機能・感染制御学講座生殖・加齢病態学教室助教授
2005年 愛知医科大学産婦人科学教室主任教授
2011年 愛知医科大学病院副院長
2014年 愛知医科大学副学長

1999年:第4回ノバルテイスメノポーズアワード受賞
2001年:平成12年度高知信用金庫・高知安心友の会学術賞受賞
2003年:第18回日本更年期医学会 学会賞受賞
2007年:日本産婦人科学会best reviewer award 2006
所属学会・認定・資格

日本産科婦人科学会専門医・指導医・代議員、日本女性医学学会認定女性ヘルスケア専門医・指導医・理事、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医・理事、日本内視鏡外科学会技術認定医、日本周産期・新生児医学会暫定代表指導医、日本周産期・新生児医学会新生児蘇生法「専門」コースインストラクター、日本動脈硬化学会認定指導医・評議員、日本妊娠高血圧学会・理事、日本生殖医学会、日本産科婦人科栄養代謝研究会・理事、エンドメトリオーシス研究会、日本性差医療・医療学会・理事、日本産婦人科乳癌学会・理事、婦人科骨粗鬆症研究会・理事、日本心血管内分泌代謝学会、日本癌治療学会、日本癌学会、日本婦人科腫瘍学会、中部出生前医療研究会、日本化学療法学会、日本臨床細胞学会

1999年:第4回ノバルテイスメノポーズアワード受賞
2001年:平成12年度高知信用金庫・高知安心友の会学術賞受賞
2003年:第18回日本更年期医学会 学会賞受賞
2007年:日本産婦人科学会best reviewer award 2006

主な著書(編集・共著含む)

『HCV/Oxidative Stress and Liver Disease』(Springer-Verlag)
『Melatonin』(Caldinali Landes Bioscience)
『Vascular disease prevention』(Bentham Science Publishers)
『Focus on Hormone Replacement Research』(Nova Science Publishers)
『図説産婦人科VIEW-21』(メデイカルビュー社)
『合併症妊娠』(2011年メデイカ出版)amazonでみる⇒ 
『これならわかる産科学』(2010年 南山堂)amazonでみる⇒ 
『婦人科ナーシングプラクティス』(2009年 文光堂)amazonでみる⇒ 
『病気がみえる 婦人科・乳腺外科』(2009年メディックメディア)amazonでみる⇒ 
『メタボリックシンドロームディクショナリ -健診・保健指導のための知っておきたいキーワード-』(2009年 診断と治療社)amazonでみる⇒ 
『新・心臓病診療プラクティス 心血管イベントのリスクファクターとその管理』(2009年 文光堂)amazonでみる⇒ 
『臨床栄養医学』(2009年 南山堂)amazonでみる⇒ 
『ガイドライン外来診療2008』(2008年 日経メディカル開発)amazonでみる⇒ 
『産婦人科学テキスト』(2008年 中外医学社)amazonでみる⇒ 
『プライマリケア産婦人科ベッドサイドで役立つ30症例』(2007年 金芳堂)amazonでみる⇒ 
『必携 女性の医療学-外来で役立つ実践ガイド-』(2007年 永井書店)amazonでみる⇒ 
『産科合併症』(2006年メデイカ出版)amazonでみる⇒ 
『臨床エビデンス 産科学』(2006年メジカルビュー社)amazonでみる⇒ 
『研修医/コ・メデイカルのための中高年女性医学入門』(2003年 医薬ジャーナル社)amazonでみる⇒ 
『新女性医学大系30【胎児胎盤機能評価】』(2002年 中山書店)amazonでみる⇒ 
『新女性医学大系3【エージングと身体機能】』(2001年 中山書店)amazonでみる⇒ 
『新女性医学大系21【更年期,老年期医学】』(2001年 中山書店)amazonでみる⇒ 
『新女性医学大系24【妊娠中毒症】』(2001年 中山書店)amazonでみる⇒ 
『タイムテーブルにもとづいた産後の保健指導マニュアル』(1997年 メディカ出版)amazonでみる⇒ 
『検査の読み方とその実践』(1996年 医歯薬出版)amazonでみる⇒ 
『更年期外来』(メジカルビュー社)amazonでみる⇒ 
『看護のための最新医学講座』(中山書店)amazonでみる⇒ 
『今日の診断指針』(医学書院)
『ダイナミックメデイシン』(中山書店)amazonでみる⇒ 
『別冊・医学の歩み 糖尿病・代謝症候群』(医歯薬出版)
『新しい診断と治療のABC 13』(最新医学社)

費用のめやす

●子宮筋腫 
腹腔鏡下子宮筋腫摘出(核出)術。前日入院、術後5~7日で退院の場合。3割負担で、医療費が28万円程度。
腹腔鏡補助下腟式子宮全摘術。前日入院、術後5~7日で退院の場合、3割負担で、医療費が28万円程度。
●卵巣腫瘍、卵巣嚢腫、チョコレート嚢胞
子宮附属器腫瘍摘出術(両側)腹腔鏡下によるもの。前日入院、術後5~7日で退院の場合、3割負担で、医療費が21万円程度。
●子宮体癌
腹腔鏡下子宮体がん根治手術、3割負担で、医療費が41万円程度。

上記については、高額療養費制度が適応されます。

●子宮頸癌
先進医療 腹腔鏡下広汎子宮全摘術 
自己負担額 約70万円から94万円
(内657,507円は、自由診療の為、高額療養費制度は適応されません。)
上記の金額には室料などの保険外負担分や食事代は含まれておりません。