ドクターズガイド

糸井隆夫 医師 (いといたかお)

糸井隆夫 (いといたかお) 医師

東京医科大学病院(東京都)62病院のクチコミ
消化器内科
主任教授

専門

膵がん、胆道がん、胆管結石、乳頭部腫瘍、術後吻合部胆管・膵管狭窄

医師の紹介

膵・胆・肝疾患全般に精通するエキスパート。膵がん、急性膵炎、急性胆管炎・胆嚢炎などのガイドライン作成・改訂委員の1人であり、手術不能の進行膵がんへの抗がん剤治療にも詳しい。内視鏡を用いた治療に関しては特に専門性が高く、壊死性膵炎後の後期合併症(WON)をはじめとして、かつての外科的手術から、低侵襲な内視鏡治療を普及させるべく尽力してきた。国内だけでなく海外でも、実際に治療を行いながらの講演を行う機会が多く、グローバルに活躍する医師である。

診療内容

膵がんは、がんの中でも治りにくく生存率が最も低いがんである。がんが膵臓内に留まっている状態なら手術で取りきるのがベストだが、近年は抗がん剤の進歩もめざましい、と糸井医師は話す。
「現在のところ、治療の第一は外科手術です。しかし、膵がんは進行してから発見されることが多いため、その時点で手術できるのは7割に過ぎません。近年、新しい抗がん剤が使えるようになり、手術できない膵がんの治療成績が向上するようになりました」(糸井医師)。
ここでいう抗がん剤とは、2000年以降に保険適応が認められたゲムシタビンやTS1で、暗黒だった治療に光が差すようになったという。現在では、ナブパクリタキセルとゲムシタビンを用いる2剤併用や、folfirinoxという強力な治療も加わり、大きく改善が見られている。
だが、治療薬が進化したとはいえ、オプジーボのような免疫チェックポイント阻害剤は膵臓にはまだ効かないとされる。「膵臓は血液が豊富ではない腫瘍なので、悪性黒色腫や肺がんの小細胞がん・幹細胞がんのように、造影検査をしても血管が染まりません。血中に抗がん剤を入れても届かないのです。血流の豊富な腫瘍と比べて、薬剤が届く確率が圧倒的に少ないのも、膵がんが治りにくい原因の1つです。膵がんは特殊な性格を持つので、まだ簡単には治療できそうにありません」。

糸井医師が所属する東京医科大学消化器内科は、膵がんに対する高密度焦点式超音波治療(HIFU)や、ナノナイフなどの治療において日本有数の実績を誇っている。高難度かつ低侵襲な消化管・胆膵内視鏡治療や超音波内視鏡治療も積極的に行っており、この分野で世界をリードしている点も大きな特色だ。「高密度焦点式超音波は、強力な超音波でがんを照射する治療です。ナノナイフも当院でよく行う治療の1つです。あらゆる治療をもってしても完治が難しいのが膵がんで、今後も各種治療が試されていくものと思われます」(糸井医師)。

糸井医師は、膵がん、肝臓がん、十二指腸がん、胆石、膵石など、膵胆肝に関わる疾患全般を診療するが、特に専門とするのが、胆道・膵臓疾患の内視鏡治療だ。同大学の内視鏡治療は世界でもトップクラスの技術を誇り、「ここでしかできない治療がたくさんあります」と糸井医師は語る。その技術を学ぶために、日本中、あるいは世界中から医師が勉強にやってくるほどだ。
「膵がんの抗がん剤治療はガイドラインがあり、全国の病院で治療を受けることができます。でも、内視鏡などの技術については、全国の医師が高い技術を持つのは難しいのではないでしょうか。当院では内視鏡治療の技術を構築し、後輩の医師も対応できるように訓練しています」(糸井医師)。
手術のクオリティの高さ、そして難治例に対してどこまで治療できるかという観点から、同院の消化器内科は圧倒的な専門性を持つ。もちろん医療機器も最新のものを完備。低侵襲治療を希望して、日本のみならず世界からも数多くの患者が受診するという。

糸井医師は、後進の育成にも精力的だ。「大学病院は人材育成の場の最たる機関です。将来の医療を担う、世界に通用する一流の消化器内科医を育てる使命があります」(糸井医師)。ゆくゆくは、患者も、医師もコメディカルも、すべての人がWin-Win-Winでいられる、そんな医局づくりをめざすという。

診療を受けるには

糸井医師の外来担当は、木曜の午前、金曜の午後
高度医療を提供する特定機能病院であるのため、原則として他の医療機関からの紹介状(診療情報提供書)が必要

医師のプロフィール

経歴
1991年 東京医科大学卒業
1991年~1997年 東京医科大学大学院(単位取得)
1991年~2001年 東京医科大学病院 消化器内科 臨床研修医、臨床研究医
1993年~1995年 新潟大学 第一病理学教室(国内留学)
2001年~2006年 東京医科大学病院 消化器内科 助教
2005年~現在 昭和大学北部病院 消化器病センター 兼任講師
2006年~2009年 東京医科大学病院 消化器内科 講師
2009年~現在 国立がんセンター中央病院 (現国立がん研究センター中央病院)内視鏡部非常勤職員
2009年~2016年 東京医科大学病院 消化器内科 准教授
2010年~現在 中国南京医科大学 客員教授 無錫人民医院 消化器内科 名誉主任
2011年~現在 筑波大学 光学診療部 非常勤講師
2013年~2016年 慶應義塾大学 消化器内科 特任准教授(非常勤)
2015年~現在 東京医科歯科大学 消化器内科 客員教授・臨床教授
2016年~現在 慶應義塾大学 消化器内科 客員教授
2016年~現在 東京医科大学病院 消化器内科 主任教授
所属学会・認定・資格

【認定資格】
米国消化器内視鏡学会フェロー(FASGE)、Fellow of American College of Gastroenterology (FACG)、日本消化器病学会 専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会 専門医・指導医、日本内科学会 認定医・指導医、日本がん治療認定医機構 がん治療認定医、厚生労働省臨床修練指導医
【所属学会】
日本消化器病学会 評議員、日本消化器内視鏡学会 評議員、日本超音波医学会、日本内科学会、日本胆道学会 評議員、日本膵臓学会 評議員、日本癌学会、日本癌治療学会、日本臨床腫瘍学会、日本胃癌学会、アメリカ消化器内視鏡学会(ASGE)、ヨーロッパ消化器内視鏡学会(ESGE)、国際膵臓学会(IAP)
【その他】
日本膵臓病研究財団 評議員、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA) 専門委員、急性胆管炎・胆嚢炎ガイドライン改訂出版委員会 委員、急性膵炎ガイドライン改訂出版委員会 委員、膵癌診療ガイドライン改訂委員会 委員、小児内視鏡ガイドライン 委員、EST診療ガイドライン 委員、肝門部胆管癌取扱い規約委員会 委員、膵癌取扱い規約委員会 委員

予防に心がけたいこと

膵がんの原因はまだ明確にわかっていないが、一般的には喫煙や、アルコール・肉類・脂肪などの過剰摂取、野菜・果物・緑茶の不足などが原因となりやすいとされる。食生活以外にも、肥満や運動不足、ストレスも膵がん発生に関連があると言われるので注意したい。
また、慢性膵炎や糖尿病のような病気がある人は、病気を持たない人の2~4倍も膵がんを起こす可能性がある。遺伝性膵がんも確認されており、2親等以内に膵がんの人がいる場合は10~20倍も膵がんにかかりやすい。膵がんは早期発見が難しいため、気になる人は、一般の健康診断や人間ドックを受診する際、オプションで腫瘍マーカーや腹部エコー検査を付けるとよい。

費用のめやす

保険診療

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