ドクターズガイド

稲田泰之 医師 (いなだやすし)

稲田泰之 (いなだやすし) 医師

医療法人悠仁会 稲田クリニック(大阪府)
院長 心療内科
北浜クリニック(大阪府)
院長 心療内科

専門

パニック障害など不安障害、うつ病、精神科リエゾン、臨床薬理、産業精神保健

医師の紹介

稲田泰之医師は2003年より8年間、大阪医科大学附属病院精神科でパニック障害専門外来を担当し、診断と治療を通してこの病気の啓発に努めた。稲田医師らの活動もあり、パニック障害は広く認知されるようになり、現在では一般診療科の医師からパニック障害の疑いがある患者が以前より早い段階で専門医に紹介されてくるようになった。薬物療法と認知行動療法組み合わせた治療効果は高く、患者からの信頼も厚い。また、発作の自己管理を行うためのセルフモニタリングシステムという画期的なシステムも開発した。

診療内容

パニック障害など精神的な疾患の場合は、診察室に入る前から患者と病気との戦いが始まっている。専門医は当然、そのことを理解し、治療に応用しているのだが、稲田医師の場合はより徹底している。というのも、クリニックを開設する際、ビル選びの段階から「敷居の低いクリニックにしよう」と意識したというのだ。多くの患者が精神科のクリニックに入ることを躊躇する傾向にある。そこで医療と関係のない料理教室などが入る雑居ビルを選んだ。これにより入りやすくしているのだ。さらに心療内科・精神科に行きやすい環境を作るために皮膚科を併設している点も見逃せない。専門病院よりも敷居が低くなるからだ。また、精神に不安を持っている場合には、電話をかけられないという人もいる。そういう患者のためにメールでの予約も受け付けているという徹底ぶり。こうして患者が不安なく治療を受けるためのサポートを二重三重にしているのが、同院の大きな特徴だ。
治療のスタートは、患者にこの病気のことを認識してもらうことからはじまるという。
「パニックの発作は耐え難いほどつらいものですが、それが生命に危険を及ぼすものではないと説明するところから治療ははじまります。発作が起きた時には不安でしかたがないけれども、その状態は長くは続かないということを頭で理解し、何度かその状況を乗り越えていくことで次第に発作の回数が減ったり、不安の度合いが小さくなっていったりします」(稲田医師)
文字にして書くと簡単だが、パニック障害の発作はなくなったかと思うと突然やってきたり、長期間にわたって何度も苦しめられたりするため、なかなか改善せず焦燥感にさいなまれる患者も多い。そこで稲田医師が開発した画期的なシステムがある。
それがセルフモニタリングシステムというものだ。これは実際に同院で治療を受けている患者が使っているもので、発作が起きた時に同システムを使って発作が起きた場所、状況、強さ、症状などを記入してメールで送信することで、発作の自己管理をおこなうというものだ。
パニック障害という疾患の性格上、発作を自己管理するという行為はとても意味があり、またこの送信履歴を受診時に見せてもらうことで、治療にもおおいに役立っていると稲田医師は語る「現在はパニック障害だけでなく、うつ病、社交不安障害、強迫性障害への対応できるように改良し、ホームページ上で当院以外の通院患者さんにも利用できるようにしています」
ひとりでも多く不安の苦しみから解放してあげたい。その思いから新たな取り組みに余念がない稲田医師に寄せる期待は大きい。

診療を受けるには

予約必要。待ち時間短縮のため再診・予約優先制。初診時待ち時間30分~90分程。紹介状は可能であれば持参。医療機関通院中の場合、お薬手帳・内服薬のわかるものを持参。

累積症例数または患者数

過去10年間で約8000人。10代の後半から更年期世代が多く平均年齢は40歳前後。ストレス関連疾患が多く、うつ病、適応障害、パニック障害、社交不安障害などの気分障害・不安障害の患者が90%を占める。

年間症例数

年間700人程度。月にするとパニック障害が150人、社交不安障害が100人程度。

医師のプロフィール

経歴
1992年3月 大阪医科大学 卒業
1994年7月 大阪医科大学神経精神医学教室助手
2002年4月 大阪医科大学附属病院 精神神経科 外来医長・リスクマネージャー
2005年7月 大阪医科大学神経精神医学教室 講師
2005年9月 稲田クリニック  開設 
2007年5月 医療法人 悠仁会 理事長
2015年11月 北浜クリニック 開設
所属学会・認定・資格

日本総合病院精神医学会(一般病院連携精神医学専門医)専門医・指導医、日本精神神経学会専門医・指導医、日本総合病院精神医学会評議員、日本不安障害学会評議員など

予防に心がけたいこと

パニック傷害の発作はカフェインに誘発されることが多いため、カフェインが含まれている飲料や薬剤を控えることが大切である。また予期不安のために外出を控えるのではなく、発作が起きても乗り越えられる対処行動を見つけ、行動範囲を狭めないようにする工夫が必要だ。

費用のめやす

保険診療で受信可能。初診時に甲状腺機能などの病気を除外するための血液検査を受けるケースで6,000円程度。不安障害・気分障害の方の一般的な治療の費用は初診時で3,000円前後。(薬代別)