ドクターズガイド

秋穂裕唯 医師 (あきほひろただ)

秋穂裕唯 (あきほひろただ) 医師

北九州市立医療センター(福岡県)
消化器科
主任部長

専門

食道、胃、十二指腸、小腸、大腸疾患、消化管がん、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患

医師の紹介

秋穂裕唯医師は、消化器内科主任部長として食道・胃・十二指腸・小腸・大腸の疾患、IBS・消化管がん・炎症性腸疾患の診療に当たる。機能性消化管疾患に関し2011年度から日本消化器病学会機能性消化管疾患診療ガイドライン-IBS委員会・作成委員会委員、2014年度から日本消化器病学会附置研究会・便秘症診療ガイドライン作成委員としてエビデンスに基づく診療ガイドラインの作成に従事している。炎症性腸疾患に関しては新規治療薬の治験を行っている。

診療内容

消化器科では、午前中に上部およびS状結腸までの大腸内視鏡検査、超音波内視鏡検査,消化管X線検査、午後からは大腸内視鏡検査、治療内視鏡(粘膜下層剥離術、粘膜切除術、超音波内視鏡下穿刺吸引生検、ポリペクトミー、ステント留置術、総胆管結石除去術、アルゴンプラズマ凝固法、食道静脈瘤硬化療法ほか)を毎日行っている。絶食で来院した場合は、可能な限り当日に上部消化管内視鏡検査を行う。「丁寧な内視鏡検査」を心がけており、2011年からは大腸内視鏡検査は全例CO2送気で行い、患者の苦痛の軽減に努めている。
消化管のがんでは、診断の後、必要に応じて内視鏡・抗がん剤による治療を行う。秋穂医師は「消化管のがんは早期に発見されると完治可能」と言う。
同科では、2001年から早期胃がんを内視鏡で切除する「内視鏡的胃粘膜下層剥離術(ESD)」を開始。胃のESDで重要な範囲診断も、NBI拡大内視鏡、酢酸インジゴカルミン散布法の併用により確実なものにしている。また、多くの最新機器を的確に使い分けることで、短時間でがんを確実に切除し、合併症を最小限に抑えている。これらの処置にはクリニカルパスを使用し、質の高いチーム医療の確立、治療の標準化、在院日数の短縮を図っている。2001年から2016年12月までに施行した胃のESDは1,700例以上。食道のESDは392例、大腸のESDは754例を経験。これは九州地区でトップクラスの数字だ。また、消化管悪性腫瘍の化学療法を年間100例以上行なっている。可能な限り外来化学療法室と連携して治療を行ない、患者のQOLの向上を第一に考えている。
炎症性腸疾患(IBD)は外来を中心に潰瘍性大腸炎年間約140例、クローン病年間約70例を診療している。同院には小児科があり、小児発症例も多数診療。生物学的製剤により、絶食・TPN管理で長期入院を要するIBD患者は減少している。他の生物学的製剤も次々に開発され、その治療効果に手ごたえを感じている。(接着分子阻害剤、抗IL-12/23R抗体、JK阻害剤)
過敏性腸症候群(IBS)に関しては、原因としてストレス、神経の関与が考えられていたが、近年、腸管局所の免疫系の異常が原因となる事が明らかとなってきた。
秋穂医師は1999年よりIBS研究の中心であるカナダのマクマスター大学コリンズ教授の下、博士研究員としてIBSの研究を始め、学会、英文誌にIBSにおける免疫担当細胞、サイトカインの関わりについて発表してきた。帰国後、九州大学第3内科消化器研究室に帰室し、この研究を現在も続けている。2011年度より日本消化器病学会IBSガイドライン委員会作成委員に選出され、2014年4月にエビデンスに基づくガイドラインが出版された。

診療を受けるには

診察時間は、初診受付時間:8:00~11:00まで。初診時には原則、予約をして紹介状を持参する必要がある。待ち時間は約1時間。秋穂医師を指名して診察を受けることができる。

累積症例数または患者数

外来患者:1日平均患者数 72.0人 紹介率93% (2015年度)

年間症例数

病棟: 1日平均47.1人、在院日数12.2日(2015年度)

医師のプロフィール

経歴
1989年 高知医科大学医学部卒業、九州大学第3内科入局
1997年 九州大学医学博士授与 Gastroenterology 109: 1105-1112, 1995
1999年 カナダマクマスター大学博士研究員(消化器内科学)
2002年 麻生飯塚病院消化器内科医長
2004年 九州大学病院 第3内科消化器研究室 助手、助教、講師を経て
2011年 北九州市立医療センター 消化器内科主任部長
所属学会・認定・資格

日本消化器病学会(専門医、指導医、指導医責任者、評議員、IBSガイドライン委員、慢性便秘ガイドライン委員)、日本内科学会(認定医、臨床指導医)、日本消化器内視鏡学会(専門医、指導医、指導施設代表者、評議員)、日本消化管学会(胃腸科認定医、専門医、指導医、指導施設代表者)、米国消化器病学会、臨床研修指導医、難病指定医、日本がん臨床試験推進機構JACCRO

主な著書(編集・共著含む)

Akiho H, Yokoyama A, Abe S, Nakazono Y, Murakami M, Otsuka Y, Fukawa K, Esaki M, Niina Y, Ogino H.
Promising biological therapies for ulcerative colitis: A review of the literature.
World J Gastrointest Pathophysiol 2015 November 15; 6(4): 219-227.

Akiho H, Tokita Y, Nakamura K, Satoh K, Nishiyama M, Tsuchiya N, Tsuchiya K, Iwakura Y, Ihara E, Takayanagi R, Yamamoto M.
Involvement of interleukin-17A-induced hypercontractility of intestinal smooth muscle cells in persistent gut motor dysfunction. PLoS One 2014 May 5;9(5):e92960.

Akiho H
Effects of herbal medicines in patients with irritable bowel syndrome.
Jornal of Gastroenterology and Hepatology Research 2013 21(2):387-390.

Ogino H, Akiho H
Usefulness of percutaneous endoscopic gastrostomy for supportive therapy of advanced aerodigestive cancer. World J Gastrointest Pathophysiol 2013:Nov 15;4(4):119-125.

Akiho H
Constipation and Irritable Bowel Syndrome: Causes, Treatments and Prevention.
The role of serotonin in irritable bowel syndrome.
2012:109-121 Nova Science Publishers, Inc.

Honda K, Akiho H
Endoscopic submucosal dissection for early esophageal neoplasms.
World J Gastrointest Pathophysiol 2012 April 15; 3(2): 44-50.

Akiho H, Ihara E, Motomura Y, Nakamura K.
Cytokine-induced alterations of gastrointestinal motility in gastrointestinal disorders.
World J Gastroenterol Pathophysiol 2011 Oct 15; 2(5): 72-81

Akiho H, Nakamura K:
Daikenchuto ameliorated muscle hypercontractility in a murine T-cell-mediated persistent gut motor dysfunction model.
Digestion 2011 83(3):173-179

Akiho H, Deng Y, Blennerhassett P, Kanbayashi H, Collins SM:
Mechanisms underlying the maintenance of muscle hypercontractility in a model of post-infective gut dysfunction.
Gastroenterology 2005 129(1):131-141

秋穂裕唯、麻薬などの薬物性便秘患者への対処の基本 臨床医のための慢性便秘マネジメントの必須知識 医薬ジャーナル社 2015:170-175.

秋穂裕唯、中村和彦 IBSの薬物療法 日本消化器病学会誌 2014;111:1353-1358.

秋穂裕唯 IBSの診断基準と確定診断へのプロセス 消化器の臨床 2014;17(5):417-422

秋穂裕唯 IBSと炎症 消化器の臨床 2013 16(1):25-30.

腹部症状とセロトニン GI research 19(6): 567-574, 2011
活性化T細胞が引き起こす腸管運動の停滞に大建中湯が効(2011年 日経メディカル)
その他多数

予防に心がけたいこと

食道がん:アルコール常習者でアルコールを飲んで顔が赤くなる人は2型アルデヒド脱水素酵素の働きが弱く、食道がんに罹患しやすいことがわかりました。全く症状が無くても精査内視鏡が行なえる施設での検査をおすすめいたします。
食道がん:アルコール常習者でアルコールを飲んで顔が赤くなる人は2型アルデヒド脱水素酵素の働きが弱く、食道がんに罹患しやすいことがわかりました。全く症状が無くても精査内視鏡が行なえる施設での検査をおすすめいたします。
胃がん:ほとんどの胃がんはヘリコバクター・ピロリ菌が原因です。ピロリ菌の検査を行い、陽性者は除菌を検討してください。
大腸がん:食事の欧米化により増加傾向です。50歳を過ぎたら大腸の検査をしてください。
過敏性腸症候群(IBS):良性の疾患です。腹痛、便通異常のある方は、まず医療機関を受診し悪性疾患の除外をしてください。
過敏性腸症候群の診断がついたら、規則正しい食事、排便、睡眠を心がけ、過度の疲労やストレスを避けるようにしてください。
好ましい食事としては、食物線維を多く含む食品の摂取が推奨されます。また、野菜は生ではなく、加熱調理をすると線維が柔らかくなり、腸への負担が軽減されます。乳酸菌やビフィズス菌でIBSに対する効果がみられたとの報告もあります。
逆に控えるべき食事としては、非可溶性の食物線維、高脂肪食品、食物アレルギーを引き起こしやすい食品とされています。また、カプサイシンが多く含まれる香辛料、炭酸飲料、コーヒーなどのカフェイン含有飲料、アルコールなどの大量摂取は腸管に刺激を与えて症状を増悪させる可能性があるので控えるべきです。
薬の使用については、医師に相談するようにしましょう。最近IBSの食事療法として低FODMAP食が注目されています。FODMAPとはFermentable(発酵性)、Oligosaccharides(オリゴ糖)、Disaccharides(二糖類)、Monosaccharaides  (単糖類)、And Polyol(ポリオール)の頭文字をとったものです。これらの糖類は大腸内で発酵が促進され、ガスを産生し、浸透圧により腸管内の水分が増えます。FODMAPを含む食材を最小限まで控え、その後、1つずつ食材を足していき、おなかの調子をみていくという療法です。

費用のめやす

紹介状がない場合、診療費とは別に選定療養費として別途費用が必要となる。