ドクターズガイド

福島邦博 医師 (ふくしまくにひろ)

福島邦博 (ふくしまくにひろ) 医師

岡山大学病院(岡山県)11病院のクチコミ
耳鼻咽喉・頭頸部外科
講師

専門

小児耳鼻咽喉科、難聴・言語障害

医師の紹介

難聴・言語障害の研究・治療におけるパイオニア。とりわけ小児難聴に対する造詣が深く、難病情報センターの「急性高度難聴」調査研究班のメンバーや、聴覚障害に伴う言語発達の遅れについて調査した感覚器障害戦略研究(聴覚)の研究リーダーを務めた経験を持つ。乳児期の難聴を放置すると、日本語を母語として習得することが困難になり、将来に深刻な問題を残してしまう。福島医師はこの問題に警鐘を鳴らし、難聴の早期診断と早期療育の重要性を説き、さまざまな取り組みを展開している。

診療内容

遺伝的な要因、妊娠中のウイルス感染などによって、言語を獲得する前から難聴が見られるケースを言語習得期前難聴という。1,000人に1人という先天性障害の中で最も高い割合で起き、必ずしもはっきりしたリスクの無い赤ちゃんにも発生することが多い。現在のところ、大半は明確な原因の特定は難しいが、岡山大学病院では遺伝子解析の手法を用いた難聴の原因解明も行っている。まだ言葉を話さない赤ちゃんの難聴はどうやって発見されるのだろう。
「大きな音に反応を示さない、おもちゃの音に喜ばないときなどから、難聴に気付かれる事があります。しかし、最近では新生児聴覚スクリーニングから難聴が発見されることが一般的になってきました」と福島医師は言う。
先天性難聴の検査では、新生児の場合、赤ちゃんにクリック音を聞かせた時の内耳の蝸牛から脳に至るまでの機能を記録するABR(聴性脳幹反応)という他覚的聴力検査が一般的だ。一方、1~3歳の幼児の場合は、条件づけを行った上で、音源のほうに振り向くかどうかによって聴力レベルを調べるCOR(条件詮索反応聴力検査)が用いられる。同院では、このほかにも新生児、幼児への聴性定常反応検査や遊戯聴力検査も併用して、早期発見に努めている。
「言語の習得には3歳までが非常に重要な時期なので、それまでに難聴を発見し、すみやかに治療を始めることが不可欠なのです。新生児聴覚スクリーニング1歳6カ月健診、3歳児健診などで難聴や言語の遅れが疑われた時場合は、すぐに耳鼻咽喉科を受診してください」(福島医師)
言語習得期前難聴の多くは蝸牛が原因となっているので、ほとんどは手術による根本的な改善は期待できない。このため、先天性難聴がわかったら、できるだけ早期に補聴器を装用させ、音声を用いた言語を聞かせてあげて言語訓練を行うことが大切になる。同院では児童発達支援センター(難聴幼児通園施設)「岡山かなりや学園」と提携して訓練を行っている。ただし、補聴器の効果が認められないような、両耳とも90dB以上の高度感音難聴の場合には、人工内耳の埋込手術が検討される。内耳に電極を入れて、聴神経に電気刺激を与えて聴覚を取り戻すという装置で、国内では1987年から本格的に治療が開始され、94年からは保険適応となっている。
「手術は全身麻酔下で行い、耳の後ろを3センチ程度切って電極を含めた内部機器を埋め込みます。所要時間は2時間程度で、手術の跡は時間が経過すればほとんど目立たなくなります。手術後には専用の設備を使った言語訓練を行います」と福島医師。
一方、成人の難聴にも幅広く対応。主として加齢による難聴の患者に対しては語音聴力検査などの精密聴力検査を実施し、補聴器のフィッティングを行っている。さらに、中途失聴者に対する人工内耳埋込術と術後のリハビリにも取り組んでいる。

診療を受けるには

初診は火・水・金曜 8:30~11:00で予約。福島医師担当は火・全日と金・午後。受診時紹介状が必要。紹介状がない場合、特定療養費(初診時自己負担額)5,250円が必要。

累積症例数または患者数

人工内耳埋め込み術:278件

年間症例数

人工内耳埋め込み術:年間 平均30例程度

医師のプロフィール

経歴
1990年3月 岡山大学医学科 卒業
1994年3月 岡山大学医学研究科 耳鼻咽喉科 修了
2004年4月 岡山大学病院 講師
所属学会・認定・資格

日本耳鼻咽喉科学会 専門医、日本耳科学会 日本聴覚医学会

予防に心がけたいこと

難聴に続発する日本語言語発達障害を予防・軽減する為には早期の対策が重要となる。聴覚スクリーニングを受けて早期発見を受けると同時に、早期に療育を開始したい。

費用のめやす

手術には、乳幼児医療費制度、自立支援医療制度などが利用可能

発信メディア(ホームページ、ブログ、Twitter、facebook等)

岡山大学耳鼻咽喉・頭頸部外科: