ドクターズガイド

病気の解説

前立腺がん

病気・症状

 前立腺がんは、前立腺肥大症とともに、前立腺の病気のひとつである。前立腺とは、男性特有の臓器で膀胱の下にあり尿道を取り囲んだ位置にある。その働きは、前立腺液を分泌すること以外には、はっきりと解明されていないことが多い。前立腺がんの発生には男性ホルモンが関与しており、加齢によるホルモンバランスの変化が影響しているものと考えられる。病気の進行は比較的ゆっくりで、早期に発見できれば、他のがんに比べて治りやすいといえる。初期の自覚症状はほとんどなく、がんが進行すると、尿がでにくい、排尿時に痛みを伴う、尿や精液に血が混じるなどの症状がみられる。また、進行し、骨に転移した場合には、骨痛があらわれることがある。

 今後日本では、食事の欧米化、高齢人口の増加、腫瘍マーカーであるPSA(前立腺特異抗原)検査の普及に伴い、前立腺がんの患者は急速に増加し、現在男性が罹患する癌でもっとも多い。

検査・治療

 始めに「スクリーニング検査」で、前立腺がんの可能性があるか否かを検査し、がんが疑われる場合は、「確定診断」を行う。ここで前立腺がんと確定された場合、「病期診断」で、がんの進行度を確認する(検査の順序や方法は医療機関によって異なる)。 遺伝の要素が強いと考えられており、前立腺がんと診断された親族がいる場合、40歳を過ぎたらPSA検査を受けることを勧める。

 治療は、がんの進行状況や悪性度、患者の身体の状態、年齢などを考慮し、最適な方法を選択する。「手術療法(前立腺全摘除術)」、「放射線療法(外部照射療法、組織内照射療法)」、「内分泌療法(ホルモン療法)」、「PSA監視療法」などがあり、これらの治療を単独あるいは組み合わせて行う。

ドクター・病院選びのポイント

 治療には数々の選択肢があり、それぞれにメリットやデメリットがあり、どれがベストかは、医師によっても患者個人の状況によっても変わる。術後の経過も含めてインフォームドコンセントをしっかり行ってもらった上で、納得して治療に臨むようにしたい。


監修

堀江重郎医師: 順天堂大学大学院医学研究科 泌尿器外科学教授