ドクターズガイド

病気の解説

脱毛症

病気・症状

脱毛症には男性型脱毛症、女性型脱毛症、円形脱毛症などいくつかの種類があり、患者数が多いのは男性型脱毛症で、壮年性脱毛症とも呼ばれる。主として男性ホルモンが影響し、遺伝的傾向が強い。症状は思春期以降に始まり、徐々に進行していくもので、前頭部と頭頂部の頭髪が薄くなり、最終的には完全に消失する。女性型脱毛症は頭頂部を中心にO型に脱毛が進行していく。はっきりした原因は分かっていない。円形脱毛症は突然、円や楕円の形で一部分や数カ所の髪が束になって抜けてしまう。さらに重症の場合は頭部全体の髪が無くなる。子どもから高齢者まで、男女を問わず誰にでも起こりうる疾患で、生涯のうち100人中2人に起こるとされている。ストレスが原因とされていたが、それは発症のきっかけに過ぎず、今では自己免疫疾患の一つと考えられている。

検査・治療

円形脱毛症の場合、免疫機能の異常が原因と考えられるので、血液検査を行なうことが多い。自律神経失調症、アレルギー疾患、甲状腺機能障害などの合併症もみられるので、血液検査で異常があった場合、各分野の専門医の治療と同時に脱毛の治療を行なうことになる。治療は薬物療法と理学療法が中心となり、薬物療法では副腎皮質ホルモン薬(ステロイド薬)の外用、内服、注射などのほか、抗ヒスタシン薬や血行促進薬が内服薬として処方される。近年、世界的に効果が認められているのは「局所免疫療法」だ。これは患部に人工的に接触皮膚炎を起こし、患部に皮膚炎のリンパ球を集めて、毛根を攻撃するリンパ球を抑制するというもので、高い有効率が認められている。ただし、根治するわけではなく、治療を止めれば再発することが多い。2週間に1度は通院して治療を続ける必要がある。

男性型脱毛症・女性型脱毛症の場合、育毛剤として男性、女性とも「ミノキシジル」を外用する。「フィナステリド」の内服は男性には効果が認められるが、更年期以降の女性には無効であり、胎児への影響などもあり若い女性には使用できない。

ドクター・病院選びのポイント

①総合病院なら皮膚科でも脱毛専門外来を設置していること。脱毛症の治療は専門性が高い分野なので、最近は設置している病院も増えている。
②エビデンスに基づいた薬物・理学療法を行ない、リスクも含めた十分な説明を受けられること。医学的に明らかな育毛効果が認められているのはミノキシジルとフィナステリドのみで、その他の医薬部外品等の使用を強く薦められるような場合は注意する。


監修

坪井良治医師:東京医科大学 病院長 皮膚科 主任教授