ドクターズガイド

病気の解説

肝炎

病気・症状

肝臓に炎症が起こる病気「肝炎」。放置していると「肝硬変」や「肝臓がん(肝がん)」に進行してしまう。日本では多くがウイルス感染によって起こり、C型肝炎とB型肝炎を合わせて感染者は推計で350万人。また、そのなかには、感染に気づいていない人が100~200万人いると推定される。C型肝炎ウイルスは主に血液を介して感染する。1992年以前に輸血を受けた人、大きな手術を受けた人、入れ墨やボディーピアスをしている人などは感染の可能性がある。B型肝炎ウイルスは血液や体液を介して感染し、主な感染経路は性交渉や母子感染など。予防対策が功を奏し、母子感染はほとんどなくなったと考えられているが、性交渉による感染は増えている。

検査・治療

C型肝炎はテラビック(テラプレビル)という新しい治療薬の登場以来、治療可能な病気になってきた。治るか治らないかは、IL28とコアの70番いう遺伝子を検査で分かる。両方の遺伝子が効きやすいタイプなら90%以上の確率で治るが、両方とも効きにくいタイプだと確率は11%に下がる。新薬は副作用が強い上に、治療薬はどんどん進歩しており、今後いい薬が次々と登場してくる可能性が高い。治る確率が低い場合には、今無理に治療せず、次なる新薬の登場を待つという選択肢もあることを覚えておこう。

B型肝炎の9割は、経過観察を受けていれば大丈夫だが、残りの1割は肝硬変や慢性肝炎、肝臓がんに進行するため、HBs抗原を測定し、治療の必要性の有無を調べることが重要だ。治療薬は現在ラミブジン、エンデカビル、アデホビルという3つの薬が保険適応となっており、ペグインターフェロンを組み合わせて行う。治療を行った患者の1割は、B型肝炎の完全に克服に成功しており、今後の治療成績の向上が期待されている。

肝炎の治療費は、国の医療費補助の対象になっている。お金の心配はいらない。

ドクター・病院選びのポイント

遺伝子や抗原をしっかり調べ、「あなたは何%の確率で治ります」と診断できる専門医を選びたい。症例件数はあてにならない。医療機関のHPを調べても分からない場合は、肝臓病を専門とする医師に相談し、紹介してもらおう。治療の副作用は、病院のチーム医療で抑えることができる。一人の名医より、いい医療チームがある病院を探すことが重要だ。

監修

泉並木医師: 武蔵野赤十字病院 副院長、消化器科部長