ドクターズガイド

病気の解説

糖尿病

病気・症状

糖尿病はインスリンの作用の低下によって、体内に取り入れられた栄養素がうまく利用されずに、血液中のブトウ糖の血糖値が持続的に上昇し、放置したり治療が上手く行かないと、合併症を起こしてくる病気。インスリンの作用の低下には、膵臓からのインスリンの分泌不足(インスリンが足りない状態)と、肥満などによるインスリンの作用(効果)が出にくい場合(インスリンが出ていも血糖値が下がらない状態=インスリン抵抗性)とがある。

患者の90%を占める2型糖尿病は、多くの場合、当初は無症状。悪化するに従い、尿が多くなる、のどが渇く、お腹がすく、体重が減る、疲れやすい、こむらがえり等の症状が現れ、意識障害(糖尿病昏睡)を起こすこともある。合併症には、糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症といった「3大合併症」があるほか、脳卒中、心筋梗塞、歯周病、足壊疽等のリスクも高まる。

検査・治療

血糖値とHbA1cの値を調べる。空腹時血糖値が126mg/d1以上あるいはブドウ糖負荷2時間値が200mg/dl以上に加えてHbA1c(NGSP)が6.5%以上の場合、糖尿病と診断し、治療を開始する。糖尿病の早期発見と早期介入のために、糖尿病診断の第一段階にHbA1cを取り入れる新しい方式は、2010年7月より実施され、2012年4月よりHbA1cが国際標準のNGSP値で表示されるようになった(従来のHbA1c(JDS)では6.1%以上)。

糖尿病は根治できる病気ではないので、治療は血糖値を十分に下げて合併症を防ぐことを目的に行う。1型は注射等でインスリンを補うインスリン療法が、2型の場合は、食事療法、運動療法、薬物療法が基本。薬物療法では、従来からある飲み薬や「インスリン注射」のほか「インクレチン関連薬」を用いる。インクレチン関連薬は、糖尿病患者に不足しているインクレチン(すい臓に働きかけて、インスリン分泌を促す働きをするホルモン)の作用を改善する薬で、「DPP-4阻害薬」と「GLP-1受容体作動薬」の2種類があり、病態に応じて、単独あるいは従来からある薬と組み合せて使う。それで不十分な場合には、強化インスリン療法を行う。薬は日々進化しており、近い将来SGLT-2阻害薬という次世代型の薬が使えるようになる予定だ。

ドクター・病院選びのポイント

日本糖尿病学会認定の糖尿病専門医の受診をおススメする。全国に4500名以上おり、学会のホームページで検索可能だ。


◆日本糖尿病学会 ⇒

監修

門脇 孝医師: 東京大学大学院医学系研究科代謝栄養病態学(糖尿病・代謝内科) 教授