ドクターズガイド

病気の解説

在宅医療

解説・背景

【解説・背景】

「在宅医療」とは、通院困難な患者に対し、自宅に医療者が訪問して在宅で行う医療のことをいう。突発的な病気に対して行う「往診」とは異なり、主に慢性疾患の患者に対して計画的に行う医療サービスを指す。具体的には、がん、認知症、神経難病、小児麻痺や先天性疾患の小児疾患、うつ病や統合失調症などの精神疾患、寝たきりの高齢者まで、様々な疾患の患者に提供される。

近代の日本の在宅医療は、1980年代に「社会的入院」が問題視され、寝たきりの

高齢者を自宅や地域で受け入れる医療体制を構築し始めたのがはじまりと言われている。現在、制度的に療養目的の長期入院ができなくなったため、退院後、在宅での医療を必要とする患者が増加している。内閣府の調査によると、多くの国民が住み慣れた環境で、高齢になっても病気になっても自分らしい生活を送れる在宅医療を望んでいる中、現状では、世話ができる家族がいない、近くに訪問医療を行っている施設がないなどの理由で、入院医療や施設介護が中心となっている。

超高齢社会を迎え、医療機関や介護保険施設等の受入れにも限界が生じることが予測される。在宅医療は、急性期医療を終えた、慢性期・回復期患者の受け皿として、また、終末期ケアも含む生活の質を重視した医療サービスとして、期待されている。

受診するには

【受診するには】

原則、通院困難であれば年齢や病気の種類や障害の種類に関係なく受けることができる。在宅医療を受けるためには、通院中の医療機関の医師か地域のケアマネージャーや訪問介護ステーションに相談する。医師や看護師、歯科医師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、栄養士など、必要に応じて必要な医療者の訪問を依頼する。費用は医療保険や介護保険などが利用できる。医療保険では、保険種別により、費用負担が異なる。また高額医療費の助成対象にもなっている。高齢者の場合は上限が決まっているため、一ヶ月あたりの診療費の自己負担は医師訪問2回の場合、診療内容や施設によっても異なるが、高齢者の場合1割負担で6000円~12,000円程度。

病院・医師選びのポイント

病院・医師選びのポイント

地域のかかりつけ医がそのまま在宅医を担当するのが理想的とされるが、疾患により専門の知識が必要な場合は在宅医療の技術や医療知識があるドクターに依頼する。日本在宅医学会のホームページで学会認定の専門医を調べることができる。

◆日本在宅医学会 ⇒

監修

石垣泰則:日本在宅医学会 副代表理事 城西神経内科クリニック理事長 コーラルクリニック理事長